副詞的「めちゃくちゃ」禁止令を自分に課してわかったこと

きっかけは某ミニマリストのブログを読んでいたときであった。
彼女はミニマリストの中では、花を飾ったり絵を描いたり素敵な服を着たり、おしゃれな生活をしているのが好きだった。また、身につけるものに、コンパクトでたためるものが多く出てくるので、公共交通機関で旅行をする身としては大変参考になった。
ただ、ひとつ気になることが。そう、冒頭のとおり、彼女の口癖（書き癖）が「めちゃくちゃ」だったことである。

ちなみに、「めちゃくちゃ」の意味を辞書で調べると下記のとおりである

尋常ではなく混乱した様子、普通でない様子などを意味する表現。漢字表記は当て字。

Weblio辞書　実用日本語表現辞典

［名・形動］《「くちゃ」は語調を整えるために添えた語。「苦茶」は当て字。「目茶苦茶」とも書く》
１ まったく筋道が通らないこと。度外れなこと。また、そのさま。めちゃめちゃ。「—なストーリー」「—な値段」
２ どうにもならないほどにこわれたり、混乱したりすること。また、そのさま。めちゃめちゃ。「せっかくの集まりを—にする」「書類の順序が—だ」
[補説] 近年、「—楽しい」「—怒られる」のように、副詞的に用いて、程度のはなはだしいさまの意を表す例が増えている。

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悪い意味で使う場合、たとえば「泥棒に入られて部屋がめちゃくちゃだ」という混乱状態をあらわすのは違和感がないが、よい意味で使う場合、たとえば「めちゃくちゃ質が高い」という使い方をすると、ミニマリストのきれいな生活が一気に混乱状態と化してしまったように感じる。ただ、彼女は関西地方に住んでいたことがあるようで、関西では副詞的に使っている模様であり、方言なのかもしれない。
そういえばつんく♂さんも「めっちゃホリデイ」、「あなたがむっちゃマッチョしてても」という歌詞を書いており、関西人とめちゃくちゃ（めちゃ、めっちゃ、むちゃ含む）は馴染み深い模様である。

一方、東北生まれ関東在住のわたしは、旅行先としての関西や関西出身の知人たちの「THE☆関西人エピソードトーク」は好きだが、自分のアイデンティティを関西大好きとし、関西弁を話したいほどではない。（わたしと実家が２ｋｍ程度しか離れていない岩手県出身・関西大好きな知人は、全国転勤の会社に就職し、何場所目かの異動で関西に行き、ついに話し言葉のほぼすべてを似非関西弁にして、東北出身の知人の会合でも関西弁を話すほどになってしまった。「いい人だがあの関西弁はいかがなものかと思う」と東北出身の別の知人とその人の話題になり意見が一致した。）副詞的めちゃくちゃ、できれば使わないようにしよう。

なんとなくめちゃくちゃ使用を避けはじめて気が付いた、めちゃくちゃの恐ろしいところ、めちゃくちゃ使いやすいのである。
おいしい、安い、暑い、寒い、感動した、困っている、悲しい、ハチワレの「なんとかなれー！」のごとく適当に感想に使いそうなワードを書いてみたが、全部に当てはめた結果何の問題もない。Twitter（いまだにXとは認めたくなくて、Twitterと言い「ふぁぼ」「リツ（イート）」と言ってしまっている。JRを国鉄、ベイスターズを大洋、と言っている人生の先輩方を笑えない）の140（280）の２～３％をめちゃくちゃに頼ってしまえばめちゃくちゃ楽だ。しかし楽ばかりしているとまともな文章が書けない未来が待っているような気がして、書き言葉では禁止してみた。

さて、今日（9月23日）は久々にめちゃくちゃ涼しいが、そのまえの３か月は、めちゃくちゃうだるような気が狂うような暑さが続いた。関東では、申し訳程度の雨が降って、そのあとめちゃくちゃピーカンに晴れて、気温と湿度がめちゃくちゃとにかく上がる、めちゃくちゃ地獄のような日々だった。唯一めちゃくちゃ大雨の降った9月8日は東北旅行に行ったため、個人的に涼しい日は一日もなかった。9月に入ってからは蚊もめちゃくちゃ大量に発生し、めちゃくちゃ自宅近くの雑草の生えた信号待ちスポットに１～２分いるだけで１か所刺されるのを３～４日おきに５～６回繰り返すほどに刺された。荷物はめちゃくちゃ晴雨兼用傘・モバイルファン・虫よけハーブスプレー・日焼け止めスプレー・虫刺され用のステロイド入りムヒを持ち歩くようになり総重量が重くなった。

めちゃくちゃなんて一度も使わなくても、程度の甚だしいさまは書ける。めちゃくちゃだけではない、「ちゃんと」「しっかり」など副詞に逃げないで、自分の語彙力の限界と戦い、（ときに辞書やGoogle先生に教えを請い）拙くても未熟でも、自分の言葉を紡いでいきたい。
（といいながら次の記事でしれっとめちゃくちゃ使っていたらごめんなさい。副詞に逃げると、記事を書くのが格段に楽になる…。）