思い出のたべもの 2.エビ
エビが好きだ。
大きいのも、中くらいのも、小さいのも。
みんな違ってみんないい、それがエビである。
伊勢海老の刺身は、プリプリした歯応えと甘みがたまらない。殻を煮込めば、濃厚な旨味がたっぷりの出汁が取れる。それを味噌汁にするのは最高の贅沢だ。
父の知り合いから、年に1、2回生きた伊勢海老を2尾ほどいただく。おが屑の敷き詰められた箱の中で、触覚を動かしながら「ギ…ギ…」と鳴く彼らにちょっかいを出すのが幼い頃の楽しみだった。散々子供達に遊ばれた後、父によって捌かれ、食卓に上が