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【元塾講師より】塾の講師が学生バイトか調べる方法

 「自分の子を通わせるつもりの塾の講師は学生アルバイトか。」

 これは私が1年ほど個別指導塾にて塾講師をしていた中で感じた、入塾を検討している保護者の方が最も気にされるポイントです。至極当然ですが、保護者の方は皆大切なお子様のことを第一に思っていますから、テキトーに仕事をこなしそうな気がする学生アルバイトよりも社会人の専任講師に指導をお願いしたい気持ちはすごく分かります。

 ですが、塾側としてもこのことを分かっているため、「お宅の先生は学生ではないですよね?」とはっきり尋ねられても、あいまいな返事しかくれません。そのような場合に、どうやって学生講師なのか否かを確かめることができるのかを紹介します。

 まず、講師が学生アルバイトなのかと尋ねても、はっきりと違うと答えてこない場合、8割ぐらいの確率でその塾は学生講師中心でしょう。事実、社会人の専任講師を入れている塾だとしたら、そこがアピールポイントなわけですから、はっきりと「うちは最後まで責任をもって担当でき、経験も豊富な専任講師しか入れていません。」と言ってきます。ですから、本件について言葉を濁された場合、その塾の講師は大学生である可能性が高いです。

 ただ、塾側もバカではありませんから、「専任講師も所属しています」といった言葉で華麗にかかる質問をかわしにくることがあります。そして、そのような言葉を投げかけられると、保護者の方の中には勝手に専任講師に自分の子供を指導してもらえるのだと勘違いし、入塾される方もいます。

 しかし、あくまで「専任講師『も』」です。内情を話しますと、学生講師中心の塾には学生講師を指導するための正社員講師が1人~数人ほど所属しています。そして、そのような正社員講師も授業時には学生講師と同様に指導に入るため、「専任講師もいます」と答えられるわけです。しかしながら、かかる場合、専任講師は多くても数人です。ゆえに、「専任講師もいます」と言われたからといって、自分の子供が必ず専任講師に教えてもらえるわけではありません。

 ただ、結局のところ塾側は歯切れの悪い回答しかしてこないので、学生講師中心だろうということは推定できても、なかなか確信には至らないと思います。かかる場合、その対処法として、私は求人サイトでその塾の講師の仕事を探してみることをオススメします。

 どういうことかと申しますと、求人サイトはウソをつかないということです。塾側も求人サイトには、正社員又はアルバイトの区別をしっかりと明記しているはずです。ゆえに、検討している塾の講師が学生アルバイトであるかは求人サイト等を用いれば簡単に判別します。

 入塾を検討されている保護者の方が「塾のHPを見たが、講師については詳しく書かれていなかった」とおっしゃられるのをしばしば耳にしていました。そちらのHPは保護者向けなので、自分たちに分が悪いことは書かれていません。しかし、当塾HPの求人情報から調べれば、講師がアルバイトであるかなんて一瞬で分かってしまうのです。

 最後に、ここまで学生講師がいる塾に当たらない方法を説明してきました。しかしながら、これは学生講師の質が悪いということを前提にした話です。実際のところはそうなのでしょうか。

 私は決してそんなことはないと思います。塾講師という業種特有の縛りの多さ(シフトの融通が利かない、頭髪身だしなみの制限)や塾講師の実質賃金の低さ(サービス残業、低賃金化)が影響し、ラクしてガッポリ稼ぎたいという軽い気持ちで塾講師をやっている大学生は世間一般に想像されているほど多くありません。それゆえ、教員志望であったり、人に何かを教えるのが好きな学生のみ、塾講師を志望してきます。
 ゆえに、学生講師が全て無責任というのは決して的を得ているとは思えません。

 また、指導力について疑問をもたれる方も多いですが、それも社会人講師と学生講師ともに一長一短あります。確かに社会人講師は知識の面では勝っているかもしれません。しかしながら、塾に来たとしても何も吸収していかなければ、結局先生がすごくても意味がありません。その点、学生講師は年齢的に親しみやすく、また、自分たちが苦労したところをまだ鮮明に覚えているので、生徒により添いながら指導してくれます。

 結局のところ、個別指導塾においては、体験入塾等を通して生徒さんに合った先生を見つけ、学期替わりに別の先生に変えられないよう、しっかりと塾側に希望を伝え(担当の先生が変わるのなら辞めますとはっきりと伝えると案外塾側も希望に応じてくれます)、お子様と相性が良い先生をキープし続けることが大切だと思います。


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