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ビッグデータを活用するとここまで計測できる:街づくりカルテ【エリアクオリア指標】のトリセツ④新規技術の活用
こんにちは noteメンバーシップ:ツギ・マチ・ラボ(次世代の都市・街づくりラボ)を運営する松岡です。私たちの研究会FIACSで開発しているエリアクオリア指標の検討に当たっては、アンケートに替わる主観的評価の調査手法として、行動データ、情感データなどの新規技術の活用を図ります。
よろしくお願いします。
【内容】
⑴ 通信事業者データの活用
⑵ キーワードデータの活用
⑴ 通信事業者データの活用
KDDIグループの現状サービスでは、スマホなどの通信データからGPSを活用した位置情報は10Mメッシュ、最速2分で提供可能だという事です。
さらにその行動特性から居住者・勤務者・来街者などの属性把握ができるそうです。
従来のアンケートやカウント調査に代わって、時間別・場所別にお客の性別・年齢がきめ細かく分かるだけでなく、滞留時間や回遊状況まで把握できるわけです。
さらに行動データに家庭電気量や検索データを組み合わせれば、家族属性やライフイベントを推定したり、運転行動やWeb閲覧履歴と併用することによって Big Five分類などの性格推定も可能になるという事です。
外向性や知的好奇心などの性格は消費嗜好や行動とも連動し、これに適応したコミュニケーションを実施する事によって購買率がアップするという研究実績もあるそうです。
データ活用は調査・分析の段階から最適コミュニケーションを実現する段階に入ったと言えます。
将来的には場所や街との相性をマッチングすることも可能になるかもしれません。
このように進化の著しい通信事業者データを、エリアクオリア指標における来街者の【行動データ】として計測し、積極的に活用したいと考えます。
※(株)ハピネスプラネットの矢野和男氏が開発した「ハピネス係数」は、幸福度について直接的に計測できる実験結果もあり、非常に興味深い手法なのですが、専用アプリをダウンロードする必要がある為、大規模なデータ収集が困難であると判断しました。
⑵ キイワード・データの活用
(株)角川アスキー総研が開発した「Twitterトレンド解析」はTwitter社から全量データの利用を許可され、東京大学との連携によってキイワードから性別や年齢などの属性を推定(確率80%)できるようになっています。
どんな人が「渋谷」や「新宿」など特定の街に対して、どのような「ワード」が発信されているのかが、解析可能になっています。
最近のテレビの情報番組における「話題ワード・ランキング」はほとんどがこのサービスが活用されています。この手法により、街の情報発信力と特化した街の特徴・強みの可視化し、【情感データ】として活用していきたいと考えます。
従来のアンケート調査では、設問による意図的な誘導や、日本人独特の自己肯定感の低さが課題になっていました。
行動データやキイワードデータの活用による街への関心・愛着の継続的な計測は、「好感度のアンケート調査」よりも納得性の高い指標になるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき有難うございます。次回以降では、エリアクオリア指標における、データの組み合わせ方などについて、触れていきたいと思います。よろしくお願いします。
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