見出し画像

診断を受けた日。

3歳になっても言葉をしゃべらないムスコを連れて、市の子ども相談施設へ発達診断テストを受けに行った。
(前回の話はこちら

テストの間、親子は離れ離れにならなければいけない。まず一緒に部屋に入り、オモチャや絵本で遊び、集中しだしたら、そおーーーっと退出。親は別室でムスコについての問診を受ける。しばらくしたら親の不在に気が付いたみたいで、泣き声が聞こえてきた。ガンバレムスコ!!

泣いたり飽きたり遊んだりと横道外れまくりながら、発達検査が終了するまで2時間半。「いつもこんなもんですよー」という先生。抱っこされて戻ってきたムスコは、私を見つけてまた大泣き。がんばりました。

後日、結果が出たと連絡があったので、再び相談施設へ。
そして、

「ムスコくんの現在の発達の年齢は、9ヵ月です」

と、言われ、クラクラとした。

えーー。やあ、遅れてるとは思ってるけど、まさか1歳にもなってなかったとは。「まじかああ」と人生で一番ショックを受けた。ほんとに頭殴られた感じ。やー。うん。そっか。えー遅れてるっていっても2歳ぐらいじゃないの?えーと、ん?えーー?!と頭の中ごちゃごっちゃ。
笑顔でニコニコのムスコを見ても、なんか整理がつかない。飲み込めない。

よく聞く「診断が下りて、逆にホッとした」とかよく聞くけど、私の場合は、ホッとするより、なんか逃げ場がなくなった気持ちになったのを憶えてる。
「これは、育児じゃなくて介護だな」と思って、正直暗くなった。「育児って終わりがあるってわかってるからできるんだなー」と。この先ずっと自立しないのかと思うと、とても暗い気持ちになった。

帰りのバスでムスコを抱っこしながら「そーかー。やっぱそうかー」としみじみ思った。外の景色をじーーっと見るムスコ。ムスコのほっぺをつんつんしてみる。でも、私の顔は見ない。ずーっと外を見たまんま。『そおか。集中してるのかと思ったけど、反応のなさは障害ゆえかー。なるほどなあ。』
アレコレなんか一気に辻褄が合いだして、頭の中のパズルが一気に完成していく感じ。もう後戻りできないなと思ったのを憶えてる。

今まで生きてきた中で、食欲がなくなったのは、この日だけ。どんなに体調悪くても「カツ丼食べたい!」「ケーキホール食べしたい!」と言い放つ私なので、ホントに落ち込んだんだなと自分で思った。

と、ここまで書いて、当時ホントに落ち込んだんだなあと改めて思い出した。当時の自分、よく頑張ったよ!エライ。

診断を受けて、どよ〜〜んと暗くなったけど、同時に腹が括れた感じもあった。まだまだ弱々しい括りだったけど、方向転換への第一歩は踏み出せたと思う。

続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?