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あたしを作るものたち。

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好きなものの紹介エッセイ。 漫画、映画、小説など。
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2019年10月の記事一覧

あたしを作るものたち 6

あたしを作るものたち 6

うちの母は、小説だけでなく漫画も好きな人で、あたしは物心つく頃には大人向けの恋愛漫画や、鳥山明の短編集なんかを読んでいた。
今思うと、どちらも小学校低学年には早い内容というか、だいぶアダルティだったように思う。
まぁ、父もあたしが物心つく頃にはビッグコミックやスピリッツ、オリジナルなんかを読ませていたし、両親はあまりエロいものを子供から隠すという気はなかったのかもしれない。

そんな母がなぜかわざ

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あたしを作るものたち 5

あたしを作るものたち 5

初めて観たのはいつの事だったかはもう覚えていないけれど、中学生くらいで、多分金曜ロードショーとかだったんじゃないかなぁと、思う。
たぶん、その頃からあたしは何もかもが完璧な幸せで終わるようなハッピーエンドよりも、救いようの無い話や、最悪の中の最善を問うような物語が好きで、だからずっと覚えてるんだと思う。

巨匠、クリント・イーストウッド監督の『パーフェクト・ワールド』。
多分人生で一番観ている映画

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あたしを作るものたち 4

あたしを作るものたち 4

何となく今までの流れで「小説を紹介していくのかな?」と思っている人もいると思うけれども、違います。
もちろん思春期に読んだ本は本当にあたしを形作る基礎になっているとは思うんだけれど、あたしとは切っても切れないものがある。
そう、漫画です。

この漫画とは、ある日の学校帰りにごみ捨て場で出会った。
それも単行本ではなくて、多分たまたま巻頭カラーになっていたのが目に留まって読んでみたのが最初。
「最終

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あたしを作るものたち 3

あたしを作るものたち 3

突然だけど、うちの母は本当に本が好きな人で、多分子供のことも本好きになるように育てたかったんだろうなぁ……と、思う。
事あるごとに「これ、面白いよ」と言ってあたしに本をすすめてきた。

この本を勧められたときにあたしは中学生だったのか、高校生だったのかは覚えていないけど、真っ先に思ったのが「こんな分厚い2冊、読めるはずがない」だった。
それくらいにこの「永遠の仔」は分厚かったし、読み始めればとても

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あたしを作るものたち 2

あたしを作るものたち 2

文学少女と呼ばれるには程遠いけど、学生時代にはそれなりに本を読んだ。
仲の良い友達は、小説と言っても学園モノのライトノベルだったり、BL小説しか読まない中で、ハードカバーのちゃんとした本を読んでいるのは、あたしの小さい優越感だった。

それに、小説というものとあたしとの相性も良かったんだと思う。
空想ばかりしているような子供だったあたしには、その本の世界に入り込むことも簡単だったし、家の中で手軽に

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あたしを作るものたち

あたしを作るものたち

高校生の頃、夏休みに小説を読み漁った事がある。

きっかけは、母が渡してくれた山田詠美の放課後の音符という、女子高生達の恋愛を主とした小説だった。
なんていうか、その頃のあたしはまだ処女だったので、セックスの事なんかが言葉として書かれているその小説がとても衝撃的だったのを覚えている。

そして、たぶん3日くらいかけて、睡眠と入浴と食事と排泄の時間以外をすべてあてて20冊ほどの山田詠美の小説を読みき

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