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テレビと子どもの距離と名前

「テレビ近いよ」
息子とテレビの距離が近くなるたびに言います。

1日何回このセリフを言うんだろう、というくらい何回も言っています。
テレビを消すという強制執行をしたこともあります。今は全盛期に比べればマシですが、あくまでマシなレベルです。
相変わらず、ふと気付けばテレビに接近しています。

しかし最近、私のこの「テレビ近いよ」に息子が反論してくるようになりました。

テレビ近いよ
 もう!!言わないで!!

これは「ボクは今たまたま少しテレビに近づいていただけで、言われなくても離れなければいけないことはちゃんと理解しているからわざわざ注意しないでくれないか」という意味です。

ほーん。一丁前に言い返すようになったか。
これは多分あれだ。
宿題終わったの?
 今やろうと思ってたのに!やる気なくなった!

ってのと同じやつだ。

でもなー。宿題はまぁ本人が困るだけだから聞かずに任せるっていうのも出来なくはない(いや多分できない)けど、テレビ近いのは目に良くないしなー。言わざるを得ないんだけどなー。でも息子にしてみれば分かりきってることをわざわざ言われるストレスってあるしなー。

どうしましょ。

テレビ近いよって言う代わりになるようなテレビから離れろという意味を持つ言葉はないものか。
うーん…なんて言おうが「もう!言わないで!」って言われそうだなぁ。
…奇声でもあげてみようかな。キェェェェ!!!
だめだ、これは何か色々だめだ。
私はまだ人でいたい。
何かいい注意の仕方はないだろうか。

あ、そうだ。

以前、中国人は子どもを叱る際に名前だけではなくフルネームを呼ぶ、という話を聞いたことがある。
中国に限らずフルネームで呼ぶ=叱る、真剣な話の雰囲気に切り替えるという習慣はあるらしい。
フルネームで呼ぶことで何かプレッシャーを与えられるのだろうか。

ちょっと試しにやってみよう。
試してみたいから息子、テレビに近づいてくれ。
(本末転倒)
てい!アンパンマン再生!
息子が好きなコキンちゃん回じゃ!
ほれほれ、テレビに近づいて見るんだ!

何度かアンパンマンを再生して息子がテレビに近づくのを待ちます。
テレビの近くのおもちゃを取りに行ったまま止まりました。
うん、近いな。これいいタイミングだな。
怒ってもいないがご機嫌でもない普通のテンションで読んでみよう。

「小鳥谷長男(仮名)くん」

息子はクルッと振り向いてニッコリ笑って「なに?」と答えました。
私は「何か忘れてない?」と聞いてみました。

息子は「わかってるよぉ〜」と笑いながらテレビから離れました。

おぉぉ…効いた…すごい。
これ何て現象?なんなの?
その後もフルネームを呼んだだけで反論せず無言でススッとテレビから離れるようになりました。

ちょっと調べてみたら私は中国文化だと思ってたら欧米子育てあるあるらしいですね。
日本だとあんまり聞かないけど…マジギレしてるときに丁寧語になるようなもんでしょうか。違うか。笑

テレビとの距離に限らずフルネーム呼びは使えるかもしれない。
ていうか、早くテレビから常時離れて観れるようになってくれ息子!



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