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「バス」と「ブス」と「公共汽車」にまつわる思い出

今まで住んだことのある3か国のバス事情を比較してみたいと思います。普段乗っているバスからその国の国民性が垣間見られて面白いと思うからです。

台湾のバス「公共汽車」

20年前に2年間住んでいた台湾から始めます。台北は当時バスとオートバイ社会でした。毎日バスで通勤と通学をしていたのですが、日本のような時刻表はなく、何分に1本来るという頻度しか書いてありませんでした。そして停留所で待っていてもバスは自動的に止まってくれません。必ず手を挙げて、乗りたいというアピールをしないといけませんでした。
乗ると、すごいスピードで走り出します。カーチェースのような感じで、右へ左へと道路の隙間をぬって駆け抜けます。ジェットコースターのような感じです。どうしてそんなに飛ばすのか謎でした。たくさん往復すればするほど運転手さんのお給料が増えたのでしょうか?そう思いたくなるぐらい皆さん飛ばしていました。
そして運転手さんの行動は自由そのものでした。バスの中を自分のアトリエのようにし、個性的な絵を飾っているバスもありました。そして急にバス停じゃない所でバスを停めるから不思議に思っていると、運転手さんはお弁当を買って帰ってきました。乗客が座っているのに、自由だなーと思いました。
あれから20年たったので、今はもうこんなことはないのでしょうか。それともまだその気質はあるのかな?何年か前に遊びに行ったら、ずいぶんMRT(地下鉄&モノレール)が発達していました。

ドイツのバスは「ブス」

ドイツ語でバスのことを「ブス」(Bus)と言います。初めて聞いた時は驚きました😳。ドイツは時刻表がありますが、そんなに時刻表ぴったりに来るというわけではありません。よく遅れるし、突然来なかったりもします。運転手さんの態度も日本と台湾の間という感じです。台湾ほど自由ではありませんが、日本ほどきっちりもしていません。例えば運転中に同僚やお客さんとおしゃべりしながら運転したりします。赤信号で水を飲んだり、バナナを食べたりしています。向かい側から仲のいい同僚の運転しているバスが来ると、乗客が乗っているのにバスを止めて、窓を開けておしゃべりしたりしています。日本でこれをやったら怒られそうです。
ドイツはトラムも発達しているのですが、こちらもよく遅れてきます。こっそり1本減らしたりもします。そして突然違う路線を走ったりします。後から「いつもの経路は今日は通行止めだから、こっちに来ました。」とかアナウンスします。でもドイツ人は慣れているのか、諦めているのか、全然文句を言いません。いつも乗客の忍耐強さに感心してしまいます。
ちなみにドイツの公共のバスは普通にベンツです。ベンツというとすごい感じがしますが、国産なので、日本で買う時ほど高くないのです。

日本のバス

日本の時刻表通りに走る公共の交通手段は世界でも有名です。サービスもよく、完璧です。でも遅れないのが普通だからこそ、運転手さんのプレッシャーも相当なものでしょうね。しかも日本のバスの運転手さんは「右に曲がります。」とか「ご注意ください。」とか「傘をお忘れないようご注意ください。」とかも言ったりしますよね。白い手袋をはめていたり、指差し確認されていたり。もうすごいとしか言いようがありません。日本は世界一のサービス大国ですね。お客さんは神様ですものね。いいなあ。。。(遠い目でつぶやく外国に住む日本人でした)

その他のバス

以上、私の住んだことのある3国のバス事情を比べてみました。他にもイギリスや香港に旅行した時の2階建ての赤いバスや、スイスのマッターホルンを走る電気バス(当時は電気バスはここでしか見たことがなかった)、ギリシャで行き先がギリシャ語で読めなかったバスのことなどを思い出します(ドイツ人の友達が京都に行った時、行き先が読めなかったと言っていた気持ちがわかりました)。韓国のバスで友達と大声で話していたら、年配の運転手さんに静かにするように注意されたこともありました。
ちなみに日本語で「バス・トイレ付き」など「バスルーム」のことも「バス」(bath)と言いますよね。外国人はそれを見ると乗り物の方のバス(bus)だと思ってしまうようです。乗り物のバスが付いているアパートって一体・・・
話がそれましたが、以上バスにまつわる思い出でした。最後までおつきあいくださって、どうもありがとうございました。

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