【掌編小説】燃える(ゴミじゃなく)恋の日
時が止まる。
この感じ、幼い頃に感じたような気がする。
タタタン♪
タタン♪
タタタータ♪タンタン♪
このメロディーが私を呼んだ。
「ヤバいっ、もうぅ〜っ」
「早く行かないと」
私は、慌てふためいて靴を履き玄関のドアを
開けた。
「ママ〜っ、ママ〜っ」
と私を引き止める。
その瞬間、私はある記憶をみた。
そう、私ではない誰かの。
あれは遠い、遠い昔の事。
天界と呼ばれるこの世界では、
香(コウ)と呼ばれる1人の闘神がいた。
そのものは、もはや敵なし、みなから恐れられいつも1人で、空をながめていた。
「あなた、いつも1人だよね」
「・・・・」
「強いのに何故1人なの?」
「・・・・」
「どうして、答えてくれないの」
「・・・・」
「あなた、可愛そうね。。」
と、言って立ち去ろうとした瞬間
「強くなんかない」
私は、振り返り彼に近づいた
「俺は、本当は弱い。」
「どうして?」
私は彼に聞いた。
「この乱世、俺は、世界が燃えるのを今まで
何度も見てきた。だから、俺はこの乱世を終わらせ燃えない日が来るのを信じて戦っているだけだ」
「あなた、強いよ」
「この俺が強いだと」
「そうよ、あなたは強いよ」
「だから、いつか私に燃えない日が来たと
教えてくれる?」
今まで険しかった香(コウ)の顔はとても優しいく私にこう言った。
「わかった。俺がこの乱世をおわらせる。
そして、お前に燃えない日が来たと伝えてやる」
「香さま、香さま 敵陣でございます」
「わかったすぐ行く」
「貴様、名は?」
「良(ヨシ)と申します」
「約束を果たすまで、我を待たれ」
「御意、ワタクシはいつまでもアナタ様を
お待ちしております。ご武運を」
ママ、ママっ
はっとすると、娘がこう言った。
「大丈夫?それより、収集車いっちゃうよ」
私は、ゴミ袋を自転車のカゴにのせ
猛スピードで、収集車を追いかけた。
「もうダメっ、間に合わないっ」
すると、収集車の後の人が私に向かって手を伸ばした。
「そのゴミ受け取ります」
私はその男性にゴミ袋を渡した。
すると、
「今日、燃えないゴミの日です」
私は、その瞬間さっきの記憶を思い出した。
その彼の胸元のネームプレートを見ると
そこには
コウ
と書いてあった。
私は彼にこう言った。
「教えてくれてありがとう」
彼はにっこり笑いながら去っていった。
私は、生ごみの袋を持って空を見上げた。
すると空には大きな虹がかかっていた。
その虹をみながら私は思った。
「繋がってるんだなぁ」って。
それは遠い、遠い、昔の記憶。
おわり。
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あとがき
ある方の音声配信アプリで配信されてた内容を
フューチャーして物語を書きました。
燃えないゴミの日と気付き生ゴミの袋を持った
まま、空を見上げると言うところに前世との
繋がりを描きました。
アナタにもある日突然、
前世の記憶がフラッシュバッグする日が来るかも
#今日は燃えるゴミの日
おやつちんみのユウのほう
朗読
https://stand.fm/episodes/620d80100b6fc6000708a8c3
原案
https://stand.fm/episodes/6205c54026eb370007171700
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