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丘の上より。


PORTERのショルダーバッグにレンズ2本、GFXを詰め込んで足早に家を出た。8:00に明大前集合。この日は高校の友人たちとひたちなか海浜公園へネモフィラを見に行く約束をしていた。雨脚が強かった昨日とは打って変わり、到着した11時ごろには雲が完全に切れ、強い日差しが降り注いでいた。入園後、腹ごなしに屋台で買った鶏白湯おじやを胃に流し込み、目当てであるみはらしの丘まで歩いて向かう。この土日が一番の見頃であったらしい。

群青色の景勝を眼下に、大三元レンズがどうだの、ラージフォーマットがどうだと、カメラの性能について語り合う男3人がいたとしたら、絶対に仲良くならないほうがよいと言う冗談はさておき、生まれて初めての丘一面の草花は月並みで申し訳ないが、本当に綺麗だと思った。

帰りのラッシュと追突事故による高速道路の渋滞が重なり、気づけば3時間強走行していた。やっと車窓に映った下町姿の東京。等間隔に置かれた高速道路の灯りが一定のリズムで目の前を過ぎていく。気づけば、最近活動を再開したというGalileo Galileiの「僕から君へ」が車内を満たしていた。高校の頃、よくウォークマンで聴いていた曲。なんということのない無機質なビル群が広がる遠景を前に、僕たちの車内には不可逆である時間の流れに馳せることのできない思いが、ほわほわとあたりを舞っていた。






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