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反省を促すための問いかけには限界がある
4月に入り桜もきれいに咲き始め、地域によってはすでに散ってしまったところもあるかもしれません。今年の桜は花見こそ自粛されますが、しかしきれいに咲く桜を、道すがらながめることはリフレッシュにもなるのでちょうどよいかもしれません。
今回のテーマは問いかけです。
子育ては教育に携わる人たちの間でもはや常套手段です。そして問いかけることは「自分で考えさせる」という名分のもとに広い場面で使用されるようになりました。
➀好奇心を刺激するための「あの桜はどうやってピンク色になるんだろうね!?」
➁科学的探究を深めるための「どうして桜は毎年春に咲くのだと思う?」
➂文化的探究を深めるための「桜はいつの時代から愛されているんだろうね?」
④異文化交流につなげるのも良いでしょう。「桜は日本にしかないのかな?」
⑤そして桜の枝をポキッと折ってしまった子に「どうして桜の枝を折ったの?そんなことしたらどうなると思う?あなたは自分の大切なものを壊されたらどんな気持ち?」
など。
➀~④までの問いかけが成立するのは子どもがその対象に関心を持っていることが前提であり、⑤についてはほとんど効果がないと考えて良いでしょう。
なぜなら関心があるどころか明らかに「怒られる。(よく分からないけど)悪いことをした。」と理解している場合の方が多く、その時点で考えることに意識は向かないからです。
論理性に長けている子は「何がどのように良くなかったのか。」を簡潔に、
衝動性の高い子には明確に簡潔に、が基本です。
はじめに注意場面における問いかけについて考えてみましょう。
まず注意するときに最も重要なのが、手短に、簡潔に、出来事に注意することです。
特に大事な注意の際は眼が合う合わないは別にしても視線の高さはそろえ、顔は正面から見えるようにしましょう。
基本的に子どもはくどいことが苦手です。
大人もそうなのですが、いったんその出来事やその場での自分の振る舞いを客観的に考えるためには少し時間が必要なのです。即座に振り返りを行うにしてものその振り返りの方法はなるべく丁寧に、そして双方とも冷静でなければなりません。
桜の例の⑤では「枝を折ったらダメでしょう。他の人も楽しみにしているよ。」の一言に納めるのが良いでしょう。
ここで保護者や教育者から「わかった?」くらいのことはあっても構わないと思いますが「どうしてそんなことしたの?」「どんな気持ち?」と畳みかけることは避けます。この時点ですでに子どもにとってはくどいと伝わるからです。
特に落ち着きのない子や自閉傾向にある児童は、その行為の良し悪しが完全に理解できているとは言えず、また、その衝動性を抑えられないために悪いとは分かっているけれどもやってしまった場合が多いです。
そして個々によるところもありますが、長い話は処理できず、仮に1分注意したとしても最初の10秒くらいの話しか耳に残りません。意識が散漫してしまうからです。
そのため注意の場合は問いかけるよりも、なるべく簡潔にその意図を伝えてあげることが大事だと言えます。
振り返りが必要な場合はのちのちゆっくりと、そして落ち込ませたりするのではなく前向きに話し合える環境、状況を用意しましょう。
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