日本BLドラマ「ポルノグラファー」第2話を本気で見た

こちら第2話も第1話と同様に大ネタバレ祭りです。未視聴の方はご注意下さい。そして見て……FOD見放題で見られます……。

副題は愛情と嫉妬の狭間で。今回最初からやや過激です。

冒頭は放課後の学校。チャイムが鳴り響き、教室で制服姿の久住くんが何かを書いている。教壇には木島先生がいて、何か採点?書いてるんですけど、左手ですごく書きづらそうにしている……ということは、1話を踏まえるとこの状況はリアルの世界ではなくて久住くんの妄想もしくは夢だということが分かります。

そして、先生はまるで狙いを定める雌豹のような表情で久住くんに近づく。
耳元で「ねえ、久住くんさあ。口でしてあげようか」「え?ちょ、ちょっと先生!?」
動揺する久住くんに構うことなく攻める先生「すごぉい、触ってないのにカチカチだよ?」机の下で先生の手が動き、ジッパーの下がる音と共に久住くんの表情は恍惚としたものに変わる。
呼吸が乱れていく久住くんを覗き込むようにして「どうしてなのかなあ?先生の質問に答えなさい」とわざとらしく言葉でなじる。
こんなところで発揮されてしまう言葉のプロの力が憎いです。

完全に掌握されてしまった久住くんは「先生が、エロいから、です」と、ド直球ストレートに答えます。相変わらずどこまでも素直な子すぎて涙が出そう……。
それから先生はにやりと笑い「80点、かな」と告げて跪き、制服のベルトを外して久住くんの足の間に顔を埋める……えっ、ゆ、有言実行……そして響くひぐらしの鳴き声……。

この感じだと久住くんがMの側かな?と思われそうですが、最後の方でがっつり先生の頭を掴んで動かしてるんでしっかりSだとお見受けしました。
……いや、もうね……私は自分で何を冷静に分析してお見受けまでしてんだか分かりませんよ……まったくすごいなフジテレビ……。

このシーン、ちょうど窓の枠で先生の様子は隠れて見えない感じになっていて、頭が上下する様子だけが見えるって言うものすごいチャレンジングな構図でした。
セーフかアウトかって言ったらギリギリのアウトって感じ。とはいえ、画面は安っぽいわけじゃなく雰囲気があって、なぜか見てるだけでその場の気温まで体感できるような色味がすごい。

ここでふと我に返る久住くん。大学の講義室でとんでもねえ妄想してしまった自分に「(どうかしてる、俺……)」と軽く絶望します。そしてあの日の先生の「ねえ、勃ってるよ」からの一連のやつを思い返して死にそうになるという。強く生きてほしい。
「(エロ小説の読み過ぎにしたっていくらなんでも……あの人30過ぎのおっさんだぞ……)」と自己嫌悪していた時に、後ろから同級生の登場。たまには部活に顔を見せろと言われるも、今バイトで忙しいからとあっさりめに断る久住くん。

「それで、延々とおっさんの朗読聞かされてるわけ?エロ小説の」「そう」「だいぶキショくねえか?」「それが、そうでもないんだよね……」
もはや先生をとやかく言えるレベルではなくなってきてしまったNEW久住。
音声認識ソフトとかで何とかなるんじゃないか?と視聴者の疑問を代弁してくれる同級生くんに、「それが、超アナログ人間なんだよね。パソコンも携帯も持ってないし」

回想、ある日の先生宅にて。久住くんが「先生、パソコン使わないんですか?」と疑問をぶつけますと、「書き始めた頃から原稿用紙。最近珍しいみたいだけど。あ、君が使う分には構わないよ」「いや、そうじゃなくて……買ってみたらどうです?」

確か音声認識ソフトとかもありますよと勧めてみるも「やだよ、めんどくさい」とバッサリ切り捨てます。
自分は家からほとんど出ないから携帯なんて持たずとも家の電話だけで十分だし、家にはたくさん本があるから退屈しない。それにレコードもある。「良い音だよ。アナログ演奏のものはアナログで聞きたいね、僕は」と、アナログに強いこだわりを見せる先生。

これはスピンオフ「インディゴの気分」を見るとより木島先生のバックグラウンドにガツンと奥行きが出ますので、ご興味ある方はぜひ。

左手だけじゃ扱いづらいということで、久住くんにレコードをかけさせる先生。そして並んで座る二人。
「どう?レコード」「よく、分かりません」「君って正直だよねえ。そういうところ、好きだよ」「えっ」思わず喉を鳴らす久住くん。

この先生の「好きだよ」は久住くんをからかいたくて言ったような気もするし、素直にぽろっと言ったような気もしないでもない。まあまあ、どっちにしても今の時点で先生が久住くんを相当気に入ってることは間違いないですよね。ひねくれてるぜ先生……。

光景をまた思い出してニヤついてしまう久住くん。もうここまでくると素直に生きてるって素晴らしいなと思いますね。そして、久住くんは先生を見てドキドキしてしまうようになってしまったことをぼんやりと自覚していくのでした……。
仕事をしておりますと突然、ううんと悩む様子を見せる先生。

書き終えた原稿をチェックする先生の肩をちゃっかり揉む久住くん。
「さすがだねえ、漢検一級。もうほとんど直すところない」「色々読みましたから」「応用力があるよ」
先生に褒められてうれしそうな久住くん「あの、素朴な疑問なんですが、恥ずかしいなとか思ったりしないんですか?こういう内容を音読してて」

「そうだな、まあ、紙に書いて出版されてる時点で十分恥ずかしいからね。今更って感じかな」

これは一気に最終話まで見てるから分かるところなんですけど、ここのセリフはかなり重要な部分だったのかもと思います。さらっと言ってる言葉ほど後々効いてくる伏線のヤツ。

「というか、正直ちょっと楽しいかも。僕の書いたもので目の前の人がドキドキしたり勃起したりしてるのが」
もう完全に手のひらの上で転がされて面白がられている久住くん。
でも、これって先生の本音なんですよね。久住くんとこういうことしているのが楽しいっていう。
「してませんよお……だいぶ慣れてきたし……」「なら、エロさが足りないなあ」「そういうことじゃなくて!」

すると突然部屋に携帯の鳴る音が響く。「あ、僕のか」とようやく携帯の存在を思い出し、部屋を出ていく先生。仕事の電話にしては口調が荒い。
「悪いけど、今会いたくない。だから、それはもう……もういいって言ってるだろ!本当にごめん。僕からまた連絡するから」
声を荒げる先生にびっくりする久住「あれ?」今先生が持っていたのは何だ……?
部屋に戻ってきた先生は、久住くんのを見て「どうしたの、変な顔して」と問います。

「先生、携帯持ってんじゃないですか!」
「ああ、本気にしてた?」「しますよ!!そりゃするでしょう!!」
もう、うちの久住は筋金入りの素直な子なんですから……あんまりいじめないでやってください……かわいそうに……。

「携帯くらい持ってるよ。番号交換する?」「交換する?じゃないですよお!信じちゃうじゃないですか~!」
かわいい。いや、先生がすごいかわいくてビビる。今回はその先生の真似した久住くんもまとめてかわいい。私が番号を交換したい。連絡とかしないけどただ交換だけしたい。

「ごめんごめん、本当に正直だねぇ、君は」「いやだって……」「下半身も正直だしね」
ここの下半身~って言う時の声のトーンちょっと下げるのマジパネエ妙技。
本当に久住くんを撃ち落とすゲームやってる感じが悪趣味でいいですよね。この際だから行けるところまで行こう。
そして久住くんは「(もしかしてこの人、俺の妄想よりヤバいかも……!)」とやっと気づくのあった……。

さて、先生の家に歩み寄る足音。家では相変わらずの口述筆記が行われています。
気付けばこの関係も二週間が経過。二週間もすれば久住くんがより正確に書きやすくするためのルールが出来てたりして手慣れたもんです。さすがにコンビネーションも生まれるよね~~と思っていたら、突然開く玄関の鍵。

そして部屋に入ってくるワイルド系イケメン。先生はワイルド系イケメンに「何勝手に入って来てんの」とガンギレ。ひたすらビビる久住くん。

ワイルド系イケメンが「合鍵使って」と鍵を見せますと、先生が怪我をしていることに気付く。そこをまあ死ぬほどあっさり「転んで折った」と言う先生。
次にワイルド系イケメンは久住くんに気付き「ていうか、なんなんだそいつ」「そいつって……」あからさまにムッとしちゃう久住くん。
先生は心底うんざりした様子で「めんどくさいなあ、だから今は会いたくないって言ったんだ」

ここで久住くんはこのワイルド系イケメンが電話の相手だったことを勘付きます。
観念した先生からこのワイルド系イケメンは「編集の城戸くん」であると紹介される。
「あとは二人で自己紹介でもしなよ」と急にオラつく先生。さてはこの人、本性は気性が荒いな?

仕方なく名刺を手渡す城戸。久住くんがこれまでの経緯を話すとそれはもうびっくりする。ここにきてやっと二人目のまともな感覚の持ち主でしょうか。
「口述筆記。ドストエフスキーみたいだろ?」「ばっかじゃねえの!?お前が書いてるのえっぐいエロ小説じゃねえか」「僕は至って真面目なんだけどなあ」「変態か?まあ変態なんだろうな……」何か言いかけた城戸を遮るように話を続ける。
すると城戸は「昔から、しょうもないことを思いつくやつだとは思ってたけどな」「だね」

この二人の会話のテンポや空気感がすごくよくて、先生と城戸は長い付き合いであることの説得力がある。
久住くんは二人のやり取りを見て「仲、いいんですね。お二人」と面白くない顔で言う。
この時点ですでにジェラシーに燃えまくってるのがとてもいじらしいです。まだ無自覚っぽいところが余計に。

「僕が金に困ってた時、初めてこの仕事を紹介してくれたのが城戸くん。だから僕の恩人なんだ。だよね?」「まあ」

ここはマジでびっくりするくらい全部が見える。城戸と先生の関係の深さと歪さみたいなものがもう丸見え。先生ってば誤解させたり危うい空気を出すのが超うまい。

というわけで、こちらもスピンオフの「インディゴの気分」をお読みいただきますと、大変に理解が深まりまくりますので、城戸という男にご興味ある方はぜひ……後回しにしてても必ず見ることになります……(ex:私)

「こいつとは学生時代からの腐れ縁というか、切っても切れない仲というか……あれ?」
ここで城戸はものすごく重要な事に気が付きます。
先生に向き直る城戸「お前、確か」「なに(気付かれてめちゃくちゃ嫌そう)」「左……」「城戸」「え?なに、なんだよ!?」

先生は自分と共に城戸を外へと押し出し、窓を閉める。なにやらこそこそと話し、ちょっと笑う。この笑みがまた……そして、家の中で完全に疎外感を味わう久住くん。
部屋の中に戻ってくるなり、先生は「せっかく城戸くんも来てくれたから、今日は3人で飲まない?」と言ってお金を渡し、買い出しに行かせる。

「(何か……体よくあしらわれた気がする。ていうかあのふたり、距離近すぎじゃないか?)」
ぎゅっとお札を握りしめ、走り出す久住くん。
「(この気持ち、なんなんだ……)」
体育会系なので気持ちがむしゃくしゃすると走るところがまた真っすぐな感じしてかわいい……っていう2話でした。
回を追うごとに安定して勢いを増すばかりのヤバさ。

そういえば、私が違う沼に首を突っ込んでいた間にファンブックが発売されていてビックリして買いました。日本BLにしては珍しく福利厚生がすごいな。


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