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【読書感想文】ハンチバック(芥川賞受賞作品)人間の尊厳について考える
※ほんの少しだけ、ネタバレがあります※
芥川賞受賞作品を初めて読みました。
ものすごい文章でした…。
読み終わった後、ぞくぞくとした余韻がしばらく続くような作品でした。
主人公は障害のある女性ですが
物語を通じて世の中にある、無いものとされている差別に対する主張がしっかりと感じ取れました。
「本は紙媒体で読みたい」
私にとって当たり前のことでしたが、それに不便を感じている誰かがいることについて考えようとしたことすらありませんでした。
この本を読んで、自分の知らなかった世界にある不条理を知ることができました。
また、人間の尊厳とはいったい何なのだろう…と
読み終わったあともしばらく考えました。
※ここから先は少しネタバレあり※
少しネタバレですが、
最後は男性が射精するシーンで終わります。
何という物語でしょうか・・・
あれだけ色々あったのに、最後は射精でめでたしめでたし。
女性の苦しみ、障がい者の苦しみ、弱者男性の苦しみ…
色々なことについて考えながら読みましたが
この終わり方で、ぞくぞくしました。
結局この世は一部の強者男性の快楽のためにあるのではないか…
そんなことまで考えさせられる作品でした。
自分のことを「泥」と表現する女性、
「泥の中に真白く輝かしい命の種が落ちてくる」
表現が美しすぎて、皮肉のように感じました。
考えすぎかもしれませんが、
本を読んでいろんな思考を巡らせることが好きなので、
やめられません!!
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