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快感の再現

「やりたいこと」がない子を考える(10)

数学者の岡潔の「研究の中にある純粋な喜びは、幼い頃から私の中につくられてきた」という言葉は象徴的です。
傑出した研究者たちも、幼い頃「あの虫を見つけた喜び」を研究の中で味わおうとしているのです。
「長期的な意欲がなぜ生まれるのか」も今や自明になりました。
長期的な意欲とは、「過去に味わった快感を再現しようとする衝動」に他なりません。
これは僕の周りの子たちをみていても、実感することです。
「やりたいことしていいよ」と言った時、パッとする子は、大体熱中することがあります。
魚だったり、虫だったり、音楽だったり、石だったり、スポーツだったり。
「やりたいことがある」というのは、つまるところ「快感の再現」をしようとしていると言えるのではないでしょうか。

対して、「やりたいことがない」という子は、話を聞くと人生の中で何かに熱中したことがほとんどありません。
「自分が何に快感を感じるのか」がわからないので、何をすればいいのかもわからないのです。

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