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【育児】適当に泣いていた赤ちゃんをおだてたら全力で泣き出してしまいました

出産が終わり一週間ほどたったころ、赤ちゃんと奥さんの入院が終わった。親の運転する車に乗せられ、赤ちゃんが家に降臨したのである。
改めて抱いてみると首はふにゃふにゃ、生まれて1週間くらいなので目もほぼ開いていない。

いやはや赤ちゃんはあまりに不完全な形でこの世界に生を受けている。無条件に誰かからの庇護が必要だ。
人間は有史以来何万年と歴史をつむいできたわけだが、昔の育児など無理ゲーだったのではないか。
今のように食品ロスに悩む暇もないくらいロクに飯もないし、周りを見れば戦争や各地域の小競り合いなど血で血を洗う争いに時間を費やしている。
これほど弱い赤ちゃんが生き、そして大きくなることは当たり前ではなかったはずだ。

赤ちゃんは退院直後からいっちょまえに排泄をしたり、大声で泣いたりする。放屁やゲップなんかをすると、時々大人顔負けのサウンドを奏でる。
最初のうちはお乳を飲んだら満足してすぐ眠ってしまう。だいたい50cc位、つまりコップ1/3杯分くらいだ。胃の容量は極めて小さい。その胃袋が成長とともに大きくなって、ゆくゆくは茹で前300gくらいある二郎系ラーメンを食べられるおなかになっていくことが信じられない。人間の成長は驚異的だ。

2週間くらいすると徐々に目が開き、じたばたして泣き出すことも増えてくる。放っておくと大きな声を出すので、こちらもいたたまれなくなって相手をすることになる。
赤ちゃんの様子を一人で見ることも増えるなか、泣き方にもざっくり2つの種類があることがわかった。

1つは「あーん」と全力全開で泣くタイプだ。
おむつを替えて欲しいときやおなかが減ったときなんかはこれが多い。マズローの五大欲求でいう「生理的欲求」が満たされていない時なんかはとにかく全力で泣いていたような気がする。

もう1つは「ふえーん」みたいに適当に泣いているタイプだ。
これは抱っこして欲しいときなんかに多かった。「安全欲求」なんかはここなのかもしれない。

中途半端に「ふえーん」などと泣いているときには「おおすごいすごい」などと適当におだてていたのだが、赤ちゃん側も称賛を真に受けたのかもっと頑張って泣きはじめ、結局「あーん」とバカでかい声で泣き出してしまった、なんてことは一度や二度ではない。

世の中には、赤ちゃんが外で泣いているとイライラするひともいる。泣き止ませろと言わんばかりの目つきで睨むひと(特におじさん)もいるっちゃいる。
まあそういう人に構うほど暇ではないので放置しておく他ないのだが、外で一生懸命泣いている赤ちゃんを見て思わず「すげー泣くじゃん」と、笑いそうになる自分がいる。これは子供がいなかった頃にはなかった感情である。おそらくだが、赤ちゃんはそういうものだということが腹でわかったのだ。

もっとも、泣いているのに「うふふ、かわいい」「おおすごいすごい」などと愛でられてしまう当の赤ちゃんは「まあそうだよね」どころか「違う、そうじゃない」という感情で我々に泣き叫ぶ。赤ちゃんとのコミュニケーションの溝はなお深いのが現状である。

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