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みんながみんなの居場所になる

昨日成人式の前撮りを終えました、フクちゃんです🌞
今回もまた、福祉で活躍する方から新たな学びをさせていただきました。
それをみなさんにお伝えしたいと思います!

突然ですが、

みなさんにとって、安心できる居場所はありますか?

それは、家族かもしれない。
おじいちゃん、おばあちゃんかもしれない。
恋人かもしれない。
友達、あるいは尊敬する人かもしれない。

こまった時、つらいことがあった時に、真っ先に帰りたくなるのが私にとっての
「安心できる居場所」です。

私の安心できる居場所は、家族です。
私は物心ついたときから家には父親がおらず、一時期は叔母と祖母に育てられていたこともありました。

「みんなみたいに、両親と4人家族で普通の家庭に育ってみたかったな」

昔は、そう思ったこともありました。
友達がお父さんの文句を言うときでさえ、少し羨ましかったり。

でも今は、いろんな人に育てられたからこそ培われた、”たくましく生きる力”、そして“多様な人と分かり合う力”があると思っています。

安心できる居場所は、人それぞれ違う。
必ずしも本当の家族じゃなくてもいい。
そもそも「普通の家庭」って、なんだろう?

そう私の考えを改めさせてくれたのは、社会福祉法人みねやま福祉会の、
”てらす峰夢(ほうむ)”という児童養護施設の施設長である、櫛田啓さんのスピーチです。

「早く死にたい。」と願う15歳の少年

櫛田さんが家族でまったりご飯を食べていたときに、かかってきた施設からの一本の電話。

「少年が暴れています。すぐにきてくれませんか。」

櫛田さんが部屋に入ろうとすると、少年は瓶を投げつけて櫛田さんを威嚇します。
そんな少年に、櫛田さんは彼の誕生日プレゼントの話をしました。

「殺すぞ!!」
「もう誰も信じない!」

そう叫んだ少年に、櫛田さんは気の緩みが伺えた、と話します。
そこに気の緩みを見出せたのは、様々な事情を抱えた子供たちと関わってきた櫛田さんだからこそだと思います。

殺すぞ!と叫びながらこちらを威嚇してくる少年がいたら、みなさんはどのようにして止めますか?
私だったらきっと、「そんなことしないで」と単純な言葉で止めようとしてしまう。

しかし、櫛田さんは違いました。

少年が生まれた時、彼の両親の離婚、施設に初めてきた時のことなど、彼の人生にそっと触れ、こう伝えました。

「君はよく頑張っている。君に出会えて幸せだ。」

「早く死にたい」という少年の存在を肯定し、受け入れようとする姿勢を見せることは、
居場所を見つけられない少年に響いたのでしょう。
少年はその場で泣き崩れたと言います。

「もう誰も信じない」という言葉の裏には、
「誰からも愛されていない」という悲痛な訴えがある。

子どもたちの繊細な心に触れることは、とても怖いことかもしれない。
しかし、それは同時にすごくすごく大切なことで、大人が子供の安心できる居場所をつくってあげなければいけない。

櫛田さんのスピーチを聞いて、そう感じました。

【HERO’S プレゼン動画】
https://www.youtube.com/watch?v=u9PQT5VXk_c

居場所を求めているのは、子どもだけ?

ミルクをあげる


引用:京都福祉情報サイトkyoto294.net https://kyoto294.net/office/10028/


先ほど、子どもには安心できる居場所が必要だと言いました。

しかし、この記事を読んでくださっている学生や大人のみなさん、あなたにとっても居場所は必要ではありませんか?

そしてそれは、何歳になっても必要なはず。

1人で生きていける人間なんて、この世にいないと思っています。
もしいるとすれば、それは人間に見せかけたサイボーグを疑ったほうがいいかもしれません。


普段はちょっと怖いおじさんが、施設の子どもたちを可愛がり、「よくうちの地域に来てくれたなぁ」と頭をなでる。
いつもは物を壊したり大きな音をたてることで自分の主張を示す自閉症の少年が、小さな子どもの前では優しくスタッフの袖を引っ張って何かを伝えようとする。

子どもの存在が、地域に必要とされている。
お互いが、支え合っている。

そんなことを実感する瞬間だと思います。

「老いも若きも、障害のある人もない人も、ごちゃまぜの福祉には人々を元気にする力がある」

櫛田さんは福祉についてこのように語ります。

”手を取り合って生きていく”とはつまりこういうことなんだと思いました。

支え合いは、続いていく。


最初に紹介した少年が大人になり、櫛田さん伝えた言葉。

「俺みたいなやつを見捨てないでくれてありがとう。今は生きていてよかったと思っている」

子どもたちの今の心のケアによって、これからもっと長い人生を生きていく子どもたちの心の支えになっているのだと感じました。

そしてそれは同時に、子どもと関わる方の心の支えでもあるのではないでしょうか。

私はこの少年の話を聞いて、私を支えてくれ、そして今も支えてくれている家族や祖父母のことを思い出しました。

家族は、自由奔放な私を見守っていてくれる。道を外れようとしたときには、きちんと引き戻してくれる。

祖父母は、人生についていろんなことを教えてくれます。つらいことや、嫌なことがあっても、踏ん張ってただ生きることが大切なんだと。
「元気な顔を見れただけで嬉しい」と言ってくれる祖母は、
私が生きているだけで人を幸せにすることができるんだ、と思わせてくれます。

「あなたたちに支えられた私の存在が、あなたたちの心の支えになっていますように。」

そう願います。

支え合いは続いていくのです。

最後に

櫛田さんの行っている「ごちゃまぜ福祉」の取り組み、そしてこどもたちや地域に対する熱くて優しい、素敵な思い。

そんな櫛田さんの魅力、
そして何より安心できる居場所の大切さが、この記事を読んでくださったみなさんに少しでも届いていれば嬉しいです。

しかし、私の力では全てをお伝えすることができません。

今回ご紹介させていただいた櫛田さんは、11月21日(日)のカイゴの業界研究セミナー第二弾「日常の暮らしをつくる」に御登壇いただきます。

ぜひ、素敵な櫛田さんのお話を直接聞いていただきたいです!


<カイゴの業界研究セミナーとは?>

FACE to FUKUSHIでは、介護の魅力を学生に発信する「カイゴの仕事研究室」というサイトを運営しています。
福祉・介護分野で就職するのありかも、と思っている学生にむけて、この「カイゴの仕事研究セミナー」を企画しています。
学生向けではありますが、もちろん学生ではない方にもきていただくことは可能です。

興味を持ってくださった方はぜひ一度遊びに来てください!
ご予約はこちらから⬇️
https://kaigo.f2f.or.jp/seminar/768/ 
日時:2021年11月21日(日) 14時〜16時
場所:オンラインで開催します

<櫛田さんプロフィール>

くしださん

社会福祉法人 みねやま福祉会 理事 櫛田 啓
京丹後市峰山町出身。学生時代の夢はプロサッカー選手。大学卒業後、福祉の専門学校を経て祖父が創設した法人を継ぎ、地域課題を解決するためのまちづくりにも積極的に関わっている。地元が元気になる新しい福祉のあり方を実践中。


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