おひとりさま紀行@2021九州(鹿児島~屋久島)
あたし、仕事を辞めました。って言っても転職なのですが。
転職をするとよくあることとして「有休消化」があります。余っている有給休暇を退職する間際にまとめて使ってしまうやつです。私の場合20日程度あったものですから、1か月間ほぼ休日だったのです。
という訳で休みがあります。休みがあるということはもちろんそういうことです。
旅に出ます。
■今回の行程
今回は日本で最初に登録された世界遺産のある島、屋久島を目指します!屋久島の代表的な観光スポットと言えば樹齢7200年?とも言われる太古の巨木「縄文杉」だと思います。
この縄文杉ですが、屋久島の険しい山の密林の最深部に位置しているため、車では当然向かうことはできず、歩いて向かう必要があります。その歩行距離は約12km。なので行って帰ってくるのに往復で約24kmほど歩く必要があるという、難易度高めな観光スポットなのです!しかも高低差も半端ない。
この有休消化期間、いつもならできない、難易度の高い旅がしたい。そんな私の思惑と、この縄文杉からの挑戦状の内容がマッチしたという訳です!
飛行機と宿を予約して、早速旅へと向かうのであります!
1日目 初めまして鹿児島!
◆11:30 @鹿児島中央駅
私、海外には行ったこと無いんですが、日本国内ならば割と行脚している方だと思っています。行ったことの無い都道府県があと数県あるのですが、鹿児島県はそのうちの1つでした。
ですのでここは、屋久島はもちろんなのですが、鹿児島の魅力もしっかり体感しておこうと思い、1日目は鹿児島市内(主に桜島)を観光する時間を作って、それから屋久島へ行こうと考えました。
成田空港からみんな大好きジェットスターに乗って鹿児島空港へ。そしてそこから高速バスで鹿児島中央駅に到着しました。この時点でまだ午前中です。16:00に屋久島行の高速船が出航するので、それまで4時間あまりの小観光です!
◆12:30 @鹿児島本港南埠頭
路面電車に揺られて屋久島行の高速船が出る埠頭に到着。ここで一度荷物をロッカーに預けて桜島行のフェリーに乗ります。
しかしその前に、成田から何も食べていなかったので一度腹ごしらえ。埠頭の待合ターミナルの中にある鹿児島ラーメンのお店「我流風」に入ります。鹿児島って結構ラーメンが名物らしく、九州のラーメンということで豚骨ベースのラーメンが特徴みたいですが、コレという決まった特徴は無いそうです。各店舗が個性を競っている、そんな独自の文化があるといったところでしょうか。
食べ物で現地の名物を食べると、一気に旅行に来たという感覚になりますね!
◆13:00 @桜島
そもそもこの旅行したのが梅雨明け前だったのですが、なんとか天気がもってくれています。桜島の山頂にこそ雲がかかっていますが、その姿を拝むことができました。桜島に到着してから再び鹿児島本港に戻るフェリーに乗るまで2時間弱しかないので、港の周りをうろつきます。
そういえば桜島のフェリー乗り場にこんなものが・・・
―火の島”桜島”から世界へ翔け!YATTO―
そういえば桜島は、あのJリーグのレジェンド選手・遠藤保仁選手の出身地でした。現在はジュビロで頑張っていますが、引退間際に鹿児島に戻ってプレーしても面白いかもしれないですね(鹿児島にも鹿児島ユナイテッドFCというサッカーチームがありますので)。
ちなみに今をときめく日本代表・大迫勇也選手も鹿児島出身ですが、彼は南さつま市というところの出身だそうです。
さて時間が無い中でしたが、桜島ビジターセンターで展示を鑑賞したあと、近くにある足湯でほっこり。そのあと道の駅桜島で「小みかんソフトクリーム」を頂き、最後に港のそばにある月讀神社をお参りしてちょうどいい時間。という感じでテンポ良さげに観光し、鹿児島本港に戻りました。
今回はほんの一部でしたが、2時間もあればそれなりに楽しめる桜島。今度訪れた際にはちゃんと島内一周して魅力に浸ろうと思いますが、日帰り観光の行程にも入れやすいので、ぜひ機会があれば訪れてみては!
◆16:00 @鹿児島本港南埠頭
さていよいよ屋久島に向かいます。屋久島へは飛行機、高速船、フェリーの3つの手段で向かうことができますが、安さと所要時間のバランス、そして桜島観光もしたかった兼ね合いから高速船をチョイス。途中種子島を経由し2時間半で屋久島へ到着するとのことです。
なんかフェリーみたいなのを想像していて、航行中はラウンジで優雅にコーヒーでも飲みながら雑誌でも読むか~とか勝手に妄想していましたが、シートベルト着用必須でずっと座席にいるスタイルだったので勝手に残念がってしまいました(飲み物飲んだり雑誌読んだりはできます)。
◆18:40 @屋久島安房港
予定より少し遅れたようですが屋久島に無事到着しました~!船の中から写真撮るのはちょっと難しかったのですが、屋久島は本当に険しく、"聳え立っている"という印象です。先に寄港した種子島が高い山の無い島なので、より屋久島の険しさが際立っていました。
ってなわけで早速宿へ。
今回はこちらの「ホテル オーベルジュ」にお世話になります。1階部分がレンタカー屋になっていたり、近くにスーパーもあったりで、不便すること無しという感じです。本日は早めに休んで、明日に備えます。明日は朝4時起きですので!
2日目 太古の森へ往く
本日はいよいよ旅のメインディッシュ、縄文杉登山です!朝4時起きで、4:30過ぎに宿の前にお迎えのバスが来るのでそれに飛び乗ります!
◆6:00 @荒川登山口
結構な山奥までバスに揺られて、やって来たのが「荒川登山口」です。車ではここまでしか来られません。ここで朝ごはんのお弁当を食べ、トイレを済ませて、いざ約10時間、約24kmの登山へ向かいます。
縄文杉登山は個人で行くこともできますが、ガイドさんに連れて行ってもらう登山ツアーがあるので、初めての人はそれに申し込むのがベターだと思います。
私が申し込んだのは、Yamakara屋久島さんの「縄文杉日帰りトレッキングツアー」ってやつです。自分の宿まで来てくれる送迎バス、そして上記写真で私が身に着けているザック、登山靴や、他にもヘッドライト、レインウェアなどなどのレンタルもコミコミで12800円でした(レンタル品の宿への送迎は別途1000円)。
宿の人も「宿の目の前まで迎えが来てくれるのは珍しいねえ!」とのことでしたので、初めて縄文杉登山にチャレンジする方は是非使ってみてください!
てなわけで早速スタートです!
◆7:30 @トロッコ道
序盤はこのようなトロッコ道を8kmほどひた歩きます。高低差はほとんどありませんが、とにかく永遠にこの森の中をトロッコの線路に沿って歩きます。
この日は全体で50名ほどが縄文杉を目指して歩いていたようですが、これでも以前より半減以上の落ち込みなんだそうです。
ツアーは1組5人にガイドが1人というスタイルでした。私が参加したグループは、千葉から来たカップルと、埼玉から来たカップルと、孤独の旅人である私という編成で、道中の記念撮影ではカップルたちが撮ったあとに、彼らに見守られながら私の単独撮影が行われるということで、非常に心の苦しい時間が流れていました('ω')。なぜガイドさんはこのような編成にしたのでしょうか・・・。(※他のグループには一人で来たと思われる女の子もいたり、1人だからアウェイという環境ではないです!私の運が無いだけです!)
◆8:30 @トロッコ道の終点
2時間半ほど続いたトロッコ道散歩が終わりました。ここから縄文杉までは残り約4kmなので往路の半分は超えた?という気持ちになりますが、これまでほとんど稼いでこなかった高低差を一気に500mほど稼いでいきます。
そうです。トロッコ道が終わってからがようやく”登山”と相成るわけでございます。
ちなみにここから先のエリアにはトイレが無く、自然保護の観点から野ションもできません(というか何処であっても野ションは良くないよ)。
縄文杉登山にはスタート時の荒川登山口にあるトイレ、トロッコ道に中間にあるトイレ、そして先ほど記述したトロッコ道終点にあるトイレ、の3か所にしかトイレがありません。
そのため登山する際の持ち物として”携帯用トイレ”も記載されていて、道中にも上記のトイレ以外に”携帯用トイレブース”というものが点在しており、幾分囲われたところで携帯用トイレに用を足せるようになっています。
私は生憎(準備不足で)携帯用トイレは持ち合わせていなかったので、これから縄文杉に会って帰ってくるまでの約5時間、漏らさないか心配なところですが、先に進みます。
◆9:30 @ウィルソン株
縄文杉登山のガイドブックはもちろん、屋久島の観光案内でも取り上げられることの多い名所、ウィルソン株に到着しました。
これはかつて聳え立っていただろう巨木の切り株の部分で、その中が空洞になっており、人が4~5人は入って過ごすことができる広さがあります。
そしてこのデカい切り株がなぜ名所化してるかというと、もちろん中に入れる大きな切り株という点でも価値はありますが、中から天井を見上げると切れ目がハート形に見えるという点が人気ポイントになっているのです。
いかにも観光地っぽいカンジが出ちゃってますが、この時点で徒歩3時間半かけないと来られない場所なので、並のインスタグラマーには辿り着けない場所なのです。
では実際にウィルソン株の中に入ってハート形を確認してみよう。。。
ハートのお尻の部分(表現合っている?)は分かりやすいですが、先っぽの方がイマイチですかね。なんか下に垂れちゃってますよね。
ガイドさんによると午前中は日差しの方向的にあまり綺麗に見ることができないようです。日差しの向きもしかりですが、そもそも晴れていてくれないと見えないですし、他の登山客が少ないことも写真を撮るには重要な要素だそうです。帰り道にもっと綺麗なハートを拝めることを期待しつつ先に進みます。
◆10:30 登山道の終盤
ここからは写真を中心にダイジェスト。
◆11:30 @縄文杉
ついにご対面の時。これが屋久島の森に太古から君臨する、「縄文杉」。
高さ25m、周囲16m、大人が10人でやっと周りを囲えるほどと言われる樹。その齢、2000年~7200年と言われ、7200年前は日本史で言う縄文時代であることと、幹の紋様が縄文土器に似ていることから縄文杉と名付けられたという。物理的にも歴史的にも、まさに圧巻のスケールなのです。
ここまで5時間半ほど歩いて、ようやくたどり着いた、屋久島の最深部。普段東京で生きている自分が触れたことの無いような空気、空間が広がっていました。
縄文杉の立姿がなんとも美しいことはもちろんなのですが、ここまで歩いた達成感も一入(ひとしお)で、このツアーの醍醐味はまさにそういうところに詰まっているのかなと感じました。
さ~てこれでGOAL!おしまい!
という訳ではありません。これから帰りの道を歩きます。来た道と全く同じルート、同じ距離を歩きます。つまりは歩く距離としては、この縄文杉に出会った時点でようやく半分の50%になったということになります。このツアーの最も難易度を上げている要素はまさにこの部分、帰りの道のモチベーションの低下という点なのです。。。
そんな帰りの道につく前に、縄文杉にほど近い場所でお昼ご飯タイムなのです。一旦ここで体力を回復させまして、帰りの道につきます。
ガイドさんからはスープの差し入れもいただきました。おもむろにザックからガスバーナーと鍋を取り出し、湯沸かしてインスタントのスープに注いでいました。ありがてぇ。
ちなみに私は行動食として、グミ、チョコ、ゼリー飲料を持っていきました。歩きながらでも栄養が取れる形のものや、口の暇つぶしになるものを持っておくと良いと思います。自分をマネジメントするためにも結構大事なので、チャレンジする方は是非準備しておいてください(ゴミは必ず持ち帰りましょう!)。
◆12:30 @登山道(下山中)
このあたりから写真や動画を撮る回数が減り始めます。
景色慣れと疲れの蓄積・・・です。
先に進みます。
◆13:30 @ウィルソン株
さて行きにも立ち寄ったウィルソン株に戻ってきました。この日は先述の通りお客さんがかなり少ない状態でしたので、ウィルソン株に居たお客さんは我々以外にはいませんでした。そしてお天気も快晴を保っています。これはチャンスか!
え、想像以上にハート(笑)。これだけきれいに、かつ余裕を持ってウィルソン株のハートを写真に収められるチャンスは中々ないらしいです。ラッキー!
そんなわけで、雑誌の一面にでもなりそうな写真を撮ることができました。指ハートは余計だったか。
◆15:00 @トロッコ道(帰り)
トロッコ道まで戻ってくると、あるものと戦わなければなりません。それは睡魔です。まじで眠かった。ほんとに。帰りのトロッコ道は終始9割方寝ながら歩いていました。
いよいよラストスパートです。
◆16:30 @荒川登山口(GOAL)
10時間半、約37000歩の度は無事にフィナーレを迎えました。ともに歩いたガイドさん、カップルたちとお別れをし、バスに飛び乗って帰ります。いや~楽しかった。
ちなみに帰りも宿の前までバスで送ってもらえました。マジでありがたいサービス。
3日目 屋久島1周弾丸ツアー
さて3日目です。あれだけ歩いた昨日でしたが、なんだかんだ昨日はすぐに寝ず、23時近くまでテレビなんか見てダラダラしてました。本日は16:00に鹿児島へ帰る高速船が出航しますので、それまでの正味6時間程を使って屋久島をほぼ1周してみようと思います。
◆10:00 @千尋の滝
レンタカーを宿の近くで借りて弾丸ツアースタートです。まずは千尋の滝(せんぴろのたき)に向かいます。
想像より展望台と滝との距離が離れていましたが、滝の横の斜面を含めた景観がスバラシイ場所でした。また展望台に向かう道の途中でナチュラルにサルが3匹、毛づくろいをしていてちょっとドキドキでした。
◆11:30 @湯泊温泉
時間が無いのでどんどん行きます。前日、宿や宿の近くに温泉が無かったためシャワーを浴びるのみだった私。どうしても温泉に入りたく立ち寄った尾之間温泉という公衆浴場で湯に浸かるも、推定46℃の湯温に耐え切れず、満足に温泉を楽しみきれず。。。
そうして次に訪れた温泉がこの湯泊温泉ですが、こちらも単なる温泉ではなくちょっとしたハラハラPOINTがありまして。。。
今私が立っている場所は海岸の道路から延びる歩道で、シンプルにその先に温泉があります。つまりはこれ吹きっさらしの水たまりみたいな温泉なのです(笑)。
しかも写真をよく見てもらうとある、仕切りみたいなものの手前が男湯で、奥が女湯で、その仕切りも気持ち程度のものなので実質混浴です。すげーな。
平日の午前、周りには人っ子一人いない状況。私はおもむろに服を脱ぐのでありました。
誰か来ても恥ずかしいので、3分くらいで出ました。現場からは以上です。
◆12:30 @屋久島フルーツガーデン
続いてフルーツが食べられるということを聞きつけてやって来た、屋久島フルーツガーデンです。中に入ってみると小屋があってまずはフルーツ食べて、と言われ実食タイムに。
小生、パパイヤとパッションフルーツは今までに食べたことが無かったので、興味津々。パパイヤは甘さ控えめなマンゴーって感じですかね。個人的にはこっちのほうが自然な食べ物の味がして好きです。パッションフルーツは外の紫色の部分は食べず、中にある種とその周りの汁を吸って食べるとのこと。さわやかな酸味が暑い日に最適な食べ物でした。
実食タイムが終わると、管理人のおじぃと園内ツアーに出かけます。園内にある日本では珍しい植物を丁寧に紹介してくれます。20分くらいのツアーで屋久島のおじぃとのふれあいを楽しんだ後は再び滝に向かいます。
◆13:30 大川の滝
今度は島の西側にある大川の滝(おおこのたき)に来ました。先ほどの千尋の滝と違ってこちらは間近で滝の姿を拝むことができました。水量や落差は屋久島一を誇り、日本の滝百選にも選出されているそうです。
◆14:00 @西部林道
さて時間が無くなって来たぞ。なんでこんな急いで観光しているのかとちょっと後悔もしていますが、テンポよく色々な自然の姿に触れられるのもまた一興!と言うことで西部林道に突っ込みます。
屋久島の西側は平地がほとんど存在しないため、民家もありません。その手付かずの状態な故、西部林道のエリアは世界自然遺産の登録エリアにもなっているほど、貴重な自然の宝庫となっているのです。
あとこの西部林道あるあるとしては普通に道の上で鹿が散歩してたり、サルが井戸端会議してたりします。普通に。鹿とサルが同時に現れたりして、結構仲良さそうでした。
◆14:30 @永田いなか浜
グネグネした林道を30分くらいかけて抜け、やって来たのは永田いなか浜。綺麗すぎてエメラルドグリーンになっちゃっている海と、やや黄色がかった色が特徴的な砂浜のコントラストが見事です。
ここはウミガメの産卵地として有名な場所で、よくニュースとかで紹介される場所みたいです。また夕日が綺麗に見える場所としても名をはせているようですが、如何せん時間が合わず(一緒に見る人もいないので)今回は断念しました。いや~こんな海にカラダごと突っ込みたい!のですがウミガメに申し訳ないのでやめておきました。
ここを過ぎるといよいよゴールが近づきます。
◆15:00 @宮之浦港
無事にレンタカーの返却場所である、島北部の宮之浦港に到着しました!
で、3日目の屋久島1周弾丸ツアーの中で旅にとって重要なある要素をお伝えし忘れています。それは何かと言うと昼ごはんです。
それもそのはずで、伝えるどころか、この日は昼ご飯を食べるタイミングを失っていたのです。。。泣
どんだけ駆け足で旅行してんだって感じですが、見るべきものは割と見て回れたと思いますので良いのです!!
そんなことをしている間に出航時間となりました。私の初めての屋久島探訪はこれにて終了となりました。
とにかく大自然の力、美しさを肌で感じることのできた、貴重な3日間でした。
”難易度の高い旅”と言いましたが、屋久島にも空港があり、縄文杉にも日帰りで見に行くことができますので、言うほどのハードルは無いと思います。ぜひとも週末など時間と余裕がある折には、屋久島で日常に埋没してしまった感性や感覚を洗い、心のリフレッシュをしてみてはいかがでしょうか!
そうして私はこの日の夜、家に帰らず、鹿児島から新幹線に乗って鳥栖で降りるのであった。。。(つづく)
■今回の諸経費
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