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大丈夫ですと言いたくない

「保育園の洗礼が怖い親」というタイトルのYahooニュースが出ていた。正直怖いのはその親と働いている社員なんだけどな、と苦々しい気持ちでその記事を消した。

丁度ナインボーダーという連続ドラマでもチームリーダーを引き受ける川口春奈が、子供の熱で仕事を押し付けられ「大丈夫じゃない!」と相手に言うシーンがあった。その後「でも、大丈夫って言いたい。皆で頑張ろう。」と言い和解していたが、私はそんな優しい気持ちを持ち合わせていない。

8人という小さいチームで働いていて、そのうち半分が小さい子持ちだ。育休産休で代わる代わる長期休みに入り、復帰したと思ったら頻繁に子供の体調不良で休み、残された4人に突発的な仕事が次々と降ってくる。なんとか耐えて数日経ったと思ったら、次は子供の風邪や病気が自分にうつったと連絡が来て、またしばらく休まれる。もしくは、気付かずしれっと出社されて他の社員が感染に巻き込まれることもある。

健康な状態は損だし、不公平だと思ってしまう。「頑張れる人が頑張ろう」という構図だと、いつも普通の自分よりも更に頑張らざるを得ない状態に追い込まれる。頑張らなきゃいい話かもしれないけれど、顧客に対面でサービス提供する事業柄、なかなか手を抜くのも難しい。

皆そうやって働いているのだろうか。それだったら子持ちの人(特に性別で役割分担している家庭が多いと女性側)を採用したい会社なんてどこもないだろうと思う。社会ってそうやって成り立ってるから、周りが我慢してなんとか耐えたら良いのだろうか。だったら、子持ちは子持ちでチームを作って、穴を埋めあって働いて欲しい。

子持ち様という言葉も、きっとこういう不利益をこうむっている屈折した思いを持った人から生まれたんだろうと思う。ちなみにうちの職場の本人達はとても申し訳なさそうにしているし、出社した時はすごく助けられていることもあるので、私はその人達のことは全然嫌いではない。ただ、日々のストレスになるだけ。

そんなことを思いながら私は意地でも「大丈夫です」とは言わず、仕事を追加で引き受けるのをできるだけ避けながら、ひっそりと自分の仕事をする。「お大事に」のスタンプをポンと押すのが今提供できる精一杯の優しさだ。

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