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指示・提案・お願い~「片付かなくて困ってるなら宿題を先にやってみたらどうよ?」~

こんにちは。またまた土曜日投稿が続いてしまい自分の胆力の無さを嘆きたくなる日々ですが、せっかくの夏がやってきましたので気持ちを切り替えて投稿も楽しくやっていこうと思います。

提案が最も効果的に働くケース

・言語理解が形成されている
・指示に対して不安感が強く、しかし自分の行動を抑制できない
・相手のメタファーや意図を読み取るのが難しい
・見通しを持って行動することの意味を理解し、コントロールできる


前回は指示ということについて考えてみました。指示というとどうしても日本では「指示待ち人間」という印象があって耳障りになることもあるかもしれません。
今回は提案の方法についてなので、指示に比べたら読みやすいかもしれません。

はじめに「提案」の定義についてですが、ここでいう提案は「強制とはならず仮に提案が受け入れられないことも選択できる手段の提示」です。
内容は具体性を持った上で困っていることを解決するかもしれない、もしくは気持ちを晴れやかにすることができるかもしれない手立てですから、ここでもやはり具体性が重要です。

前回私は、多動性優位のお子さんであれば提案型が良いと記しました。それは多動性優位のお子さんにみられる好奇心の移り変わり、情動や感覚の敏感さがもたらす指示への抵抗感や不安感を考慮してのことでした。

好奇心の移り変わりが激しいと同時に移り変わる好奇心への衝動は抑えにくく、他者からの介入を拒む傾向にあります。だから指示や命令といった強い口調になるとどうしても抵抗が先に生まれてしまうのです。一方提案型は「提案をのまない」選択肢も与えられているので判断の余地が生まれます。判断の余地があるというのが存外重要で、近年の自主性や主体性を育む上でも欠かせない観点でしょう。

 指示であっても提案であっても、そして次回のお願いであっても具体性は欠かせません。
例えば目の前のお子さんが間もなくお昼ご飯だというときに「どうしても今から公園に行きたいんだ!」という主張をしたとします。
それに対して「あとにしたら?」だけでは伝わりません。

「そうなの。どうしても今でないといけない?こまったな~今からだとお昼も近くて帰ってこれないし・・・。お腹空いた、公園で遊びたいだと気持ちも落ち着かなくて楽しくないだろうから、お昼食べ終わってからにしたら?そっちの方が楽しめるかもよ。」

となります。
常に子ども本人にとってどのようなメリットとデメリットがあるかをなるべく言葉にしてあげると良いですね。


 この提案のデメリットは毎回提案を受け入れてくれるとは限らないので、行動を習慣化するまでに時間がかかることです。そしてその変化は漸進的なので、目立った行動変化とはならないので気づきにくいかもしれません。

しかし一方的ではないので、話し合いが成立した時は互いに気持ちよく次の行動を考えることができます。

めんどうだから・・・という理由ではなく双方が楽しめるためにも活用してみてください。

(*次週はお休みをいただきます)

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