どんな人にも家族がいる
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どれだけ失礼な対応にイライラしても、その人には家族がいる
どれだけナチュラルに気分を害す人でも、家族がいる
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普段通りWebライターの仕事を済ませると、私は家事を一通り済ませ、保育園にいる娘を迎えに行く。
娘が3歳6ヵ月頃までは、夫は当然仕事へ行くので、ワンオペでのWebライターだった。娘も私も"保育園"という環境に慣れてからはすっかり気が楽になり、マイペースに働けるようになった。
友達が増えて『あの子とおそろいのおしぼりだ!かって!』と言えるようになった娘に、成長を感じつつも寂しさを覚える。
そんな暮らしを続けていく中で、ときに自分の感情が怒りであふれることがある。この間もそうだった。
娘を迎えに行った帰り、車を車庫へとしまい、玄関まで二人で歩く。目の前から90歳くらいのおじいちゃんが自転車でこちらへと向かってくる。
ぶつからないように娘を内側へと移動させ、私たちは前進する。
おじいちゃんがすれ違うと、とんでもないほどの異臭がした。
これは、まごうことなきおじいちゃんの屁だ。
おじいちゃんはあろうことか、ペダルだけでなく放屁でも前進していたのだ。
気分良く帰宅した娘と私は、その匂いにたちまち憤怒した。糞なのか憤なのかよくわからないが、とにかく驚きとともに憤怒した。
家に入ったあと、私は憤怒した自分を抑え、そっと視点を切り替えた。
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どれだけ失礼な対応をする人でも、家族がいる
どれだけナチュラルに気分を害す人でも、家族がいる
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ペダルだけでなく、放屁でも自転車を前進させるおじいちゃんにも、きっといつまでも愛し続けたいと思う素敵なご家族がいるのだろう。
私はそう思い、そっと怒りを静めた。