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「自転車で坂を下る=ドミナントモーション」 【ゼロからはじめる音楽理論 No.8】

自転車で坂を下る=ドミナントモーション

さて、前の項で「ひとはなぜか『ソ→ドという方向に重力的なナニか』を感じている」と書きました。


"物体は重力にしたがって落ちる"ということで、坂道を想像してみましょう。重力は "ソからド" 方向にはたらいていますので、ソからドへと続く坂道です。


ここで、その坂の上に自転車があるとどうなるでしょうか?

自然に自転車は坂をくだりますよね。


この「自転車が自然に坂をくだる運動」は「ドミナントモーション」と呼ばれ、

「音楽理論の ”いちばんのコア” 」

となる動きです。


“モーション” は動き、運動という意味ですね。

“ドミナント” ということばについては、のちほど説明しますので、ここでは、この「坂をくだる運動」のことを「ドミナントモーション」と呼ぶということだけ覚えれば大丈夫です。

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ちなみにドミナントモーションは和製英語です。
英語では「Authentic Cadence」といいます。

ただ、ドミナントモーションの「モーション」という語感は ”音が進んでいく” というイメージにぴったり合っていて理解しやすいと思いますので、このコースではあえてドミナントモーションと呼びます。
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さて、音楽理論の活用法のひとつとして、「ソングアナライズ=楽曲分析」というものがあります。

なにかあなたが好きな曲があったとして、その曲がどんな構造でできているのかを分析する作業です。

下の図は、そのソングアナライズの例を示したものなのですが、「やじるし」が書いてありますね。

この図は、あとのレッスンで出てくる「コード」というものを使って書いていますので、いまは何が書いてあるか分からなくて大丈夫です。

「やじるし」のところだけ注目してください。

この「やじるし」の部分がドミナントモーションです。

譜面のなかに「やじるし」が書いてあるので、視覚的にも楽曲がすすんでいく感じが見てとれますが、このとき実際にやじるしの方向に音の重力が働いているのです。

この ”ドミナントモーション” はこのあとのレッスンでもたびたび出てきますので、しっかりとイメージをつかんで忘れないようにしましょう。



さて、さきほどのアナライズの図をみると、ソやドではなくGやCと書いていますね。

このドレミの代わりにアルファベットを使う書き方もよく出てくるのでここで覚えておきましょう。

ラがAで、あとは順番にABCDEFGとなっていきます。

なぜアルファベットの最初のAがラなのか?について気になるひともいますよね。

たしかに、ドレミファソラシとならんでいるだからドがAでもよさそうです。これについては諸説あり、「たまたま声楽での音域から割り振ったらそうなった」というのが有力なようです。

つまり、特に理由や意味はないので、

「ドレミファソラシ」=「CDEFGAB」

ということだけ覚えておけば大丈夫です。


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さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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