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批判に耐えうる軸を作ろう

人間は暇なので、間違いだと感じることを誰かが言っていると偉そうに論評してしまう。
それだけに、何かを言えばどこからともなくどんな批判でも飛んでくるのが現代社会である。インターネットの世界の中では「アンチ」なんて呼ばれる人たちがそうした批判を繰り出すものだ。

批判を避けるために人から言われたとおりにやる、という人が時折いるが、人から言われたとおりにやっても批判されないわけではない。人は自分を守ってくれるわけではない。
言われた通りにやることとは、単に上からみたときの「扱いやすさ」を意味するにすぎない。もっといえば意志もなく言われた通りやることとは、批判を恐れて何も自己主張をしないことと同じだ。

批判を恐れる姿勢というものがある限り、なかなか人生は前に進まない。
なぜなら動こうとすれば、どうしたって批判を受けるからだ。「批判を受けないようにしよう」という発想の先には「行動しない」「黙る」という未来くらいしかない。

さすれば、行動して人生を漸進的によくしたいと思うのであれば、自分の中に批判に耐えうる軸を作るほうがよさそうだ。
そうした軸は、平穏な毎日のちょっとした行動の繰り返しや、心のうちに強い思いを持ってみることによって作り上げられるのだと思う。人生でこれを大切にしよう・これだけは譲れないというものを見つけてみて、そしてそこに自己の人生を投企していくありようが求められるように思う。

そして忘れてはいけないのは、その過程にも多くの人の批判があるということだ。しかし、それを超克できぬのに、自分が社会に対して何かを打って出ようと思うとき、行動などできるわけがない。

不合理なことに批判する精神は失ってはいけないけれども、かたや批判をしてばかりで行動しないのなら、それは「批判をしながら批判を受けることを恐れる」という不可思議な態度の現れであり、もっといえば「アンチ」と面と向かって対峙することを恐れる「アンチ」であることの証明である。

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