シャンプー(ショートストーリー)
月曜日の夜、一人の浴室。
今日はお休みなのね。律儀な彼。少し寂しいわ。
隣の住人、絵里さんが言っていた。この部屋の前の住人は生前美容師だったって。
それも、なかなかの美男子だったそう。そして腕も確かだったって。仕事熱心な人だったみたいね。
月曜日は、今でも彼にとっては休日なのよ。
だから今日は自分でシャンプーしたけど物足りなかった。
そんな彼は、私がこの部屋に越して来た日から、夜な夜な私の入浴タイムに当たり前のように現れる。当然と言えば当然なのだと、私、納得しているのよ。