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「お前の人生をドラマにして誰が見る?」

以前、だれから言われたのかは忘れてしまったのだが、「世の中に人をテーマにしたドラマなんかがあって結構面白いのが多いけれど、お前の人生をドラマにしたら誰が見るんだろうな」みたいな話をされたことがあった。

相手方の物言いは失礼なのだがまったく持ってその通りである。
私の人生をドラマにしても、大して面白くはない。

世の中も決して安泰で過ごしやすい…というわけでもないなかで、とかく目の前の一瞬を生きることに一生懸命になっているところはだれにでもある。
しかし一つの「コンテンツ」として自分の人生を眺めてみたときに一体全体何が面白いのだろうという気になる。

「情熱大陸」とか「プロフェッショナル~仕事の流儀~」とか、すごい人にフォーカスをしたテレビ番組には目を奪われてしまうものだ。一つの道を究めたプロの生き様というものにどこか憧れている自分がいるのだと思う。

でもそれは「面白い人生をこれみよがしに人に見せつけてやろう」なんて思ってできるものではなくて、シンプルに意志を持って何かをなし遂げようとしてきた結果なのだろう。

少し前に外務省OBの方が「何かを企んで人を使うと言うより、自分がこれだと思ったことを一生懸命やっていると人脈が自然と生きるものだと思いますね」とおっしゃっていたことがあった。

人生をより良い方向に向かわせるために必要なものは間違いなく人脈だ。人を誰かにつないでもらったり、その人からのちょっとした提案で、思わぬきっかけを生むからだ。そして人脈の前提にあるのはたくらみではなく、個々人のまっすぐな意志なのだ、という話だった。

人生という一つの作品には様々な出来事があり、そしてそれに応じた感情の起伏がある。決して、世の中をアッと驚かせるような出来事ではないにせよ、自分が確かな社会への意志を持ち、前に進んでいる実感を持って光を見て前に進む日々が積み重なっているのなら、決してそれは退屈な作品などではないのだろう。さて、その己が抱く社会への意志は何たるや。

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