人間の絆 珠玉の名作📕
モームの自叙伝的著作として有名な「人間の絆」を、私は人間関係のお話と先入観を抱いておりました。しかし、…
生まれつきのハンデキャップや薄幸の生い立ちの中、彼のコンプレックスは固体化して行く。優秀ではあるが、コンプレックスゆえ、正々堂々と社会に馴染めない。紆余曲折しつつ、青春期を迎える。
心の大きなしこりと浮世の些細な出来事が、彼をとことん重い苦しめる。友情・恋愛・人生・経済など…。苛まれる彼の経験は、私にとって他人ごとではないと感じた。
しかし、それで終わらなかったのが本著の素晴しさである。ハッピーエンドの結末は、ドストエフスキーの「罪と罰」に匹敵する感動であった。闇夜から抜け出た瞬間への感動である。
一言、テーマは、「OF HUMAN BANDAGE」であった。
かわせみ💎
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