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視点

春休みに入り、2週間ほど帰省していました。
毎日どこかに誰かしらと出かけていたので、朝ないしは昼の準備があったので、ずっとゆっくりできていたかと言えばそうではないけれど、それなりにリフレッシュできた気がします。よかった。


そういえば、こちらを購入しました。


わたしの人生のそばにずっと居たわけではないのですが、大学生になって音楽を選んで聴くようになってから、ここ数年スピッツがそれまでよりも身近です。


わたしはもともと、今をときめくような歌手だったりバンドだったりが苦手で、ひと昔もふた昔も前の音楽を好んで聴いていました。特に、両親が車でずっと流してくれていた松田聖子さん松任谷由美さん、海外ではThe Carpenters の音楽が自分に沁みついていて、それがずっと離れぬままここまで来ています。


ただ、わたしが最近の曲をあまり聴かないというのは、あまのじゃくな部分もあるからだとも思います。はやりに乗っては何かに負けた気がするという、形のないものと戦おうと空回りしているのです。

あとは、ほとんど誰にも言ったことはないけれど、流行っている、いま「進んでいる」人たちを応援するのが怖いという気持ちもあります。
たぶん誰も気にしたことはないのだろうけれど、わたしは、すきな人が何かを契機に崩れていくところを見たくない。たとえば、究極の例だけれど、薬物で逮捕されたら、自分が信じてきたものを否定される気がするのです。そういうことが起こらないためには、もうすでにある程度出来上がって、進むにしても遅々として完成されたものをさらに磨き上げていくような人が、人たちが、わたしはすきなのだと思います。

まあでも、それだけではなくて、わたし自身おそらく育ってきた環境もあって、言葉の速さがゆっくりだったり、耳触りのよい日本語だったりが好みなのもあって、80年代の曲がすきなのだと思います。


その中で、おそらくスピッツもしっくりきたのだと思います。
スピッツの歌詞は、わたしの中にうまくはまらない時があって、のんびりした曲のときだと、たまに引っかかったりする。でも、それが心地よく引っかかるのです。

どういう意味だろうと考えて、わたしには出来ない言葉の並べ方だと、勉強にも参考にもならないなりに考察してみる、その時間がおもしろいと感じます。


わたしは誰のライブに行ったこともないし、CDやグッズを集めたこともなくて、でも別にそれで満たされないとか、バンドのツアーライブに毎週のように行っている軽音楽部の同級生たちが羨ましいと思うことはありません。

ファンというのも違う気がするし、どういうポジションで「すき」と言っていいのかわからないけれど、わたしなりに「すき」であると思います。

ずいぶん前から好きな人たちにとっては当たり前の情報を、わたしはおそらく知らない。だから、安易に「ファンになったんだ」と得意げに言うことはわたしには出来ない。心苦しいから。

だから、誰にも言わずひっそりと、Spotifyでアルバムを再生し続けるのです。でも私はこれで今のところ満足で、たとえば誰かとこの気持ちを共有できたり、歌詞について考察したりカラオケで合唱したり、それができればもっと楽しいのかもしれないけれど、まるきり私と趣味が合うような人はなかなかいないだろうから、わたしは取り敢えずこのまま過ごしていってもいいかなあと思っています。



で、スピッツの本『スピッツ2』をようやく(2023年5月出版のようです)手にしているわけなのですが、正直に言うと、わたしにとって芸能界にいる人の本やものを買うのがはじめてだったのです。

妹はアイドルの写真集を買ったり、ファンクラブ限定のファンミーティングに行ったり、結構楽しくやっているようなのですが、わたしにとってはこの本をタワレコのレジに持って行くことすら緊張で、「のちのち後悔しないだろうか」とたくさん考えてしまったのですが、一緒にいた妹に背中を押してもらって購入しました。


まだ途中です。でも、ものすごくおもしろい。
笑い声が出てしまうような感じではもちろんないけれど、あぁ草野マサムネはこういうことを考えて曲を作っているんだとか、ふだんはこういう言葉選びをして会話するんだとか、そういうことを考えて読んでいるのがとても楽しい。


世の中にはいろんな価値観があって、たとえ仲良しの友達だったとしても、たとえば医療倫理についてのことだったらお互いの意見が合致しないことは多々あるので、いろんな情報や意見を自分の中に吸収していくのをわたしは大切にして生きています。

だからこそ、自分の中で少しでもほっとするような、わたしが一人ではないと思えるような存在を見つけれられるととてもうれしい。同じような価値観を言葉として手元にもっていられると、わたしはとても安心して日々を過ごしていけるような気がする。


わたしは、明日もこの本の続きを読もうと思うし、目の前の春もまだまだ楽しんでいきたいと思うし、いろんなことを考えて、言葉にして過ごしていきたいなと思います。

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