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すごいぞ長龍酒造「稲の国の稲の酒」 人の偏愛日本酒レポート(ALOSさん推薦)

日本酒メーカーは全国に1500くらい(造っているしてるのはもっと少ない)あるといわれています。なのに、自分の好みでお酒を選んで飲んでいると、似たタイプのお酒や蔵が続くことがあります。まだ見ぬお酒がたくさんあるのに!

今回はなので「人が本気でお勧めしている偏愛酒」を飲みます。知らない銘柄だとよりいい。そこに自分の知らない「何か」があるはずだと思うのです。

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今回の紹介者はALOSさんです。これは以前オンライン飲み会でお会いした時の様子。狐のお面が怖いです。

ALOSさんの偏愛酒は、奈良県「長龍酒造(ちょうりょうしゅぞう)」さん。飲んだことありません。というか酒屋さんで見たことがないです。今回はALOSさんより、長龍酒造オンラインツアーのお誘いをいただき参加しましたのでレポートします。

長龍酒造オンラインツアー

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オンラインツアーに先立ち、お酒が届きました。1合瓶ですと冷蔵庫にもはいるのでありがたいです。手前の四角は酒粕クリームチーズ。おつまみ付きです。

今回のセット
「稲の国の稲の酒」特別純米酒 無濾過生原酒/特純 無濾過原酒ひやおろし/特別純米酒 2014年醸造/露葉風 特別純米酒/露葉風 山廃特別純米酒
「吉野杉の樽酒」

お誘いから購入のアナウンスまで、すべてALOSさんが手配してくれました。実はALOSさんは蔵公認のアンバサダー。今回のオンラインツアーは蔵の方がALOSさんに提案し実現したそうです。

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長龍酒造さんのお酒がどんな味かわからないため、おつまみはいろいろ準備。左下のものは、長龍酒造さん謹製の酒粕クリームチーズをわさび醤油であえ、かつお節をかけたもの。蔵公認の食べ方です。

みんなで乾杯!

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蔵元&参加者みんなで乾杯!

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まず、いいなーと思ったのが乾杯酒「樽酒」。
乾杯ってなんというか、スパークリングとか、軽く飲みやすいものとか、華やかでわかりやすいお酒になることが多いのです。そこを「樽酒」。渋いです。

長龍酒造さんは初めて樽酒を「瓶詰め」して発売した蔵なのだそう。よく考えるとお祝いの席で飲まれる樽酒なので、「乾杯」に相応しいのかもしれません。

樽酒、うまい。これぞ酒って感じ。まろやかです。ずっと飲めるやつです。

動画で学ぶオンラインツアー

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早速オンラインツアーがはじまります。なんと上空から。

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酒造りの神様が祀られている大神神社や、吉野杉で知られる吉野山が近くにあります。

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のどかな音楽にのって駅から蔵まで向かいます。

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到着。ここが長龍酒造・酒道場 広陵蔵。「道場」というのは、ここで開発したお酒造りの技術を広く公開していたことに由来します。

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今回のホストである長龍酒造のおふたり。一瞬ソフマップに見えました。
左が営業ご担当の谷澤さん、右が醸造ご担当の吉岡さんです。

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さらに今回は原材料のお米を栽培されている農家の方も参加!

少しですが、ここで長龍酒造さんのご紹介を。

1923年(大正12)創業。飯田酒造場(1868年創業 現在の奈良県天理市㈱飯田本店)より独立し、大阪・八尾で小売業を開始。吉野杉を使った瓶詰め日本酒を商品化しロングセラーに。奈良県の酒米「露葉風」を使った商品など風土を活かした酒造りを行っている。

ツアーをみながら飲み比べを楽しみます

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今回は初めて飲むお酒ということもあり、酒器もいろいろ準備。まずは平杯(手前真ん中のやつです)でひとくち、それから良さげな酒器でのむことに。

特別純米酒 無濾過生原酒

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この無濾過生原酒、ALOSさんが2018年に初めて飲んで長龍酒造さんにはまったきっかけとなったお酒だそうです。

 (ALOSさんより)私が求めているお酒は味のバランスがとれ、香りがほどよくあり、アルコールが尖がることはなく、お米の個性があるお酒です。一昨年「稲の国の稲の酒 無濾過生原酒」を飲んだところ、まさに自分の「理想」と言えるお酒だったのです。

いいなー、あまみはあるけど全く疲れない。ちょうどよい。少し味をくっきりさせたくて錫でいきます。

地下で熟成させたビンテージ純米

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続いて酒造りの紹介。手仕事と機械化の両方に取り組んでいるそう。

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これが長龍酒造さんのもうひとつの特徴である「地下低温瓶内貯蔵」。奈良・広陵で造ったお酒を大阪の八尾にある地下貯蔵庫で管理。約10度に保たれた空間でゆっくり熟成させ、まろやかな味わいに仕上げているそう。

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こちらが2014年のビンテージ。お腹がすいたので南インドカレー・エリックサウスのレトルトと一緒に。これが意外に合いました。ほどよい熟成感、ボディにスパイスの刺激が組み合わさります。

熟成ってわりとクセというかパンチがある印象なのですが、まったく疲れない。そのままでも温めても、じっくりゆっくり飲み続けたい味わいです。

奈良県唯一の酒造好適米「露葉風」のお酒

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再び農家さん登場。奈良県で唯一の奨励品種となった酒造好適米・露葉風(お酒造りに適した独自のお米)を栽培されているとのことで、お話を聞かせていただきました。
場所は奈良県北東端にある山添村、標高620m〜で寒暖差があり、お米の栽培に最適だそう。

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(鹿がくる、2mのフェンスを飛び越えてくる、と話しているところ)

この農家の方が面白い。大変なお仕事だと思うのですが、すごいカジュアル。「鹿の他にハクビシンも来ますね。フェレットみたいなやつ」「(露葉風の特徴は?)やったことないからわからんのですよ!」「(心白が米の中心からずれるらしい)植えてるときにわかるわけない笑」とかとか、朗らかに話していただきました。

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こちらがその露葉風(山廃ver)。うまい、一番好みでした。派手さではなく、奥行きとか味の情報がみっしり。それでいて重すぎず強すぎず、絶妙です。

蔵の方いわく、露葉風は山で育った野太さがあり、きれいにまとまらないところが魅力。同じ環境で熟成させてもビンテージによって味わいが変わるほど、画一的ではない特徴があるそう。好きですよ、そういうの。

質問タイムが濃い!

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ツアーがおわり「質問タイム」へ。

Q麹を造るとき、お米に振る麹菌の量はどれくらい?
Qちなみにその麹菌の種類(メーカー)は?

などなど「知ってどうする?」と思うような詳細の質問が次々と。でも、これがファンなのです。知れるものはなんでも知りたいのです。

蔵の方もひとつひとつの質問にちゃんと答えてくれます(米100kgあたり○グラムとか、麹のメーカーはどことどことか)

実は、ここもALOSさんが長龍酒造さんを好きになった理由があります。

(ALOSさんより)当時、長龍酒造 統括部長であった橋本愛裕さんにとても親切にして頂き、お酒の特性や魅力の紹介など様々なことを教えていただけました。お酒の問い合わせを何度も行い、その度にお返事頂いて嬉しい気持ちでした。

ALOSさん推薦「長龍酒造」さんはおいしい!

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今回は合計6本の飲み比べセット。お米を大事にされる方針とあり、あまりお米を削らない「純米酒」でした。どれも「落ち着いた味わい」「バランス」が共有していて、お米やビンテージの微かな違いなどが楽しめました。

(ALOSさん)長龍酒造さんは、自分の好みのお酒であり、とても親切にして頂きました。関東では「稲の国の稲の酒」はあまり出回っておらず、他にも知られていない銘柄もあります。蔵の方にとても親切にしていただき、その恩返しとして私のできる範囲で長龍酒造さんの魅力を伝えていければと考えています。

ALOSさん、ありがとうございました。おすすめのわけを聞きながら飲むと、一層おいしく感じます。そして好きな具合がひしひしと伝わってきます。新しい日本酒蔵の魅力を知ることができました。

推しの日本酒を教えてください

人の夢中になっているお酒を、その人の解説と一緒にのむのはとても面白いです。偏愛酒がある方、ぜひ大久保までお教えください。

ALOSさんのブログはこちら



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