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【経済】謎めき政府広報~「年収の壁」作ったの政府じゃね?~

私がツイッター(現X)やYouTube、Facebookに出会った2010年ごろ、SNSで広告を見るなんてことはほぼなかったものだが、いまや投稿より広告のほうが多いのではないかというほどの勢いである。

この間もFacebookをみていたら、こんな広告が流れてきた。
ちゃらららん…と悲しい音楽とともにパートらしき女性と事業主のような男性とが以下のようにしゃべり出して広告は始まる。

女「年収の壁がなかったら、もっと働けるのに」
男「年収の壁がなかったら、もっと働いてもらえるのに」
ナレーター「パートやアルバイトの方が一定の年収を超えると社会保険料が発生して」
女「手取りが減ってしまう」
男「働いてもらえず、人手不足」
ナレーター「それが年収の壁。そこで新たなサポートとして『年収の壁支援強化パッケージ』がスタート!年収の壁、突破しませんか?詳しくはこちら『年収の壁』で検索」

この政府広報は「年収の壁支援強化パッケージ」なるものの広報のために作ったものである。
一見すれば年収の壁をどうにかするために支援強化パッケージを作ってくれたのか、よかったなあということになりそうだが、よく考えてみると妙な話である。

というのも、そもそも「年収の壁」という規制を作り上げたのは、政府そのものだからである。
つまり、政府が作り上げた規制を「改善します!」とパッケージを打ち出しているのだ。問題だとわかっているのであれば、支援するというのではなくそもそも問題のある制度をなくせばよいだけの話ではないのか。

よく見てみると、「年収の壁支援強化パッケージ」とは、年収の壁を超えて働く人に対して賃金の引き上げなどをすると助成金(補助金)が出るもののようだ。結局は我々の税金が原資になっている。
つまり、自ら作り上げた規制に対して、我々から徴収した税金を使って補助金を出して対応するという無駄に無駄を重ねたシステムだ。
よく、政府が規制を通じてどうしようもない仕事を作り上げていると指摘されることがあるが、まさにその典型的な例である。

このように、政府が規制を通じて無駄な仕事を生み出すのは日常的な現象である。
それだけにその「恩恵」にあずかる我々は「お金がもらえればOK、もらえなければダメ」という単純な思考回路ではなく、政府はそもそも意味のない仕事を作っているのではないかと疑いの目を持ち、そして補助金なり支援金といった名目でそこに税金が投入されることを断じて許してはならない。

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