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『かいじゅうたちのいるところ』は、360度イケてる子

【ワークショップ】絵本『かいじゅうたちのいるところ』を読んで話そう~ゆるっと哲学
【日時】 2023年11月12日 日曜日 14:00-15:30
【参加者】 4人
【ファシリテーター】大久保徳久子 (編集・絵本講座主宰)
【場所】埼玉県越谷市 駅から徒歩5分 カフェあかね.ya

【様子】
絵本を読んで、各自感想や体験を語り合いました。その後「問い」を決めてじっくりと向き合う時間を持ちました。


コーヒー片手に絵本が似合う頃


今回は、急なキャンセルもあって
いままでで一番少人数の会でした。

突然寒くなって
ついでに雨まで降って
口々に「寒いねえ」と集まり

みんなで温かいコーヒーを手にしながら
ゆるっと話は始まりました。


今回の絵本は
『かいじゅうたちのいるところ』
モーリス・センダック
神宮輝夫 訳 
冨山房 


言わずと知れた名作絵本ですが、
何度もお子さんと楽しんだ方もいれば
初めて読むという方も。

「かいじゅうがコミカル」
「最後がほっとする」
「絵が強すぎないけど、印象に残る」
「訳が素晴らしい」

「子どもたちも好きだけど、自分も好き」
「まるで、うちの子!」

などなど感想はバラエティーに富んでいました。

原書を持ってきてくれた方がいて
比べてみたりもしました。

『かいじゅうたちのいるところ』は360度イケてる子!


ロングセラーと言われる絵本の中には
多くの方が口を揃えて「ここが好き」と
好む場面が集中しているが作品が
あります。

強いインパクトが
長く愛されている理由のひとつになっているのです。


けれど、『かいじゅうたちのいるところ』は、
違いました。

絵の魅力
キャラクターの描き方
ストーリー

子どもも大人も引き込む
まるでうちの子という共感

少なくとも、今回感想に出た点は、
奇妙なほど、ばらけていました。

こんなに注目する点が異なるということは、
「いろんな角度に訴える力がある作品」
ということなのではないのか。

つまり
『かいじゅうたちのいるところ』は
どの視点から見ても、魅力的な360度イケてる子?

何度読んでも気持ちがよくなる
好きな絵本なのだけれど、
「なぜなのか」
その理由を
浮き彫りにしてもらえた気がしました。

我が子を褒めてもらったみたいに
ちょっとくすぐったい気持ち。
表紙をそっと撫でてあげたくなりました。

強いことへの憧れはなぜあるの?

その後、打って変わって、
本日の問いをみんなで出し合い、
投票し、哲学対話のテーマに選ばれたのは

「強いことへの憧れはなぜあるの?」でした。

※このワークショップの一連のプロセスは第1回のこちらで説明しています。


「強いことへの憧れはなぜあるの?」

こう聞かれて、
さらに疑問が頭の中を駆け巡る人は
多いと思います。

わたしも、おそらく参加者もみんな
そうでした。

「強いって、何が?」
強いと聞いて、まず何を思い浮かべますか?

生物として、強さが生き残るために
必要なときがあったのは、よくわかっている。

けれど、現代の日本で「強い」って、
なんだろうか。


腕っぷし? 喧嘩? 戦い? <身体的強さもあれば>。

上下関係? 権力? <人間関係もあれば>。

ペンは強し? <表現の強さもあれば>。


そもそも、強いに憧れる人ばかりじゃないかも



「強さに憧れがある」人と、「ない」人もいるのではないか。
そんな話も飛び出した。

実際、強くない人でも魅力的な人はいる。
わたし自身、強さや権力への憧れは
ほとんど、ない気がするし。

「強さ」は、子どもがわかりやすく憧れる世界。
少年ジャンプが描く成長、強くなっていく世界。
そんな言葉も、出てきました。

分かりやすいから、憧れになりやすいのか?
その分かりやすい憧れは、もしかして
利用されてしまう危険もないだろうか。

話は弾んだし、ひんぱんに笑いもあって
楽しい時間だったのに
終了の時刻がやってきたとき
参加者全員が、べったりともやもやを抱えていました。

「もやもやするから、
これをまた今夜も考えようと思います」
参加者さんのひとりが言っていました。

なんで、こんなべっとり重たいものを
わざわざ集まって話し合って
持ち帰るんだろうかとちょっと可笑しくなりました。

でも、それがこの会です。
癖になるもやもやなんです。

歯磨きしながら、お布団で、電車の中で
参加者さんたちが、またこのテーマを思い出している
そんな姿を想像します。

わたしも、「強い」について
お鍋を見つめながら、頭を働かせているのでした。

あなたは、「強さに憧れ」はありますか?
それはなぜですか?

絵本を皮切りに
いろんなことを一緒に考える時間が
「絵本で話そう~ゆるっと哲学」通称【ゆる哲】です。

こんなもやもや時間。
良かったら、ご一緒しませんか?
お待ちしていますよ。

(とこ)
 
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ゆるく。そして、ここちよく。

活動の予定は、Instagramで発信しています。
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