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税理士はみんな一緒だと思っていませんか?税理士選びには知識が必要です!

1.はじめに

 税理士を選ぶときは、3つの知識が必要です。
  1.税理士とは
  2.仕事内容
  3.報酬相場
 税理士選びで失敗するパターンは、知人友人の紹介で決めてしまっている場合や、詳細を決めずに決めてしまっている場合です。
 紹介である場合は社長・税理士・紹介者の3者の関係があり、気を遣いあって言いたいことが言えなくなってしまいます。そして、ミスマッチがおこります。
 私は15年間会計事務所に勤めており、このような状況を実際に見聞きしてきました。
 会社の方向性に少なからず影響のある顧問税理士と社長に思いのズレが出ると業績にも悪影響がでます。これは非常に悲しいことです。
 実際に私が紹介を受けたときは、この3つを確認していただいていました。事前に説明をすることによって、契約とならなかった場合もありますがミスマッチは減らすことができたと思っています。
 社長と税理士のミスマッチがおこらないよう、この資料を読んで税理士について知っていただき、納得のいく顧問契約を目指してください。

2.税理士とは

ここでは税理士の全般的な特徴をみて頂きます。どのタイプが合うのか等検討しながら読んでください。
まず税理士の概要を紹介します。その後、「税理士になった方法」、「税理士の年齢」ごとの特徴を確認していただきます。

(1)税理士の概要
 税理士とは、税務に関する専門家で、国家資格である8士業の一つです。
そして、主に下記3つの業務を行うものです。

 ・税務代理・・・申告を行ったり、税務調査に立ち会ったりすること
 ・税務書類の作成・・・社長に代わり、税務申告書などを作成すること
 ・税務相談・・・税金について社長のお困りごとに関し相談に応じること

 このように、3つの業務を独占的に行うのが税理士です。
 続いて税理士を選ぶ際に考慮すべき税理士自身のポイントを解説します。

(2)税理士になった方法
 税理士になる方法は3つあります。
 ・税理士試験に合格して
 ・大学院を卒業して
 ・税務署に長く勤めて

 この3つの 「なった方法」を知ることによって、それぞれの税理士の特徴を知ることができます。
 ※ここで記載する内容は、このような傾向があるという私個人の意見であります。税理士個人の資質や実務経験等により、差はありますので参考程度に読んでください。

■税理士試験に合格して
 合格した科目には特に精通しており、税理士になる方法として一番多い方法です。
 会計2科目と税法9科目の合計11科目から5科目に合格する必要があり、取得までに10年ぐらいかかると言われています。
 各税理士のホームページの経歴欄に合格科目が記載されている場合もありますので、確認をしてみてください。
 ここから、合格した科目により相続税に強いのか法人税に強いのかなどがわかります。

■大学院を卒業して
 法律としての税法を理解しており、税理士試験の一部を免除されて合格した税理士です。
 大学院で税法の制度趣旨などを学んでおり、判例などに詳しい傾向があります。
 税理士事務所の2代目さんに多くみられ、最近では、一部免除を受けて税理士になる人が増えてきています。
 ここから、法律としての税法を広く知っていることがわかります。

■税務署に長く勤めて
 税務調査の対応に精通しており、一定期間税務署に勤務してから税理士になった人(勤務年数によっては受験の必要あり)で、担当していた分野には特に詳しい。
 また、税務調査において相手の手の内を知っているので、味方につければとても心強い税理士になる。
 ここから、税務調査に強いことがわかります。

 ただ、民間で働いた経験がないため、ビジネスにおいて考え方等ギャップを感じることがありました…。

(3)税理士の年齢

 税理士の平均年齢は60歳以上です。高いですよね。

 年齢が高ければ、経験値は高く安定感があります。しかし、ITに疎いことが多く、腰が重い傾向。

 年齢が低ければ、経験値は低い傾向にあります。しかし、フットワークが軽く、順応性がある。

 答えをくれる先生タイプが良いなら、年齢が高めの税理士がいいと思います。
 しかし、パートナーとして一緒になって考えるタイプが良いなら、年齢が低い税理士が良いのではないでしょうか。
 どちらを選ぶにしても、社長の年齢からあまり離れすぎないほうが良いと個人的には考えます。

(4)まとめ
 上記のポイントを知ることで、特徴がわかりましたよね。
 ・税理士になった方法・・・専門性がわかる
 ・税理士の年齢・・・年齢による傾向がわかる
 もちろん、これらは傾向であって必ず当てはまるものではありません。
 しかし、これらの点を考慮して税理士を選ぶのは非常に大事です。社長の年齢も考慮して考えてみてください。

3.税理士の仕事内容

 法人の税務に関する仕事内容は多岐にわたります。
 顧問料を決める際にこの内容を把握していないと、比較検討ができません。
 仕事内容を把握して顧問契約の条件等をしっかり確認しましょう。

(1)税理士の3業務
 繰り返しになりますが、下記が税理士の基本の3つの仕事です。

 ・税務代理・・・申告を行ったり、税務調査に立ち会ったりすること
 ・税務書類の作成・・・社長に代わり、税務申告書などを作成すること
 ・税務相談・・・税金について社長のお困りごとに関し相談に応じること

 これだけでは、わかりにくいので下記で具体的に説明していきます。

(2)年間スケジュールでみる税理士の仕事内容
 まずは、下記をご覧ください。
 左が年間のスケジュールです。そして、右が毎月や臨時に発生する仕事内容です。

赤字・・・顧問料を決めるときに関係する仕事内容
★印・・・顧問料を決める際に、含んでいるのかどうか確認した方が良い仕事内容

■「年間スケジュール」
 これは、3月末日が締め日の法人の場合(3月決算法人)のものです。
 決算申告と年末調整は代表的な仕事内容なのでご存知の方も多いと思います。
 1月に提出期限となっている法定調書・償却資産申告書はご存知でしたでしょうか?
 法定調書は税務署へ、償却資産申告書は市町村へ作成・提出するものです。
 これは会社が自身で作成・提出するとなるとかなりの手間がかかります。 この法定調書・償却資産申告書が、契約金額の範囲に含んでいなければ、別料金となるため注意が必要です。

■「毎月・臨時の業務」
 ここの仕事内容は、毎月だったり臨時だったり、不定期に発生する仕事内容です。
 ここの業務は別料金になるものが多いため、事前に確認をしておいてください。

■「★印」
 ここの仕事内容も別料金になるため、依頼したらいくらになるか確認をしてください。

会計業務は、
 主に記帳代行のことで、依頼するかしないかで当然金額が変わってきます。
 依頼をされる場合は契約の際に具体的にどこまでやってもらえるのか確認した方が良いです。また、ITに強いかどうかも確認をし、訪問が毎月出ない場合は、データでやり取りできるかどうか等も確認してください。

源泉所得税業務は、
 給料から預かった源泉所得税を納付する業務です。
 ここは、働く人の数によって、毎月納付する場合と半年に1回納付する場合があります。納付すること自体は簡単ですが、納付書を作成するまでが大変です。

経営相談業務は、
 税理士によって内容は大きく違います。
 そもそも、経営相談というものの定義が曖昧だと思います。何ができるのか、どのような方法でやるのか確認した方が良いです。試算表をみて、「売上げが下がった上がった...」だから良い悪いなどの単純な話しか聞けないのであれば意味がありません。

税務調査立会は、
 ご存知の通り税務調査があったときに立ち会う業務です。
 税務調査があった場合に発生する報酬は、立会料と申告書作成料(修正申告があった場合のみ)が該当します。立会料は請求せず、申告書作成料だけ請求したり、立会料だけだったり、事務所によって報酬が異なります。
 税務調査はそんなに頻繁にあるものではないですが、修正があった場合には、税金の支払いと税理士への報酬支払いがダブルで必要になってくるので確認をしておいてください。
 また、余談ですが税務調査に対する姿勢は、税理士によってさまざまです。戦うタイプから税務署に言いなりのタイプまでいろいろです。一部戦いすぎで、税務署から目をつけられている税理士がいるようです。そのような税理士を顧問にすると税務調査が多いという噂もあります。
 税務調査に臨むスタンスも聞いてみるのも良いかもしれません。

(3)まとめ
 税理士の仕事内容を把握して、契約の際には次のことを確認してください。
 ・金額にその他の業務をどこまで含んでいるのか?
 ・含んでいないのなら依頼したらいくらなのか?
 ここを確認しておかないと、他の税理士よりお値打ちだと思っていても違う結果になっていることがありますので。

4.税理士報酬の相場

 ここでは、税理士報酬の基本相場と報酬の決まり方を解説します。
税理士報酬にはこれが唯一の適正価格というものは存在しません。
 そのため、通常は、売上基準等でベースとなる金額を決めて、この金額に対してオプションの有無を確認して決めていきます。

(1)税理士報酬の相場
 税理士紹介会社2社が公表しているものを参考に見ていきます。
 両社とも条件が少しずつ異なっているので比較しやすいように一部修正しています。

 いかがでしょうか?現在の顧問料より高いでしょうか?安いでしょうか?
 少しの違いはあるものの大まかには同じになっています。念のため、その他の書籍等でも確認をしましたが、同じような結果になっていました。
 ただ、この税理士報酬の相場はあくまでもベースとなるものです。
 次の「税理士報酬の決まり方を確認してみましょう」の箇所でさらに知識を深めていきましょう。

(2)税理士報酬の決まり方
 税理士報酬は、売上高である程度基準を決めて、あとはどこまで税理士に依頼するのかで金額が決まります。
 上記のベースの確認が出来たら、次は税理士にどこまで依頼するのかを確認しましょう。
 確認すべき項目は、下記の3つです。
 ・訪問回数
 ・記帳代行の有無
 ・担当者
 では、それぞれ確認していきましょう。

■訪問回数
 ここでも税理士紹介会社の「税理士ドットコム」の料金表を見てみましょう。

 基本の訪問パターンは、毎月・3ヶ月に1回・6ヶ月に1回です。
 どの訪問パターンを選ぶかで顧問料が変わってきます。
 毎月訪問を基本とした場合、訪問頻度を3ヶ月に1回、6ヶ月に1回と減らすごとに5,000円~10,000円が減額されています。
 よほど税制などに精通されている社長さん以外は、毎月訪問にした方が良いと思います(税理士から良いアドバイス等があるのが前提ですが。)。
 その後費用を減らしたい場合は、様子をみて訪問回数を減らすと良いと思います。税理士を変更したばかりや、はじめて顧問契約をした場合は打合せ項目が多いのですが、事業が安定して毎年同じような場合は打合せ項目が減るからです。

■記帳代行の有無
 記帳代行については、売上の規模・業種・処理内容により、5,000円~30,000円が税理士報酬にプラスされます。

 会社によって作業に掛かる手数が大きく異なるため、この金額を目安として決めます。そのため、実際には話し合いで決まると考えてください。
 この位の金額で社長さんが他の仕事に専念できるのであれば、税理士に任せてしまうのもいいのではないかと思います。

■担当者
 担当する者が税理士か税理士補助者かで金額が変わることがあります。

 ここの金額設定をしているところは少ないように思いますが、注意が必要です。
 それは、担当者が税理士補助者(会計事務所の従業員)に代わってしまうことです。契約時には一人でやっていた税理士が事務所の規模が大きくなり税理士補助者を雇用するようになるとその補助者に担当が変更になることがあります。
 税理士補助者は、その人により知識レベルに差があります。また、税理士とは相性が良いが税理士補助者とは相性が良くない場合があります。
 契約時に税理士が担当するのか、税理士補助者が担当するのか、又は変更はありうるのかを確認してください。

(3)まとめ
 税理士報酬は、会社ごとの状況が全く異なるため、全社に共通する基準を設けることが難しいです。

 ある程度の基準はあるものの最終的には打合せのうえ決まることになります。
 社長さんからすると、相場以上に請求されているのではないかと心配になってしまいますよね...。
 そのため、必ず複数の税理士と面談をして見積もりをとることをおすすめします。

5.まとめ

 いかがでしたでしょうか?
 税理士を選ぶときの3つの知識
  1.税理士とは
  2.仕事内容
  3.報酬相場
 を確認していただきました。
 この3点を契約の際に気を付けていただいて、あとは税理士の人柄や自分との相性を考慮するだけです。
 税理士との顧問契約は良い関係が長く続けば、お互いに共有する情報も多くなり会社の発展にもつながります。社長さんが経営に専念できるよう良いパートナーとしての税理士を探してください。
 購入者様にとって、納得のいく税理士が見つかることを祈っております。

最後に、
 ここまでの知識を活用したいけど、紹介してもらった税理士にあれこれ聞くことに気が引ける場合や、複数の税理士を自分で選定して交渉していくことが面倒に感じられる場合があるかもしれません。
 そんなときは、税理士紹介会社を利用してみるのも良いかもしれません。コーディネーターが社長に代わって税理士の選定や交渉をしてくれます。
下記にて紹介しています。

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