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深夜のこたつは都合が良い

※お立ち寄り時間…3分

「昨日は、何時に寝たの?」

ほんの少し、不機嫌そうに尋ねてみた。
そう、今日は一緒にご飯を食べる約束をしていたのに、1時間待っても起きてこなかったからだ。

「…覚えてない。でも、ごめん。」

くっきり出来た目の下のくまを見て思う。 おそらく、アイツが原因だと。

「そんな白々しい言い訳じゃ許さないよ。」

先ほどより、もう3度ほど怒りの温度を上げた声で、白状しなさいと言い返してみる。

「…こたつが呼んでたの。」
「…こたつ?」
「こっちへおいで。一緒に寝よう、って。」

1オクターブほど高い、おちゃらけた声で言い訳を繰り返す。予想もしていなかった言い訳に思わず笑いがへの字の隙間から漏れる。

「…もう、分かったよ。ご飯、一緒に食べよう。」
「うん。本当にごめん。気をつけるね。」
「今回は許して差し上げよう。」

待ってましたと言うかのように、ぐうぐうお腹が鳴り始める。目をキラキラさせながら、美味しく食べてくれる君は、いつもにも増して愛おしい。まあ、冷めても美味しいメニューにしていたことは、内緒だけど。

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