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【育児・経済】「保育園落ちた日本死ね」という言葉もあれば定員割れで保育園に入園できたりしてよくわからん

私が小さいころは時代の流れもあって「父親は働き、母親は専業主婦」というのが一般的だった。
日本が貧しくなったのか、はたまた子育てにコストがかかるようになったのかはわからないけれども、いまや共働きで子供を小さいうちから保育園に預けることのほうが一般的だ。

足元、私も娘を保育園に入れるかどうかというタイミングだったのだが、この度娘が保育園に「定員割れ」で入園することになった。
かつて「保育園落ちた日本死ね」というSNSの言葉が話題になったことがあったくらいなので、保育園に受かるというのはそれなりに至難の業なのだろうと思っていたので実に驚いた。

子供を持つ家庭にとっては保育園をめぐるあれこれは極めて現実的な問題である。それだけにざっくりとでも知っておいて損はない。
まず、保育園の申し込みは基本的に役所を通じて行う。書類が多いので各自治体に確認されたいが、いくつか希望の園を書いて内定すれば晴れて入園ということになる。

ことが幾分複雑になるのは「もう少し長く休みたい」と思ったケースである。
休むときにはただ休むこともできるわけだが、出産前に働いていたひとは国(ハローワーク)から「育児休業給付金」をもらいながら休むことができる。これは原則として子供が1歳になるまでもらうことができる。

じゃあ1歳になったあとは――というと、基本的にはお金をもらうことはできないのだが、ひとつ合法的にお金をもらう方法がある。それが、保育園に落ちてしまったケースである。
当然保育園に入りたいと思って応募もしたのに残念ながら落選してしまい、子供の面倒を家で見ざるを得ない…となると、これは簡単に言うと「自治体が保育園の体制整備とかをしていないから悪い」ということになるので、国からお金をもらいつつ最大2年、子供の面倒を見ることができる。

要は、「保育園に入りたかったけど入れなかった…」という体裁を整えることができれば、お金をもらいながらでも育児休業給付金をもらうことができる、ということだ。

お気づきかと思うが、これは「(お金をもらうために)無茶苦茶倍率の高い保育園にだけ応募してわざと落選した」としても、体裁としては「保育園に入りたかったけど入れなかった…」ということになるので、これまたお金をもらいながら子供の面倒を見ながら休むことができる。
二人目の妊娠などを考えると育児休業中にもう一人子供を授かるほうが何かとスムーズという事情もあるのでこうした事例が出てくるようだ。この方法は制度の穴をついたものではあるが別に違法ではなく、少なからず子育て世代であれば知られているようだ。なんなら、説明をしてもらったときには自治体側も認識していることがうかがえた。

最近になってこうした「わざと保育園に落ちてお金をもらってもう一年休む」という動きに対して厚生労働省も監視の目を強めるとしているらしい。
一方、こども家庭庁は現役世代を中心にお金を取って現役世代に対して給付金を出そうというのだから一体全体何をしたいのかよくわからない。
こうした育児関連のところから締め付けを強めようとしている時点で、国は子供を育てるためにお金を遣う気がそんなにないことは明らかでもある。とにもかくにも国は私たちが子供を育てるのを邪魔しないよう、育児に使うための金を奪う「増税」をやめろと主張し続けなくてはならない。
国の歳出を絞るのは勝手だが、その分こちらが支払う税金も絞らねばつじつまは合わない。なんせ、定員割れであろうが何だろうが、保育園にもお金がかかるのだから。

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