life insurance surrender
生命保険に関する三つの事柄に接した関係で、今日のタイトルは「生命保険の解約」です。
life insurance:生命保険 surrender:解約
一つ目は、先日、日本生命保険相互会社のニッセイトータルパートナーの女性が「ご契約内容確認活動」のために自宅訪問してくれたことです。
これは定期訪問なのですが、画面上で契約内容・本人及び家族情報の確認と、利用可能なマイル数があるのでカタログの賞品にするか、Amazonで使うかの選択をさせてくれました。カタログは欲しいものが無いので、Amazonにしました。
資料では生命保険なので、死亡した時にbeneficial owner(受取人)がいくらのdeath benefit(死亡保険金)を受け取るのかを再確認をします。
これまで保険会社に支払ったcontribution(保険料)と現時点のcash surrender value(解約返戻金)を単純に金額だけを比較してしまうとちょっとがっかりしますが、これまでclaim(保険事故)が無かったのが幸いです。
二つ目は、知り合いからendowment(養老保険)の解約を検討しているので、かんぽ生命の「特別養老保険○○歳2倍型」の内容をみてほしいと依頼があったことです。
かんぽ生命の保険の不適切な販売問題で2,448人の処分を行ったというニュースがあったので、その関連かと思ってしまいましたが、不正とは言えないものでした。
その知り合いは80代で、かんぽ生命に勧められて、どちらかと言えば貯蓄感覚で、matured endowment(満期保険金)を老後生活資金として受け取ることを目的にして、家族をassured(被保険者)にして2つ契約していました。もちろん被保険者の年代は別々ですが、何十年も若く契約期間10年なので、死亡保険金をもらうことがあることなど夢にも考えていません。
このかんぽ生命の「特別養老保険○○歳2倍型」は満期保険金の2倍の死亡保険金が支払われるタイプだったので、あっては困りますが、万一の時には死亡保険金が多いことをセールスポイントに勧められたのだと思います。
一般的に、養老保険は満期保険金と死亡保険金が同額で、term (定期保険)、lifetime insurance(終身保険)に比べて保険料が最も高い保険です。
バブル時代には養老保険に加入すると、満期時に2倍の満期保険金になることもあったので、イメージが残っていて貯蓄感覚だったでしょうが、低金利の今はもちろんそんなことはありえません。
2つあった保険のうちのひとつは、maturity (満期)まで、あと1年半ほどだったので、満期まで続けるか、すぐに解約するかの判断でした。
10年分トータルの保険料と満期保険金・死亡保険金、残り1年半ほどの保険料はわかるので、現時点の解約返戻金をかんぽ生命で確認してから、解約するようにアドバイスしました。
もうひとつは加入して3年くらいで、7年ほど契約期間が残っていました。こちらの被保険者はさらに若く、満期保険金がそれほど大きな金額ではなかったこともあって、やはり解約を勧めました。
2つの生命保険ともadd-on option(特約)を付けている分、保険料が高くなっていて8年半ほどで、満期保険金と保険料が同額になる計算だったので、保険事故がなければ、それ以降分はかんぽ生命の(利益+経費)というわけです。
アドバイスの結果、高齢者にもかかわらず、その翌日には解約するという早業に感心しました。その保険が本当に必要なのかよく吟味しないうちに契約してしまうことが多いのが生命保険の実態だと思います。
三つ目はハーバード大学のマイケル・サンデル教授は、NHKのEテレで放送された「ハーバード白熱教室」などでよく知られていますが、今、読んでいる本のひとつが彼の著書で、その中に「生命保険の道徳の簡単な歴史」という箇所があったことです。
生命保険は殺人のインセンティブを生んだだけではなく、人間の命に市場価格をつける過ちを犯したとみなされ、道徳的な嫌悪感があって19世紀の半ばから末になるまで、ほとんどの国で生命保険は発達しなかったそうです。
しかし、時を経るに従って、投資手段として保険を売ることを恥じなくなって、生命保険の意味と目的が変わってしまったと書かれていました。
保険、投資、貯蓄、ギャンブルなどの区別を当然しているつもりでも、取扱業者からの売り込みもあり、実際にはどこか混同している部分もあって、それが大きな損失につながるのではないでしょうか?
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