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【法学部】とある大学生の10月。

 10月。暑さが和らぐとともに、夏休みの余韻もすっと消えていく。まだ、1,2周目ということもあり講義の本題に深入りすることはなかった9月とは違い、いよいよ本格的に大学が始まったなと感じる。

 しかし、新学期が始まったというのにどうも春学期ほど新鮮味はない。というのも、別に新入生が入学してくるわけでもなければ、先輩が卒業してしまうわけでもなく、雰囲気は実質春学期の延長戦のような感じだからだ。

 それゆえ、皆春学期よりも慣れた様子を醸し出すもの。例えば、教科書購入。販売期間は秋学期開始から10月1周目までといった感じで、春学期には販売開始直後は生協が非常に混んでいた記憶が思い出される。しかしながら、秋学期はそこまで混雑しておらず、むしろ駆け込み客は春より増える。

 それはなぜか。慣れゆえの余裕が生まれると、初回、第2回目の授業に出席して果たして本当にその教科書が当該授業に必要なのか見極めてから購入するということを学生はやり始める。大学生をやっていると、少し遊んだだけでお金がすぐになくなるから、皆支出には厳しい。そんなわけで、少し余裕が出てくると、このような場面でお金を貯めようとする。(もっとも、ギリギリまで攻めすぎて販売期限日が過ぎた結果、通常価格で購入せざるを得ず、損する者もいるが。)

 また、私はこの時期からゼミが始まった。私は民法のゼミを選択。学年を横断して共同で学習するのは、語学で再履修になった方々を除くとこれが初めて。やはり自分たちより何倍も知識のある先輩方の発言はレベルが高く、遅れないようについていこうと気持ちを新たにするとともに、早くも大学生活が折り返しを迎えようとしていることにふと気づき、時間の流れの速さを感じる。

 しかし、特段新しいことと言えばゼミだけで、他は本当にいつも通り。個人的には、教科書も買い終わった10月の中頃以降が一番授業をさぼりたくなる時期のような気がする。大学には目新しさもない中で、日の出は徐々に遅くなり外の気温は日に日に寒くなってゆく。言い訳だが、これでは家の布団でぬくぬくしていたくなる気持ちも分からなくもないだろう。

 私にとって大学2年の10月とは、春学期の2周目であり、大学2回目。すなわち、同じことの4回目となる。そんな、どの月よりも慣れによる余裕が生まれる10月は一歩間違えると堕落の1か月となり得る。


冒頭写真:筆者撮影


~忙しい方へのまとめ~
10月(神無月)
・教科書購入終了日間近
・秋学期が本格的に開始
・ゼミ開始(大学・学部によって時期は全く異なる)
・雰囲気的に春学期の2周目感、それが余裕と出るか、堕落と出るか

9月編

11月編


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