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口を衝いて出た言葉を振り返ったとき、『私は思っていた以上に悩んでいたんだ』と理解した。

『口を衝いて出た言葉を振り返ったとき、私は思っていた以上に悩んでいたんだ』と理解した。

そんなふうに思ったのは、私が数年ぶりに体調を崩したからだ。娘を妊娠している初期~中期の3年前から、私は一切風邪のような症状に見舞われたことがなかった。

ホルモンバランスが乱れる生理前などを除いて、私は体温が乱れることもなかった。

排卵日が終わった途端、徐々に38度程の熱が出始め、長いときで生理2日目までそんな日常が私を襲う。

慌ただしい毎日の中で、自分をいたわることなんて考えてもこなかった。

労りを求める夫に、まだまだ目を離せない娘がいて、自分のことなんか考える時間なんてなかった。

そんな日常を繰り返していると、気づけば自分のことなんていいから、と考えるようになっていた。

でもとうとう私が体を崩した。
熱は微熱があるものの、そこまで高くなることもなく、ただだるさが抜けなかったり、気持ちに持続性がなかったり、ときどき節々が痛んだりはぁはぁと息を上げてしまうようになった。

締切や修正、チェック作業や来月の準備に追われ、それでもやってくる洗濯物のと洗い物の山。

買い出しにも行かなければならず、家族揃ってあちこち回らなければならない。

そう、私には1日寝れば治るができないのだ。

そんな日々を繰り返し、ついに体を壊したここ数日。夫は毎日栄養剤やポカリ、栄養剤の錠剤タイプなどを買ってきてくれた。

そんなやさしさの反面、「お前に倒れられたら困る」の気持ちに、やり場のないむなしさのようなものも込み上げていた。

最近のことをぽつ、ぽつ、と夫に話していると、夢の中で魘されていたような記憶が蘇った。起きても取れていない疲労感に気づきながらも、ここ最近感じていたことや抱えていた不安なんかも話していた。

夫から『なにか不安事でもあるの?』と聞かれた瞬間、収入面のほかに、現在の仕事についての悩みをうちあけていた。

私は独学でライターを初めて、何ひとつ取り柄なんかない。家で書ける記事、誰でも書ける記事をがむしゃらに書き、誰でも書けるものを書いているのにも関わらずライターと名乗っている。

そんななか、チェッカーや誰かの記事を修正し、提出するなんていう立場になってしまい、「私なんかがそんなことしていいわけがないと思っている」とまで言っていた。

うんうん、と黙って聞き、何かを言う訳でもない夫へ、ずっと思っていた私のライターとしての立場やモヤモヤ、今の仕事への向き合い方なんかをぼろぼろとこぼしていた。

口を衝いて出た言葉を振り返ったとき、『私は思っていた以上に悩んでいたんだ』と理解した。