「積立NISAの基本」始める際の注意点、やってしまいがちなNGなことは?

最大800万円の投資元本に発生する収益に対する課税が非課税になる積立NISAは、個人の資産形成にとって非常に魅力的です。ただ、利用する際には細かい注意点がいくつかあるのも事実。それについてまとめてみました。


【注意点1】一般NISAとつみたてNISAは併用できない

株式等にも投資できる一般NLSAとつみたてNISAのいずれかを選択する必要があります。一般NISAは投資対象の成約は少ないのですが、投資可能期間は2028年まで。対してつみたてNISAは2042年末までなので、新規投資額が年間40万円を超えることがなく、投資対象は投資信託で十分という人は、非課税期間が長いつみたてNISAを選んだほうがよいでしょう。


【注意点2】講座を開設できる金融機関1つだけ

つみたてNISAの口座を複数の金融機関に開くことはできませんが、つみたてNISAの口座を持っている金融機関とは別の金融機関に一般NISAの口座を開設することはできます。ただし、金融機関AにつみたてNISA、金融機関B似一般NISAの口座を開いた場合、各年でいずれかの口座しか利用できません。

もっとも、年によってつみたてNISAを利用したり、一般NISAを利用したりすると、口座の管理が煩雑になります。したがって、NISAという非課税制度を利用する目的をはっきりさせて、それに合ういずれか一方のみを利用するほうが良いでしょう。


【注意点3】投資枠は復活しない

これは一般NISAも同じですが、積み立てていった投資信託の全部、もしくは一部を解約した場合、使った非課税枠は回復しません。例えば、1年で40万の非課税枠をフルに利用して3年間、積み立ててきた投資信託を解約すると、合計で120万円分の非課税枠を解約することになりますが、この先に使える非課税枠は800万円から120万円を差し引いた680万円までになります。


【注意点4】一括投資ができない

つみたてNISAはあくまでも積立投資のための制度ですから、例えばコロナショックのときのように株価が大きく下がったところをチャンスと考えて、その年の非課税枠の上限いっぱいまで投資信託を購入することは認められていません。年間40万円の枠いっぱいまで積み立てる予定であれば、毎月の積立金額は3万3000円までになります。もし、タイミングを狙っ他投資をしたいという場合は、つみたてNISAではなく一般NISAのほうが使い勝手は良いはずです。


【注意点5】解約のしやすさに甘えない

これはちょっとひねった考え方になりますが、つみたてNISAは確定初出年金など中途解約制限に関する強制力はありません。正直、いつでも自由に解約できますし、それに伴うペナルティもありません。もちろん解約時に運用収益が発生していた場合は、それに対する税金もかからずに解約できます。

ただ、それ故に中途解約してしまう人が少なくありません。前回も触れましたが、積立投資でドルコスト平均効果を活かしたいという場合は、長期的な積立が条件になります。つみたてNISAは中途解約しやすい仕組みではありますが、それに甘えることなく、積立を続けるという気持ちを強く持ってください。


【注意点6】年内に使い切れなかった分を翌年の持ち越すことはできない

つみたてNISAの非課税枠は年間最大40万円。20年間で最大800万円と決められていますが非課税枠を目一杯使い切れないという人もいらっしゃると思います。例えば毎月の積立金額が2万円であれば、年間の積立金額は24万円で、最大40万円の非課税枠のうちの16万円分は使い切れないことになりますが、これを翌年以降に持ち越すことはできません。


【注意点7】損益通算や繰越控除は認められない

損益通算というのは、たとえば金融機関Aの口座で40万円の利益が生じる一方、金融機関Bの口座では20万円の損益が生じた場合、両者の損益を通算して、課税されるのは20万円の利益に対してだけというように計算するのですが、つみたてNISAで生じた損失は、損益通算できません。また繰越控除といって、損益通算をする場合、利益が少ないと損失を全額引ききれない場合が生じます。この場合、最長で3年間という制限がありますが、引ききれなかった損失は翌年以降の利益から差し引いて税額を計算できるのですが、これもつみたてNISAで生じた損失は対象外になるのです。


【注意点8】金融機関によって取扱商品が異なる

つみたてNISAは利用できる投資信託が決められているので、つみたてnNISAの対象となっているすべての投資信託を扱っていない金融機関もたくさんあります。最初から購入する投資信託が決まっているのであれば、問題ありませんが、とりあえず口座を開いてから積立する投資信託を選びたいという人は、なるべく取り扱っている投資信託の種類が多い金融機関に口座を開くようにしましょう。


【注意点9】元本割れリスクを理解しておこう

これは言うまでもないのですが、投資信託で積み立てる以上、絶対に収益が得られるという保証はありませんし、積立定期預金のように元本割れ市内保証もありません。したがって投資対象を選ぶ際には、今後20年間で成長する可能性が高いところに資金を置くというイメージを持っておきましょう。


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