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Primero enojo

note 8日目。こんばんは。お昼に食べたChaurafanが美味しかった佐々部です。

今日は初めて職場で怒っちゃいました。

これまた僕がずっと診ている患者さん。95歳のおばあちゃんなんですが、7月に転倒して大腿骨頸部骨折の診断、なぜかそこから1ヵ月寝たきり、ようやく手術を受けたかと思うとさらに1ヵ月寝たきりという状況で、9月に入ってようやく医師がリハビリの処方を出したんですが、65歳の息子さんと二人暮らしで車もないため自宅から動けないと。ということは.....またもや僕に紹介ですよ。いや同僚行けよ。とまたもや思ってました。

最初は訪問に行ってました。うん、もちろん一人で。最初の一回は職場の誰だか知らない人がついてきてくれましたが、次回からは「一人で行けるよね?徒歩圏内だし」と。エクアドルあるある。「どうせ一日中椅子に座ってYoutube見てるだけならついてくるくらいしろよ。」と言いたかったですが、そこはまだ言えず。(こちらにはそういう風に一日を過ごしてる方多いみたいです。うちの職場には少ないですが、他の役所とか県庁とか結構そういう話聞きます。)

このおばあちゃんも最初ぜんぜん動けませんでした。でも本人も息子さんも「歩きたい、歩いてほしい」という希望を持っていたので、なんとか希望に沿えるように、最初の目標を「車いすに移れるようになること」に設定して離床して、椅子に移ってと痛いながらも頑張ってくれてました。今現在、起居動作は自立できて、車いす移乗も息子さんの軽介助で行えてます。

車いすに移れるようになってからリハ室に連れてきてもらうことにしました。家の中でこちらのサポート下で立ったり、足踏みの練習はできてましたが、ハード面で歩行練習は困難でした。でもリハ室にくれば平行棒在るし、なんとか歩行練習できるかなと思って。

でも一つ問題があって、術測の膝にOAがあるんです。寝たきりだった期間に進行してしまったようで、僕が訪問始める前から伸展-15°くらいの可動域制限がありました。今現在進行こそはしてないもののやはり改善は難しく、でも平行棒の中では歩けるようになりました。

この時点で息子さんには「一人で歩けるようになることは難しい」「膝に関しては改善が難しいこと」を伝え「外に連れ出すことは本人にとってもいい刺激になるので、ここでのリハビリを継続していくこと」を了承してもらい、ADLではなくQOLの維持・向上にも目標をシフトしてました。

そして今日、いつものようにリハを実施していると、暇だったのか突然”年配”の同僚がやってきて、件の膝をつかんでいきなり力ずくで伸ばし始めました。おばあちゃん絶叫。「力が入っているから伸びないんだ、力を抜いて」とおばあちゃんに。突然の出来事で唖然としてしまいましたが、おばあちゃんの声で我に返りました。
僕「ちょっとまって、膝の状態も確認せずに何してるの?」
同「状態なんか確認しなくてもわかる、力を抜かせないといけないでしょ?」
僕「それでもいきなり力づくはだめでしょ。」
同「これが一番の方法なの。私はずっとこうやって同じような患者さんを治してきたんだから」
僕「でもこの人はレントゲン上も膝の変形が進んでいてこれ以上は改善は難しいし、何より辛そうでしょ。」
同「辛いのは当然でしょ。それがリハビリなんだから。私にはちゃんと”経験”があるの。」
僕「この人の場合は違う。”経験”があるからって”最善のリハビリ”ができるとは限らないでしょ。そもそも治療した結果の評価もしないのに自分のリハビリで今までの患者全部が良くなったと言えるの?あなたが関わらなくても勝手に良くなったかもしれないでしょ。」

言っちゃった笑 正しいスペイン語だったかはわからないけどそれっぽいこと言ったと思います。ほんとは伝えないといけないことがたくさんあったんだけど感情が先行しました。反省。

その後同僚は「でも、それがここのリハビリなの。」と言ってその場を離れました。
なんとなく予想してた答え。それ言ったら何も進まないのに。
「じゃあ教えて?」とはならないんだなぁ....。

もう一人の同僚は奥にいたんですけど、僕らのやり取りの最中はでてきませんでした。あとで話をしたら「私もあなたと同じ意見。でも私はあの人に意見できないのよ。何か言うとすぐ怒るから。」と。立場的にはこの人のほうが”上司”なんですけどね。対人関係が難しいうちの職場...。

”経験”が物事を判断する指針であるこの国のリハビリ。もちろん全てのセラピストがそうではありません。都市部に行けば最先端の情報に触れんとするセラピストもいます。でも大部分はそうではなく、まだまだ”昔気質”の人がほとんです。でも”患者”のことを考えているのは一緒で...。だから難しいんですよね。さて、どうしていくかなぁ。

今日のスペイン語
【Estoy lleno/llena エストイ ジェノ(男性)/ジェナ(女性)お腹いっぱい】
美味しくご飯を食べたて満腹になったらこう言いましょう。お腹いっぱいって言わないとどんどん食べさせられます。

それでは Chaito‼

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