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Diary 5/31

読書日記(十二国記・月の影 影の海)

 小野不由美の作品でファンタジー小説でシリーズものとなる。すごい作品で最初に講談社X文庫という学生向けのシリーズで書かれた作品だったのだけど、反響が大きかったのか講談社文庫に移って最新作が出始めた。まだ終わっていない作品。最初の「魔性の子」が91年だったからもう30年になる。


 書かれていない時間もあって作品的には少ないので、読むと楽しいけど、とにかくこの「月の影 影の海」が正直一番おもしろい。2作目となる作品なんだけど主人公の陽子が突然ちがう世界からきた刺客にさらわれて,虚海(きょかい)という海を渡り別世界(十二国の巧国)へ連れられて行くところから物語がはじまる。

 味方のいない世界で陽子は荒みながら、戦い方を覚えていく…そこで初めて知り合う半獣という喋るネズミの楽俊(ラクシュン)その時は陽子は裏切りに裏切られて心を閉ざしている。ただここから事態は好転していく…楽俊の素直で優しい気持ちが陽子の心を溶かしていく。そして事態は思わぬ方向へ進む…

 上下と文庫でわかれてるのだけど、前半はとにかく陽子は困難の連続で読んでるだけでしんどい。しかし物語というもので陽子はどんどん戦闘能力をあげていく。人もたたけない、か弱い少女が強くなる様に物語の世界にどんどん入り込んでいることがわかる。

 それと同時に十二国というファンタジーの世界の説明が進んでいく。ここら辺は小野不由美の凄さでこういうの書かせたら一番な気がする。顔写真がなく知るのは文章のみというのも、物書きとしては頼もしく感じる。難しく書きすぎてちょっとはずれはあるけどw、だいたい正解。

 旦那さんは新本格ミステリーの旗手の綾辻行人。まあそこら辺はあまり関係ないけど、作風は全然ちがくてとにかく文章が固くがっちりしている感じがする。古文の物語を読むように物語が進むので昔話を聞くように頭の中にスルスルと入っていく。

 アニメにもなったりもしたから知っている人は多いかもしてない。ホラーも書いていて「残穢」(ざんえ)という作品が映画になったりするので、恐怖感も物語の中にちりばめられている。

 最新刊を読みながら、懐かしさをかみしめて読んだ。若い時に付き合った高校生の彼女が貸してくれた本だった。「面白いから読んでみて」と言われて読んだ記憶がある。映画を観るくらいしかできなかったけど、なんか楽しい想い出として残っている。

 

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