消えない月

久しぶりに書店へ行き、小説を買いました。

『消えない月』作者:畑野智美

令和3年2月25日に発売された作品のようで、ポップに惹かれて購入したのですが、一気に読み進めることができました。

(ネタバレあり)

内容としては、マッサージ店で働くさくらがお客さんであった松原と付き合うことことから始まります。帯びにもありますが、付き合っていくうちに松原の暴力性に耐えられなくなったさくらは別れを切り出し、それを受け入れられない松原は彼女の行動・生活を監視し始めます。どうにか復縁をしたい松原は、なぜ拒否されてしまったのか自分自身の行動を省みず、LINEでしつこく連絡を入れ、付き合っていた時に無理矢理作らせた合鍵で部屋に侵入し、出勤のシフトを盗み見てはマッサージ店が見える飲食店で出入りを確認しています。

なぜさくらは連絡を返さないのか、復縁に応じないのか、誰かの入れ知恵であったり、新しい彼氏がいるのではないか。思い込み、妄想が激しくて、メンヘラとモラハラを併せ持った怪物でした。

職場の同僚や弟に助けてもらいながら、なんとか松原と距離を取り始めたところに、実家や新居まで突き止められてしまいます。さくらだけでなく、周りの人の行動も監視することで、彼女の居所を探し出すことに全てをかけていました。

この小説を読んでいると、私も松原ほどではないけれど、付き合っていた彼との別れ話でめちゃめちゃLINEで今までの不満をぶつけていたので、少し反省しました。(元々は彼の人間性を私が治せるのではないかと必死になっていたのですが、そこで他人は変わらない学びました。どこかで、私のこと好きで大切なら変わってくれるのではないかと思っていたのです。)

お互いがお互いのことを尊重して大切に思えて、それが伝えわり合う関係になるのはつくづく難しいと思います。

この本は、女性に特に読んで欲しい。自分の彼氏って普通なの?どうなんだろう、誰かに相談するのはちょっと・・・、愛情を悪く言ってしまう感じになって憚れると、優しくて抱え込んでしまう人に、でもどこかで違和感をもっている方に読んでほしい。作中では複数の警察官が出て来ます。どのような対応をしてもらえるのか、できるのか、できないのか、それだけでも知る価値があります。我慢し過ぎないでください。

それはそうと、小説は高校生ぶりくらいに読んだのですが、作中で携帯電話からスマホ、LINEが普通に使用されていることがとても新鮮でした。

コーチ!という明るくなれるような作品も購入したので、次はこちらの感想も書きたいと思います。

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