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完璧でいたい私とあなたへ(不眠症のこと)

自分が不眠症だと自覚してから、というか、物心ついた頃にはもう簡単に寝られなくなっていたのだが、大分長い期間が経つ。

前世、アイドルだったという立場上、「しんどい」とか「体調が悪い」などといった直接的な言葉をあまり使わないようにしていたが、今日は思い切って話してみようと思ってこの記事を書いている。


私は不眠症だ。

なかなか眠れない。大人になった今は睡眠薬を使って強制的に眠りに落とすという手段を身につけたが。小学生くらいから、布団に入っても何故か頭の中で色々なことが巡ってしまったり、本当に些細なこと(例えば隣に寝ている妹の鼻息とか)のせいだったり、身体が疲れすぎていると逆にその疲れのせいで眠れなかったりした。布団に入っても3時間寝付けないとかザラだったし、逆に朝の5時とか(ひどいと3時半とか)に勝手に目が覚めてしまったりしていた。

だから、中学生の頃とかは自分のお弁当作ったり、今は1限があろうとちゃんとメイクして髪もやって、ついでに洗濯もして、みたいな感じで朝を有効活用している。

朝が弱くていつも余裕がない、とか、仕事中とか授業中に寝ちゃう、とか寝落ちしちゃってやることが終わらない、みたいなことで悩む人からすれば、むしろ羨ましい、と思うかもしれない。

ただ、1つ言いたいのは、不眠症の人間は眠くならないから寝られない、のではなく、眠くて眠くてしょうがないのに寝られない、ということである。

私の場合だが、例えば朝早く目覚めすぎたせいで授業中眠すぎて、頭が重く痛くなってくる。そんな時、正直どうでもいい授業だったら(ごめんなさい)目を閉じてとりあえず机に突っ伏してみるのだが、結局は話し声が耳に入るし、そもそも座って寝るということが相当極限までいかないとできないので、全くもってどうにもならない。諦めて別のこと、例えば他の授業の課題とかでもしようと思うのだが、頭が重くて目の奥が痛くて、長い文を読んだり、考えたりできないので何にもできずにただただその時間から解放されるのを待つしかない。(ちなみに、私は動画見たりゲームしたり漫画読んだり推しのことを調べたりみたいないわゆるよくある趣味というか時間の潰し方に押し並べて興味がないタイプなので、それをする、という選択肢もない)


今、私は早朝覚醒に悩まされている。

睡眠薬を使えば眠りにつくこと自体は容易く手に入るようになった。しかし、どうしたって無駄に早く起きてしまうのである。

諸々の予定が終わって午前0時くらいに帰ってきて、そこからシャワーを浴びて何かしら食べて、明日の持ち物を用意して、となるとどうしても寝られるのは2時とかになる。そこで薬を飲んで寝たとしても、不思議なことに5時に目が開く。

二度寝しようとしても、今日の予定の時間が頭にちらついて眠れない。もう一度寝たら寝坊するかもしれない、なんて考えが無意識に働いてしまう。仕方ないから着替えたりして大方支度を終わらせて、安心できる状態でもう一回薬を飲んで寝てみたりするのだが、それでも1時間寝られたらいいところである。もはや薬とはなんなのだろうか、という感じだ。

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私はどちらかというと完璧主義だと思う。ついでに、なかなかのHSPだと思う。

というか、

「気にしい」

なのだ。


相手の反応がいつもとちょっと違った、そっけない、だけで心がちくちく。

ぽつっと発した一言が、ふっと感じた空気が引っかかってもやもや。

その日に出された課題が、やると決めたことが一つでも片付いていないと、そわそわ。



昔から、夏休みの宿題は早めに、どころかもう夏休みが始まって3日以内にはほぼ終わらせていたタイプだった。

遊びたいから、ではなく終わってないと、もし忘れたら、終わらなかったらどうしようの気持ちが強くて(つまり強迫観念)無意識に課題を早く早く片付けるクセがついていた。


大学生になった今も、それは変わっていない。相変わらずどうしても無理な課題(例えば行動観察法で、対象者の発言や行動を全て記録する逐語録を作る、とかは流石に1日でやるのは厳しい)以外は授業中か最低でも家に帰る前に消化してしまう。理科大の実験レポート(大体6000字〜とか)でさえ夜通し書いて、その日中に終わらせていた。

他にやっていること(芸能、バイト3つ、レッスン)が多すぎてそうでもしないと回らない、というのもあるけど、1番の理由はやっぱりクオリティは最低限のラインでいいから完璧に課題は済ませておきたい、安心して寝たい、それだけである。



正直、面倒だし、苦しい。


こんな自分なんて嫌いだ。

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先日、私の大好きな「マツコ&有吉 かりそめ天国」という番組を観ていた。

ざっくり言うと番組自体の企画以外に、視聴者から番組に届いたお便りの内容について、マツコさんと有吉さんがトークをするという内容もある番組なのだが、そのお題の中に

「休日になると、いつも意味もなくゲームなどをしてダラダラと過ごしてしまいます。たまにやりたくもないのにやってしまっている自分に罪悪感を感じます」(正確ではないかもだけど大体こんな感じ)

というものがあった。


そんな話に対して、マツコさんと有吉さんが言った言葉はこうだった。


「それが普通。休日に出かけられる人はエリート。」



私は、ハッとした。

なんだか、本当に新しい価値観をポンっとプレゼントされたような気分になった。


私は休もう、と思っても休めないタイプの人間である。例えば前世のアイドル時代に活動休止していた時も、結局毎日毎日頭の中はアイドルのことで堂々巡り。早く戻らなきゃ、忘れられたくないからSNSは絶対更新しなきゃ、の気持ちで逆に自分を追い詰めていた。

身体と心の状況は、ちぐはぐだった。


アイドルを卒業してからも、学年が変わって大学も忙しかったし、先述の通りやることは山のようにあったから、予定のない日、というのが本当になかった。

学校が休みの日でも、毎週行くと決めているレッスンには絶対行ったり、バイトしたり、買い物したり家事をしたり、ギチギチの毎日を送っていた。1つ予定があるだけで、気持ち的に早く起きてしまうので、なんだか慢性的に疲れているなあという気分で日々を燃焼していた。



そんな時にたまたま出会ったのが、先の放送であったのである。


「休みの日に映画とか時間の決まってるものに自ら行ける人なんてもう超エリート。」

という有吉さんの発言は、私の心を少し緩めてくれた。

休みの日でも何時何分からのレッスン行ったり、何時からのバイトに行ったり(私は先生業を生業としているので、シフト制と違って基本的に休みをイレギュラーにとる、ということができない)している私、超エリートやん、という気持ちに、ちょっぴりだけどなることができた。

だから、この前、いつもだったら行ってるレッスンを、今日は疲れているから辞めておこうとか、しんどいから少しバイトを減らそう、とかすることができた。

午後まで寝たりなんかしたらいつもは罪悪感でいっぱいだけど(いや、そもそも午後まで寝られた試しなんてないが)、先日は授業がないから朝ごはん食べてから二度寝しちゃうか、なんて気分になって、そのまま13時くらいまで自然に寝てた。


ああ、ゆっくり休めたんだ。

なんだか良い気分だった。

****

私は、完璧主義でいることが悪いことだとは思わない。何事も先延ばしにしないで、要領良く仕事を早く終わらせられる性格だからこそ、今の自分が成り立っている部分もある。


けど、時々完璧でいることにやっぱり疲れてしまう自分の存在に気づかされたのも事実である。

だから、この長い長い記事を読んでくださったあなたに伝えたい。



完璧主義でないあなたも、私は大好きです。

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