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「カミングアウトのハードルを下げたいから」会計士の僕がゲイを公表する理由③

株式会社ゼロベース/渡邊勇教公認会計士・税理士事務所が掲げる理念「クライアントに対して正直で誠実であること」

代表の渡邊勇教がなぜゲイであることを公表し、働くのか。同じくゲイであることをオープンにしながらLGBTに関する情報を発信しているライターの松岡宗嗣がインタビューしました。

第1回「パートナーとの関係が自分を成長させてくれる」会計士の僕がゲイを公表する理由①
第2回「北海道出身」と同じテンションで「ゲイです」と伝えます。会計士の僕がゲイを公表する理由②
第3回「カミングアウトのハードルを下げたいから」会計士の僕がゲイを公表する理由③

僕がオープンにすることで、カミングアウトのハードルを少しでも低くしたい

第1回では渡邊さんがセクシュアリティについて自覚した時のことや、恋愛が渡邊さんの人生の中で重要な軸のひとつであることを伺いました。第2回では、カミングアウトについて、なぜクライアントにゲイであることを伝えているのかについて聞きました。

今回は、ゲイであることを公表している会計士という立場から、企業のLGBTに関する施策の必要性について伺いました。

ーーーカミングアウトしてから何か渡邊さんの意識の中で変化はありましたか?

そうですね...セクシュアリティを理由に逃げられなくなった、という感覚が芽生えたかもしれません。

カミングアウトできていなかった時を振り返ると、自分の中で「会社でうまくコミュニケーションがとれないのは仕方がない」とか、「腹割って話せている同期を見て羨ましい」とか、「飲み会への参加が億劫」とか、ある意味セクシュアリティのせいにして逃げている自分がいた部分もあると思うんです。

ーーーなるほど...今の社会が渡邊さんにそう思わせてしまっているとは思うのですが、そういう意識が芽生えたんですね。

はい。ある意味カミングアウトしたことで「逃げ場が作れなくなくなった」んです。でも、だからこそ肩の荷が降りたし、すごく楽になりました。自分にもちゃんと正直に向き合うようになりました。

また、カミングアウトしたことで、なぜLGBTであることだけを理由に差別をしてしまう人がいるのか、本当に意味がわからないと強く思えるようになりました。

まだまだLGBTの当事者が自死にいたってしまうようなケースをみて辛い気持ちになります。

同じ当事者の人たちに対して、僕と同じような強い気持ちを持ってとはなかなか言えないですが、でも、僕がオープンにしていって、自分の職場からオープンな空気を作っていくことで、当事者の前に立ちはだかるハードルを少しでも低くしていければと思っています。

ーーー次に続く人のために道をつくっていっているんですね。

今回は話していませんが、僕も親へのカミングアウトは大変でした。全く苦労がなかった訳ではないですが、でも乗り越えていくから楽しいという部分もあると僕は思います。

僕がカミングアウトし続けていくことでハードルを低くし、その後に続いていける人が増えていくと良いなと。そして、セクシュアリティというものが、その人を構成する要素のひとつにすぎないものになると良いなと思っています。

会計士は「会社のあるべき姿」を伝える仕事でもある

ーーー渡邊さんは、精力的にLGBTに関する活動もされてますが、ゲイであることを公表している会計士として、なぜ企業はLGBTに関する施策を行う必要があると思いますか?

会社はできるだけ永続的に発展することが重要で、会計士としては「今年の売り上げがあがってます」とか「利益の金額が正しいです」ということだけでなく、今後会社が発展する上で何が大事かという観点を伝えていくことが重要だと思っています。

会計はあくまで過去の実績が中心です。今の組織の脆弱性や、ダイバーシティにフォーカスが遅れていると、例えば「海外売り上げ比率をこれから伸ばします!」と言っていのに外国人登用の比率があまりに低いとか、そもそも計画とやっていることが合っていない、ということが起こりうる。その時に「どういう整合性をとっていくのでしょうか?」と問う必要性があります。

ーーー具体的にどういう場で提案や指摘をするのでしょうか?

会計士は本来、会計や税務の処理の仕方だけでなく、指導や助言をする機能があって、監査で経営者と会社についてディスカッションをする場があるんです。そこで会社のあるべき形を自分たちなりに一生懸命考えて、指導すべきと思っています。

その指導は、必ずしも会計にとらわれず、今の社会情勢や組織のあり方も関わる大事な要素なんですよね。その中にダイバーシティ&インクルージョンなどが位置付けられていくと思っています。

監査を受けるような大きな会社だと「うちの会社の風土はこうなんで」と言われることがありますが、「うちはこうだから」といってもそれが良い訳ではない。

その時に、会計士は経営者と話し合うことができるポジションのひとりだからこそ、「最近ダイバーシティってよく話題に出ますよね」と言ってみてあげたりすることが重要だし、意義のあることではないかと思っています。

これからどんどん人手が足りなくなっていく時代に、働き方や職場環境はとても重要です。もちろんダイバーシティの視点を取り入れていく必要があるし、僕がカミングアウトしているのも、それに気づいてもらうための一つだと思っています。

好きなことを探す努力をしてほしい

ーーー渡邊さんは会計士でもあり、そして経営者でもあると思いますが、ゼロベースでは働き方について何か考えていることはありますか?

LGBTに関する直接的な話題ではないですが、そこに通じることとして、僕はみんなに対して「好きなことだけやれば良い」と思っています。好きなことを一生懸命やってほしくて、嫌いなことは極力やらなくて良い、そんなパフォーマンス低いものはないからと。

ただ、好きなこと探す努力はしてほしいと、貪欲に探すことに時間を当ててほしい。仕事に限らず、新しい人にであうとか、趣味をはじめるとか。 

会計事務所が経理やってるのって「ふつう」ですよね。会計事務所のビジネスモデルは人に依存しているので、働きやすいと思える環境が何か常に考えていかなければと思っています。


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ご興味ある方は、ぜひ一度HPをご覧になってください。


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株式会社ゼロベース 代表取締役/渡邊勇教公認会計士・税理士事務所 代表 立命館大学を卒業後、有限責任監査法人トーマツに2007年入社。2018年5月より現職。 LGBT支援のNPO法人へメンバーとして所属し、企業へのLGBTセミナーを行なっている。

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