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必死に目指した国家公務員を3年半で辞めてコンサルに転職した話

2024.01.16 最終更新

新卒で国家公務員、いわゆる官僚になって約3年半、悩み抜いた末に私は退職する決断を下しました。

巷では官僚はブラックだと言われており、実際それは否めないのですが、それでもファーストキャリアで国家公務員を選んだことは正解だったと自信を持って言えます!

この記事ではそんな私の官僚生活を振り返ってみたいと思います。
これから国家公務員を目指そうとしている方や、官僚が実際にどのような仕事をしているのかを知りたい方はぜひご覧ください!

0.受験期

私は民間企業を一切受けていません。
理由としては、単純にそこまで器用ではなかったことと、公のために働くんだという理想に燃えていたからです…笑

朝から晩まで大学の図書館にこもり、食事も忘れてひたすらに勉強しまくっていました。本当に食べなさすぎて、最後の半年だけで10キロも痩せてしまい、ラジオ体操で筋肉痛になるくらいまで身体が衰えてしまいました…。
無自覚だっただけに(それくらい勉強に全振りでした)非常にショックでしたが、その甲斐あって(?)無事に官僚となることができました!
まさに命を削って官僚になったわけです…!笑
(なってからもさらに命を削ることになるとは知らずに…)

1.行政府

1.入省

コロナ禍の真っ只中に入省したため、最初の2ヶ月はほとんどテレワークでした。とは言っても、新人に仕事などなかったので、朝から晩まで法律(主に憲法と行政法)の勉強をして過ごしていました。初任給が出たこともあり、この時期に50冊くらい本を購入しました!
3ヶ月目からは徐々に出勤も増え、段々と業務を覚えたり研修を受け始めたりするようになりました。ところが…

2.異動

4ヶ月目に入るタイミングで異動となりました!笑
通常国家公務員は1〜3年くらいのサイクルで異動するですが、まさかの3ヶ月…!
異動先は総務課(※)で、主に次のようなことをやっておりました。
(※厳密には大臣官房総務課といいます。自分は響きがかっこよくて好きでしたが、公務員でない方は聞き慣れない単語かと思います…!笑)

・代表電話(政治家、他省庁、国民の皆様etc.)
・各省庁からの依頼
・幹部職員対応
・部署間の調整
・会議のロジ、議事録公開
・法令協議
・文書管理
・審査業務
・情報公開
・審査請求
・訴訟対応
・公益通報
・国会対応
・国会議員対応
・政党対応
・官房長官、大臣記者会見対応

はい。とてもとても定時では終わりませんね!笑
残業時間は3けt…秘密です!
このおかげで、1年目から多種多様な仕事を経験させて頂くことができ、国はこうやって動いているのか!、と大変勉強になりました!
(これらの業務は学問領域で言うと、政治学・行政学・行政法の知識が役立ちます!)

余談ですが、残業のお陰で給料もよく、しかも実家暮らし+飲み会が皆無だったのであっという間に貯金が貯まっていきました!


2.立法府

そんなこんなで2年が経ち、行政の動きがなんとなく分かってきたところで、またまた異動となりました。異動先は…

1.国会連絡室

国会連絡室、またの名を控室。現場では〇〇省控(室)という呼称が一般的でした。多分あまり聞いたことがないと思います。逆に官僚で国会対応の経験がある方なら割とは耳にしたことがあるかと思います。
場所は国会議事堂内の参議院別館に入っており、全ての省庁(+日銀や最高裁)が控室を設置しています。
ちなみに、本記事の国会議事堂の写真は、ある快晴の日に撮った1枚です!色んな表情の国会議事堂を写真に収めるのを密かな楽しみにしておりました!

なお、タイトルは立法府ですが、身分は変わらずに国家公務員です!立法府に1番近い官僚というニュアンスですので、為念。

余談ですが、親や友人にどんな仕事をしているのか聞かれて、なかなか説明しづらかったです…笑
そんな時に、NHKがこんな記事を書いてくださり、両親始め知り合いにシェアしまくったのはいい思い出です!
(私は写っていませんが、知り合いの職員はしっかり写っています!)

2.仕事内容

記事にも出ているトンビ活動がメインではありますが、それ以外にも

・政務(※)対応
・委員会対応
・政党対応
・議員事務所対応
・部会対応
・各省庁対応
 (※)大臣・副大臣・政務官のこと。まとめて政務三役と呼ぶ。

こういった業務がありました。
詳細は機会があれば別の記事で書きたいと思います。

想像どおりかもしれませんが、国会の会期中は非常に忙しいです。朝から深夜(場合によっては翌朝)までひたすら働いています。
逆に国会が閉会してしまえば、その期間はほぼ仕事がないので自由に有給が取れます!メリハリが激しすぎるのですが、この働き方が好きな方も一定数おります!笑

3.官僚生活を振り返って

正直めちゃくちゃきつかったです!平日は毎日深夜まで仕事、土日もまた仕事と、気の休まる時間がほぼなく、全力で駆け抜けた感覚でした!
それでも官僚という仕事を選んでよかったことはたくさんあります!もちろん大変だったこともそれ以上にたくさんありましたが…笑

1.よかったこと


★政府の動きがよく分かるようになったこと
★政治や経済のニュースが理解できるようになったこと

・勉強したことを業務に活かす習慣がついたこと
・法律を実際に使う経験ができたこと
★優秀すぎる人々にたくさん出会えたこと
・大臣や国会議員、各省の局長級といった国を背負う方々とお話をさせていただく機会が得られたこと
・限界まで働く経験ができたこと

2.大変だったこと

★パワハラ(自分の実力不足もありましたが…)
・他省庁との不毛な割モメ(どの省庁が答弁を書くかを争う、縦割りの弊害の最たる例を表す霞が関用語)に巻き込まれて朝までひたすら待つ
・明らかに無駄な大量の印刷
・大量の資料組み
・不明瞭な人事評価
・全く希望の通らない人事異動
・つまらないルーティーンワーク
・ほとんど誰も読まない資料の作成

3.辞めた理由

主に次の3点です!大変だったことをつらつらと述べましたが、それが直接の理由ではないです!むしろポジティブな転職だと思っていますし、いつかはしようと思っていたので!

①急な家庭事情の変化
これは個人的な話なので詳細は割愛しますが、結論この働き方を続けられなくなってしまったというのが大きいです。(拘束時間、給与面等)
この仕事自体はとても好きで、定年までは働かないまでも、もう少し続けるつもりでした…。

②労働環境
少しマイナス面ですが、率直に言って給料が全然上がらないのです!びっくり!
あとは、副業ができないという縛りが地味に痛いというのもありました…。

③民間経験の必要性
転職活動は1年目からしていましたが、高い学歴もなく業務経験も直接民間に活かせるものがほとんどなかったので、
・転職するなら20代のうちに
・民の世界も知りたい→幅広い業界を見られるのはコンサルだろう
と思っていたところ、ちょうど次の会社にご縁をいただいたので転職に踏み切りました!

またいつかは公共分野に携わりたいと思っていますが、そのためにもなおのこと官民両方の視点は必要だと思っており、次の転職先は民間と決めていました!

4.今後について

1ヶ月の有給消化と1ヶ月の無職期間を経て、次はいわゆるbig4と呼ばれる総合コンサルファームで働きます!

新しい職場で成長しつつしっかりと成果を出すことはもちろん、30代前半までには下記のことを成し遂げます!

①慶應通信卒業
 →経済学部の75期秋入学です!言い訳ですが、官僚時代は忙しすぎて単位が全然取れていないです…。2026年9月の卒業を目指して奮闘中!(現在→73/124単位)

②修士号取得
 →社会人大学院への進学を考えています。専門知識を得てスキルアップと起業に繋げたいです!

③副業
 →色々勉強中です!国家公務員は副業を禁止されていたのでこれから徐々に…!

④起業
 →30代前半には起業するつもりで逆算して色々と動いてます!

いろんなことがありましたが、振り返れば非常に濃密な官僚生活でした!
この経験はコンサルやその後の人生でも必ず役立つと信じています!

最後までお読みいただきありがとうございました!


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