見出し画像

NFTってなに?5分でわかるNFTの全体像

NFT(ノン・ファンジブル・トークン)とは、プロスポーツ選手のカードから仮想空間の土地、デジタル・スニーカーまで、コレクターが欲しがる多種多様でユニークな有形・無形のアイテムを表すデジタル資産を言います。

ポケモンカードや珍しい硬貨のような物理的なコレクション(収集物)と比べて、デジタル・コレクションを所有する大きなメリットは、一つ一つのNFTが、他のNFTから明確に区別でき、かつ簡単に検証できる特徴的な情報を持っていると言うことです。

この特徴により、偽物を作って流通させることの意味がなくなります。なぜなら、各アイテムの由来を最初の発行者や作り手まで遡ることができるようになるからです。

NFTの特徴

一般的な暗号資産(仮想通貨)とはことなり、NFTはほかのNFTと直接交換することはできません。

同じプラットフォーム、同じゲームさらには同じアイテムでも、まったく同じNFTは存在しません。転売禁止の仕組みが組み込まれたコンサート・チケットを考えてみていただきたい。各チケットには、購入者の名前、日付、会場などの固有の情報が書かれており、チケットの交換は不可能になります。

相互運用不可能:ドット絵の「クリプトパンク(CryptoPunk)は、ネコのゲーム「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」のキャラクターとして使うことはできず、その逆にも使うことはできません。これは、トレーディング・カードなどにもあてはまります。「ブロックチェーン・ヒーローズ(Blockchain Heroes)」のカードを「ゴッズ・アンチェーンド(Gods Unchained)」で使うことはできません。
分割不可能:NFTはビットコインのようにより小さい単位に分割できない。
・破壊不可能:すべてのNFTデータはスマートコントラクトを介してブロックチェーン上に保存されています。それぞれのトークンは破壊したり、削除したり、複製することはできません。トークンの所有権も変更できません。
検証可能:ブロックチェーン上に過去の所有データを保有することのもう一つのメリットは、デジタルアートなどのアイテムについて、クリエイターまでさかのぼることができることです。

NFTの重要性とは

NFTは、ゲームやコレクションの世界で革命を起こし、暗号資産のユーザーと企業の間で人気となっています。2019年から2020年にかけて、NFT分野の時価総額は2億1000万ドル(約220億円)から3億1500万ドル(約330億円)へと50%増加し、今年1月までに、1億6770万ドル(約176億円)を超えるNFTが購入されました。

ブロックチェーンによって、ゲーマーやコレクターはゲーム内のアイテムやほかのユニークな資産の変更不可能なオーナーとなることができ、またそれらでお金を稼ぐことができるようになりました。場合によっては、プレイヤーは仮想空間にカジノやテーマパークなどをつくり、お金を稼ぐことができます。

 ブランド品や土地の所有権に相当するNFTをデジタル空間上で発行することにより、当該資産の流動性を高めたり、サプライチェーンを透明化することが可能になります。

突然話題になり始めたのはなぜか

NFTが世を賑わせ始めたのは2021年2月のことですが、背景には2020年10月から続く暗号資産の高騰があります。

10月22日に決済大手のPayPalが暗号資産業界への参入を発表して以降、ビットコインをはじめとする暗号資産市況は急激な盛り上がりを見せ、時価総額は5倍近い160兆円に達しました。

暗号資産の高騰を受けて米国シリコンバレーのアントレプレナーであるジャック・ドーシー氏やイーロン・マスク氏らが改めてその可能性を掘り下げ、実際に自身が利用してみたことにより、急激に注目を集めることとなった。その結果代表的なマーケットプレイスである「OpenSea」の月次取引高は2021年1月に約8億円だったものが、2月には約100億円となり、3月には約120億円に達しました。

実際にNFTを扱う事業者やアーティストたちは「デジタル空間に新たな資産的価値とその売買市場を生み出す技術」と称揚しており、今後の展望として、VRやARといったテクノロジーと組み合わさり、デジタル空間により、確かな「手触り」を与えていくというストーリーを語っています。

まとめ

NFTはデジタルデータに付随するメタ情報を改竄困難なブロックチェーン上に記録することで、デジタルデータに資産性を付与する鑑定書を発行するようなアイデアです。

これにより、複数サービス間での横断的なデータ活用、デジタルデータのトレーディング市場の創出、より機能的なデジタルデータの設計が可能になります。

この特徴を生かし、現在は、「ゲーム」「コンテンツ・IP」「資産の追跡&真贋証明」といったユースケースが模索されています。

これらのユースケースにおいて、NFTはデジタル空間に従来以上の「確からしさ」「手触り」を与えるテクノロジーであると考えられる。

他方、誤解を生みやすい技術であり、利用価値以外の部分で市場価格が釣り上がる点、事業者のコンプライアンスの問題、ユーザーの負う責任が相対的に大きい点などから、十分な理解のもとで利用する必要があることに留意が必要です。

イーサリアム創始者のVitalik Buterin氏も「すでに裕福な著名人がさらにお金を稼ぐために使うのではなく、より社会的価値の高い方向性に期待する」として、バブル的な傾向に警鐘を鳴らし、収益を社会貢献活動と紐付けた「赤い羽根」的なユースケースを示唆しています。

しかしながら、こうした懸念を踏まえても、NFTがコンテンツやゲーム、アートなど様々な業界において、新たなビジネスモデルの選択肢となるテクノロジーであることは確かではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?