見出し画像

警察学校の話 ④中間テストと卒業試験

前回散々走らされる話をしましたが、警察学校は実はどちらかというと座学の時間の方が長いです。
憲法、刑法、刑事訴訟法など法学と刑事や生活安全など警察業務の基本を学びます。
指紋の採取の仕方とか証拠品管理の基礎知識とかね。
そして半年間で2回の筆記試験があります。

漢字のテストだってあります。
間違えた数×5周走らされました…。

警察のテストはほぼ暗記テストです。
単語の暗記ではありません。
一言一句、文章の丸暗記です。
法学その他もろもろ合わせて13教科くらいあったかな?赤点も設定してあり赤点を取ると死ぬ程怒られます。
そりゃそうです。
出る問題も事前にほぼ教えられている上にテスト勉強の時間も与えられるのですから。
にも関わらず赤点を取ろうもんなら「お前らやる気あんのか気合いで頭に入れんか」と根性論で説教されます。
優しい教官は暗記のコツを教えてくれますが基本は根性論です。

私は入校して3ヶ月後の中間テストで、
「この教科意外と覚えることそんなにないな」
と思いっきり油断した教科で赤点を取りました。
いざテストが始まった瞬間鉛筆が動かせなかったんですよね。
あれ、覚えてない、出てこないって。

しかし卒業試験では無事に全教科赤点回避しました。
体力面ではどう頑張っても男性警察官には勝てる訳もなく、むしろ足を引っ張る側なので
筆記試験ぐらいは頑張らねば…!!
と高校受験以来真剣に勉強しました。
脳みそパンパンになります。
これから警察学校入る方、頑張って下さい。

同期にY君という数少ない私と同じ歳の男の子がいました。
彼はずっと警察官になりたくて、アルバイトをしながら予備校に通い、何度か受験した末やっと合格した人でした。

俺頭悪いからさー
なかなか受からなかったんだよね
今年やっと受かってよかったー

と話していました。
彼はとても真面目で、とても勉強が苦手な青年でした。
暗記モノが苦手で全く覚えられないらしく、
赤点を取った教科がいくつもあり、追試を何度も受けました。
教官も叱責はしますが怠慢の末の赤点ではないことは分かっています。

中間テスト3回目の追試の後、彼は退職しました。
同期や教官は当然かなり引き止めました。
学校のテストの成績なんて今後の警察人生には全く関係ないこと。
合格できるまで教官や同期生も勉強に付き合うこと。
やっと警察官になったのに学校のテストの追試程度で辞める必要はないこと。

彼は
勉強に全くついていけない
中間テストでこれなのに卒業試験でも同じようなテストを受けて合格できる気がしない
学校の勉強ですらこんな状態なのに卒業してもやっていける気がしない
と言って辞めました。

私のように成り行きで警察官になってしまった人もいれば
何度も受験して警察官になりたくてなったのに辞める人もいます。

彼の退職は少しショックでした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?