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七億円に隠された本音

 内観レッスンという、少人数のグループで内観ワーク会を行う取り組みをしています。内観ワーク会では、実践型ワーク(ノートに質問の答えを記入して、自分自身の内面や心の状態に焦点を当てる作業)を行っています。
 ワークをやるだけなら家で一人でできますが、ワーク初心者の方だと自分の本音が上手くかき出せない方もいるので、私がさらに質問をして、本音が表出できるようサポートしています。
 また、他の参加者の答えやを聞いて「私もそれ書きたい!」となったり、私とのやり取りを聞いて「なるほど。私も同じかも…」となったりもします。一人ではたどり着けない自分の本音にたどり着けるワーク会です。

 今第三期を開催中で、そこでの気付きを残します。

・三年後に理想とする姿は?
という問いに対し、Aさんは「宝くじで7億円当たっている!」と答えました。「当たった時の銀行口座まで準備している。」と。
 参加者のBさんは「すごい!そこまで行動してるなら叶っちゃいそう!」と。Bさんはこのワーク会の参加が二回目ですので、行動することの大切さを理解しています。
 私は、Aさんの答えに何か引っかかりました。「Aさんはその、七億円で何したいですか?」と問うと、「使い方は決めているの。」「では、それを書いてみてくれますか?」「①仕事を辞める②学童を作る③、④…」とたくさん出てきました。「なるほど。ってことは、七億円当てたいというより、①②③④…を叶えたいってことですよね?あぁ。じゃあ7億円が願いじゃないですね。違和感の正体がわかりました。」
Aさん「え??」
Bさん「口座まで作ってるのに(行動してるのに)当たらないんですか…?!」
私「当たらないと思いますよ。確率とかではなくて、本当の望みではないから。ブロックしてますから。」
参加者全員が「・・・?」

ホワイトボードに書いて説明しました。

七億円当てたい

①仕事を辞める
②学童を作る
③④…

つまり、仕事を辞めて時間が欲しくて、自分のしたいことを仕事にしたい

と、書いている途中でAさんが「でも、本気で七億円が当たると思ってないの…」とポツリ。
「やはり!」
そうなんです。思ってなかったらそうはなりません。
そして、三年後の理想の姿を決めるってとても勇気がいりますよね。わかります。私もそうです。私は今から5年前に本格的に起業して、三年後の理想を考えました。ワクワクしながら!この時はワクワクの気持ちだけでした。そして三年間、その理想を諦めずに行動したら、期限ギリギリに全て叶いました。最後は自分でも想像していなかった形でしたが、叶いました。「理想は現実化するんだ。」と感動しましたが、そこから一年間、次の三年後が決めきれませんでした。だって怖かった。書いたら、願ったら、そうなることが分かってしまった今、次の願いは自分には大きすぎるというか、大きすぎることはないのだけど、行動しなければならない感じがとにかく怖くて。「今のままで十分ではないか…?わざわざまた苦労しなくても。」といいう安定を求める自分と「いや、でもまだまだ私は叶えたいことがある!」という自分の本当の気持ちが一年も戦っていました。

 最近になって、この内観ワーク会でみなさんがワークに懸命に取り組む姿をみたり、参加後の感想で「私は常々自分をダメなやつだなーと思っていたのですが、この講座に参加して、なんだめちゃ頑張ってるじゃん私!って少しでも認めることが出来るようになりました。でも、自分の正直な気持ちに向き合うことは私にとっては意識的に嫌なことを閉じ込めてた箱を開けるような気持ちで、なかなか苦しいものでした。いい経験でした。後は、日常のちょっとした事でも嬉しい!って思うことを大事にしようと思うようになりました。三日坊主の私が、気が向いたらノートに書くこともあります笑今回とてもいい機会を頂けました。また是非参加したいと思います。」などと嬉しいお言葉を頂けて、主催のわたしが向き合うことを怖がってはだめだ!と、ノートに向き合い、三年後の理想を遠慮せず書きました。五年前のただワクワクだけではなく、ワクワク半分怖さ半分でしたが。書いたらやっぱり行動できてしまって…の話は後日にします。

 話を戻します。そう。Aさんの気持ちは大変よくわかりましたが、本気で参加してくれているAさんのために心を鬼にして、説明しました。

七億円当てたい

①仕事を辞める
②学童を作る
③④…

つまり、本当は、仕事を辞めて時間が欲しくて、自分のしたいことを仕事にしたい

でも、そんなの望めない

だから七億円なんて当たらないとわかっていることを願っている

本気で望むのが、決めることが怖いし抵抗がある

自分のことを信じ切れていなかったり、自分に期待するも、何か挑戦させてあげるのも怖い。

七億円という当たらない願いを仮の願いとして自分をごまかしている。

ホワイトボードにここまでは書いていませんが、このような内容を説明しました。
つまり、「七億円」を願うことで、当たらないことのせいにして、自分の人生を諦めていたということが分かりました。
七億円のお陰で、本当の願いを出さずにすんでいたんですね。むしろ七億円がAさんを守ってくれていました。七億円ありがとう。

 さあ、ここからです。本当の理想が分かりましたので、あとは「Aさんがそれ(本当の願いや理想)をどうするか。どうしたいか。」です。自分に設定してあげるのか、もう少し時間を置くのか…それは自由です。私は一年も悩んでいましたので…。

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