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とある法学部生、秋学期開始!

 長い長い夏休みが終わり、今日から秋学期が始まる。夏休みの中頃は授業がないのもつまらないと感じることもあったが、いざ当日になるとそんなことはなく、何だか急に煩わしくなる。

 もっとも、本日そうである理由はこれだけではない。今日の授業が急遽対面に変更されたからだ。

 具体的に話そう。他の授業が抽選で落ちたこともあり、今日履修しているのは中国語だけであった。そして、その中国語は今となっては数少ないオンライン形式で行うとシラバス(授業の要綱)に明記されていた。それゆえ、私としては初日は気楽にいられると思っていた。

 それにもかかわらず、昨日の夜、なんとなく気になりメールを確認すると、「明日は××号館○○室にて【対面】で行うことに変更する」と通知されていたのだ。

 なぜそんなにオンラインが良いのか。それは人に会わなくて済む、言い換えると、周りに気を使わなくて済むからだ。実を言うと、第二外国語たる中国語が対面になるのは某ウイルスの影響で今学期が初めてであり、卒業単位上、最後でもある。ゆえに、半期だけのために単位を取るためだけの関係の友達を作る努力をするのに面倒くささを感じていた。

 だが、そんな悩みは思わぬ形で杞憂だったと発覚する。いざ教室に行ってみると、学生はわずかに私一人。つまり、横の人間関係と作りたくとも作れない、といったわけだ。

 先生もこのことに苦笑しており、2次募集、3次募集で履修者が現れない限り、マンツーマン指導になるとのこと。必修科目が一対一とは世にも珍しく、想像をはるかに超える事態に私はとても返す言葉が出なかった。

 先生も生徒も予想外の事態。そうかと思えば、先生はいつかこうなることを予想していたと言う。

 「学生の外国語の履修者数は、おそらく国家間の関係によって変動するんですよ。2013年ぐらいも日中関係が良くなかったけど、あのときも履修者が少なかったですから。事実、今年の1年生の話ですが、秋学期よりロシア語から中国語に変更した学生が私のクラスだけで2人もいるんですよ。去年度は本講座にもう少し学生がいたことを鑑みると、同様に、ウクライナ情勢における中国の姿勢に疑問を持った学生がそうしたのかもしれませんね。」

  私は、たとえ関係が良かろうと悪かろうと中国との関係がこの先完全に切れることはないと考えたから、その点実用性があるだろうと思い、中国語を選択した。だが、世の中には、その言語を学ぶことは、その国家は多かれ少なかれその国家に味方することを意味するのだと考える人もいるのだと知った。
 そして、特に第二外国語を途中から変更するのは並大抵の大変さでは済まない。ゆえに、その2人は並々ならぬ思いがあるのだろう。

 そんな雑談をしているうちに、秋学期初日は終わりを迎えた。終わってみれば面白かった、そんな1日だっただろうか。まあ、よくよく考えると、それは今日一切勉強をしていないからか。


 

 

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