Photo by yriica (「夜珠の雫」より) 3 川咲道穂 2024年5月31日 22:27 人は坂道を転がり落ちながらも、空を見上げる瞬間がいくつもある。その度に落ちていく悲哀と空の青さが心に沁みるのである。そうして私は空を見上げるたびに一輪の花に想いを馳せる。 空に花は咲かない。いつだって地面から顔を覗かせているばかりなのだ。 その花は渡り鳥達を妬み、羨み、降りてきた羽根に話しかけては自らの境遇との差に、根を少しずつ枯らしていくのかもしれない。 けれど私には鳥よりも、根腐れした花の方が大空の自由さを思わせて惹かれるのである。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 #自己紹介 236,047件 #小説 #自己紹介 #花 #文章 #文学 #大空 #一節 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート