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最高の体験

あれは群馬の某所の温泉街での出来事だった


友達4人と、温泉に入り、
あたりを散歩して
程よく疲れたので
少し休もうと宿に戻り

宿のベランダの窓ガラスを開けた時のことだった


突然睡魔が襲い
目を開けているのも困難で
いつのまにか眠ってしまった


少し経つと
あたりは不気味なくらい薄暗く
体を動かそうと思うが全然動く気になれない。

意識が朦朧と夢と現実を行き来してるのがわかった


友達たちもソファやら、畳やらで倒れていた


開けたか覚えていないベランダから


生ぬるい風が入ってきて
温泉街の硫黄の匂いと
畳の匂いと
山からの不思議なマイナスイオンを感じて


ここは現実世界ではないと瞬時に理解した


体が怖いくらい軽く、気持ちも軽やかで
重力がいっさい感じない、ここは天国なのか?


不思議と溜まっていた疲労がなくなっていた

こわいなーこわいなー


それでも意識は夢から現実に戻ろうとしているが
もう1人の自分がそれを阻む


あーもう戻ってこれないかもしれない
もう永遠とこの時間が流れてもいいやと

諦めたときだった。


「おい、、、いい、、」


誰かが遠くから何かを喋っている


これはこの地で成仏できなかった幽霊か?


「おい!いい加減にしろよ!」


今度ははっきりと聞こえる

やめてくれ!

成仏できてない地縛霊が僕に交信をしてきている
体は動く気配がない

その時だった、、


地縛霊が僕の肩を掴む


「いい加減にしろよ!いい加減起きろよ!!!」


目を開けるとそこには地縛霊ではなく

友達が血眼で必死に僕の肩を揺すっていた。

あの時、
現実世界に戻してくれようと
頑張ってくれた友達がいなかったらと思うと、、、

、、、あの時の体験は今でも忘れられません。


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