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コーポレートアクセラレーターを成功に導く「カタリストと協業ディスカッション」

皆様こんにちは!ゼロワンブースターの岡でございます。

前職では金融機関での経験を経て、現在はゼロワンブースターでアクセラレーターの運営担当をしております。

ゼロワンブースターは、「創造をルーティンに」をビジョンにアクセラレーターをメインに運営している会社です。

今回は、コーポレートアクセラレータープログラムを運営する中で感じた「カタリスト」と「協業イメージ」の重要性について、お話したいと存じます。

▼この記事はこんな方におすすめ
1.事業会社と連携したいスタートアップ
2.アクセラレーターを考えている事業会社
3.スタートアップとの新規事業に悩む経営層

Writer:岡 宗一郎(SOICHIRO OKA)
政府系金融機関在職中、スタートアップ、事業承継、老舗企業など4,000社以上の審査を担当。創業専門部署では創業セミナーの企画・運営、大学・高校・専門学校で資金調達やビジネスプラン作成に関する講義、各ビジネスプラン審査員等を担当。ケーブルTVの生放送で地域経済の解説も担当していた。融資課長、創業支援センター所長を経て01Boosterに参画。

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カタリストとは?

コーポレートアクセラレーターでは、カタリストという役割の方を、スタートアップ連携の中で担っていただきます。

※カタリストとは…スタートアップと自社の仲立ちとなりスタートアップに適した自社のリソースを引っ張り融合させる、いわゆる化学反応を起こす役目

(上記のページの”日本国内のプログラムの特徴カタリスト育成が重要に”も参考になります!)

このカタリスト自身が、コーポレートアクセラレーターの中で、スタートアップの皆様と協業を行う際に、結構戸惑ってしまいます。

例えば、下記のような状況ですね。

・スタートアップの支援方法がかわからないという状況が起きてしまうことがある。
・引っ張っていくはずのカタリストが、逆に動きの速いスタートアップに引っ張られてしまうこともある。

我々ゼロワンブースターとしても、間に入って、カタリストがうまく動けるようにサポートするわけですが、カタリスト自身の姿勢も重要になってきます。

なぜ、上記のような現象が起きてしまうのでしょうか?

カタリストがうまく動けない原因

その構造的な原因の一つとして、「日本企業の優れた上意下達システム」が考えられます。

コレ自体が悪いことではないのですが、カタリストが自発的に動く際に、不和が生じることもあり得ます。

例えば、大手企業は現状、複数年計画が経営層から現場に降りてきて、現場はそれをひたすら(受動的に)こなすシステムになっていることも多いです。(当然、全ての方がそうではございませんので、傾向ですね。)

繰り返しますが、これは悪いことではありませんが、自由に自発的に動くことを求められた際に、マインドセットの変換が必要になります。

カタリストの大半は課長職以下で、何もない所から計画を作成(いわゆるスタートアップのような0→1の発想)するのは慣れていないケースが多いのです。

逆にそのような慣れない経験が出来ることも、カタリストの皆様にとっては負荷がかかりますが、楽しい経験になります。

また、同時に、組織の自発性を高める機会にもなるかと存じます。

カタリストが動きやすくするために

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それでは、スタートアップとの協業に慣れていくために、カタリストにはどのように接すればよいのでしょうか?

下記のようなものが挙げられるかもしれません。

・カタリストとスタートアップのコミュニケーション頻度を上げる。
・カタリストが孤立しないように、経営企画などのアクセラレーター事務局とのコミュニケーションを頻繁に取る。
・スタートアップ1社に複数のカタリスト、アクセラレーターの担当を配置する。
・カタリスト同士で定例会や交流会を開いて、仲間を作っていく。

カタリスト自身も、スタートアップの自律的な動きに慣れていく、産みの苦しみはありますが、とにかくスピードを上げていく必要があります。

ここはゼロワンブースターの仕事でもありますが、自社の資源を確実に理解し、スタートアップと何が生み出せるのか?をしっかりカタリスト自身も考えなければなりません。

そして、カタリスト自身も慣れないことの連続になるので、自社とスタートアップに貢献するために、横のつながりを持ったり、スタートアップとも交流を深めていき、活動の質を上げる必要があります。

そして、コーポレートアクセラレーターにおいては、カタリストだけが頑張るのではありません。

それは、事業会社として、スタートアップと何をしていきたいのか?ビジョンメイキングをする必要があります。

いわゆる、協業をイメージしたり、協業をディスカッションする必要があるわけです。

ここは、カタリスト自身も入っていって、事業会社全体を巻き込む必要もあります。

協業ディスカッションの重要性

協業ディスカッションとは、スタートアップと事業会社が、事業会社のアセットを使ってどのように事業をスケールするか、協業するかの話し合いになります。

この話し合いがなされていないと、協業イメージやゴールのイメージができていないことで、面談審査ではスタートアップの課題や、やりたいことがわからない、という結果になってしまいます。

事業会社側が、スタートアップとの協業に慣れていないと、スタートアップへの過度な期待や、待ちの姿勢になってしまい、良いオープンイノベーションに繋がりませんよね。

オープンイノベーションを加速させるために

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例えば、アクセラレータープログラムを始める前に、事業会社として、「この活動で目指すものはなにか?」を醸成しておくことは重要です。

また、募集からデモデイまで、アクセラレーターは1年ほどかかるプログラムですので、色々なタイミングでディスカッションをしないといけません。

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・プログラム始まる前に協業イメージやゴールのイメージの醸成
・面談審査のシーンでのスタートアップの課題ややりたいことのヒアリング
・スタートアップとの要望面談や、進め方を議論を行う。

過度にスタートアップに期待する以上に、前もって事前に話し合っていれば、充実したプログラムとなっていきます。

協業ディスカッションは、プログラム期間、スタートアップの事業の加速がより速くなる可能性が高いです。

もし新規事業開発や、アクセラレーターで悩んでいる方は実行してみましょう。

他方で、協業のイメージや、マッチング感を重視しすぎると、シードステージのスタートアップが選考外となるのでバランスも必要です。

コーポレートアクセラレータープログラムは、シードステージのスタートアップにも事業のサポートを伸ばす最適なプログラムです。

マッチング感も出しつつスタートアップの急加速をメインであることをしっかり理解して、カタリストの育成やスタートアップとの協業をイメージしましょう。

まとめ

カタリストと協業ディスカッションの重要性をお話してみました。

まとめとしては、下記のとおりです。

・コーポレートアクセラレータープログラムをよりよいプログラムにするにはカタリストの存在が外せない。
・0→1を得意としないカタリストに対して迷走しないよう密にコンタクトを取る。
・プログラムに関わっていない人が数ヶ月毎にカタリストからフィードバックを受けるのも、振り返りに良い。
・事業会社はプログラム期間中スタートアップとどういうサポートができるか、スタートアップは事業会社のどのリソースを使って事業を加速していくのか、プログラム始まる前にお互いにしっかりイメージを持つことが成功の鍵である。

以上、現場からのレポートでした!

ご案内

さて、我々ゼロワンブースターは、多様な企業の皆様へのコーポレートアクセラレーターのサポートも通して、日本が「事業創造をルーティンに」なることを目指しています。

もしよろしければ、下記のHPもご参考下さい!

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01nightというオンラインイベントもやっております。

もしご興味ございましたらこちらから、案内を御覧ください。

引き続き宜しくお願い致します。

ゼロワンブースターへのお問い合わせは、こちらのフォームからもしていただけますので、ご興味がございましたら、どうぞ宜しくお願い致します。

また、株式会社ゼロワンブースターでは、採用活動を積極的に行っています!

事業創造に興味がある方、ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい!

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Writer:岡 宗一郎(SOICHIRO OKA)

政府系金融機関在職中、スタートアップ、事業承継、老舗企業など4,000社以上の審査を担当。創業専門部署では創業セミナーの企画・運営、大学・高校・専門学校で資金調達やビジネスプラン作成に関する講義、各ビジネスプラン審査員等を担当。ケーブルTVの生放送で地域経済の解説も担当していた。融資課長、創業支援センター所長を経て01Boosterに参画。

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