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apnについて

はじめに

2021年の11月にPodcast『Processing by apn』のリリースに際して、コレクティブapnを始動しました。

元来aiverはバンド兼アートコレクティブとして機能していましたが、aiverはあくまで音楽作品を中心に扱うグループであり、かつ対外的にも内部的にもバンドないし音楽制作グループとして機能している実態があり、それに伴い諸々のアクションの照準が音楽に集中してしまうことが懸念としてありました。結果的に音楽制作部門とその他の制作(+α)を担うセクションを分派しよう、と思うに至り、apnが(内部的には2020年10月頃から)組成され動き出したという経緯があります。

apnはまだ動き出したばかりのコレクティブですし、aiverの活動との区分けがあまり判然としないかもしれないと考え、aiver/apnの双方で活動する自分が今回apnに関する説明を行っている次第です。

組成までの流れ

apnとして既に世に出しているコンテンツは『Processing by apn』と『Playable Player』の2つですが、(あくまで内々の)時系列的には『Playable Player』が先に動き出しており、また当初は『Playable Player』を制作するチームとして組成された向きもあります。

『Playable Player』を制作するに至った経緯は先の高橋祐亮のnoteでも簡易に触れられていますが、より詳細に説明して行きます。

大元のきっかけは2020年の4月頃に自分と祐亮がお互いの作品制作の近況を話し合っている中、祐亮がUnreal Engineを使った制作をしているので何か一緒に作品を作れたら面白そうだ、と提案をしてくれたことに始まります。その時点では漠然とaiverの新しい楽曲のMVなどに活用できないかと考えており、現在の『Playable Player』に埋め込まれたコンセプトについては話し合われていませんでした。

当初のリファレンスとしてはNeon Saltwaterと猫シcorpの『Welcome to the NEON SALTWATER HOTEL』が挙がっており、シンプルに "音楽のイメージを空間的に描写する"ようなプロジェクトとして画策し始めました。

Welcome to the Neon Saltwater Hotel. See it on the big screen and in better quality at the Rose Gold Pop up at Glass...

Posted by 猫 シ Corp. on Sunday, December 6, 2015

ただし、せっかく音楽と仮想空間における建築というコラボレーティブな作品制作をするのであれば、何かよりコンセプチュアルな要素や試みを内包した作品を作りたいと考え、oxymoronの洲崎翔にも漠然とした作品制作の意図を伝え、コンセプトのブラッシュアップを始めました。

『Playable Player』の制作にあたって我々が内部的に重要視していたのは、
・『Playable Player』は(aiverの音楽作品を用いて制作することもあるものの)aiverの音楽作品では無い≒MVやアルバムアートワークといった音楽を主軸に据えた他メディアによる表現行為とは明確に峻別したい
という思いです。これはすなわち、音楽的要素を用いることはあっても、音楽を主体化させることを前提化しないという意向の現れです。

先にも述べたように、既にバンドとして動き出しているaiver内部のコレクティブとして機能するとどうしても音楽的なコレクティブ(BrockhamptonやSuper Organizmのようなコレクティブを想像していただくと分かりやすいかもしれません)として(内部的にも外部的にも)認識されてしまいがちですが、apnの射程は音楽も含みつつ、それ以外の表現形式や領野にも向いており、だからこそ『Playable Player』の制作の過程でaiverとapnを分派するに至った訳です。

当初のメンバーは
・吉田明史(akashi yoshida)- aiverのリーダー
・oxymoron - 映像制作ユニット
・高橋祐亮 - 建築家/デザイナー
の4人となっており、主にインタラクティブメディアやゲームアート作品の制作を主眼に置いていた構成員となっています。

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apn/aiverでの『Playable Player』を作る上での組織構造図。
『Playable Player』は6つの曲(aiver制作)と6つの空間(apn制作)を作る『6 rooms』プロジェクト用に作られたソフトウェアです。ややこしいですね。

Podcastをやるに至るまで

つい先日公開した『Playable Player』は実際には2020年12月に第一作、並びに資料映像は完成していたのですが、それ以降の動きがうまく定まらずやや停滞状況に陥っていました。

そんな中、(既存のapnの動きとは別軸で)音楽仲間であるPause Cattiとこれまた近況報告等をしている中で、aiverとPause Cattiが似通った課題感を抱いていることを見出したため、どうにか協力体制を敷きつつ、開かれたシーンを作っていけないかと話し合い始めました。

とりわけ我々が大きな課題として感じていたのは
・音楽制作に関与する人間(トラックメイカー,アレンジャー,ミキシングエンジニア,マスタリングエンジニア)への待遇の厳しさや社会的理解の乏しさ
・音楽家同士の協力関係の結び辛さ
・先鋭的な作品を聴取するための土壌の整備し辛さ
・(主に日本における)新しい音楽のシーンの作り辛さ
などにあります。

このような課題の構造的根深さと、それに伴う長期的な生存戦略の敢行の必要性を踏まえ、
・Pause Catti - ミュージシャン/プロデューサー
・島田理貴(Riki Shimada)- aiverのメンバー
をapnに招聘し、「開かれたコミュニティの生成」を目指す、アートプロジェクトやPodcastなど幅広い活動を行なっていくコレクティブとして再編成するに至りました。

apnの活動理念

繰り返しになりますがapnは「「開かれたコミュニティの生成を目指すコレクティブ」です。

また、『Processing by apn』の冒頭でも触れている通り、いわゆるクリエイティブな活動から、政治的な議論までさまざまな活動・思考の「プロセス」を追い、また同時に開くことも目指している、非常に干渉領域の広い活動を試みるコレクティブです。

言ってしまえば結構何でも出来る(あるいは出来てしまう)グループですので、既に雑多な活動をしていますが今後も雑多な活動を展開していくかと思いますが、上記の活動理念からは逸れずに地道に一歩一歩進んでいければと考えています。

apnの今後について

主な活動は既に動き出している『Processing by apn』の定期的な配信と『Playable Player』の制作になると思いますが、それ以外にも活動場面を広げて行ければと考えています。(既にお誘い頂いているお話もあったりするので、近日何かしら新しいご報告ができるかもしれません。)

特にやりたいな、と考えているのは
・DJパーティ
・音楽のレビュー
などですが、気楽に制作配信やゲーム実況(何でもありですね)とかもやってみたいです。

また、apnは随時色々な人と関われたらいいなと考えています。
・『Playabe Player』の開発に携わりたい人
-エンジニア
-3Dモデラー
・音楽ライター
・その他制作者
・Podcastに参加してみたい方
などなど多種多様な人とのコラボレーションを望んでいますので、もし何か引っかかるものがありましたらcollective.apn@gmail.com もしくはTwitterのDMまでご連絡ください!

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